近況報告 by B

ご無沙汰しております!!Bでございます。

数か月間、このブログを放置しており申し訳ございません!!日常の瑣事に惑わされ、書こうか書こうかと思いつつ、徒に時間のみが経過し、今に至った次第でございます。m(_ _)m

正直言いまして、このブログ執筆も、書いては推敲して書き直したりして(まぁ、それでも誤字脱字や、変な言い回し等は後を絶ちませんが・・・)、まぁまぁ時間がかかりますので、もう手が回らないので「断筆宣言」しようかとも真剣に考えておりましたが、先日のJSCRSや何らかの会で、Bの正体を知っておられる複数の先生方から、「楽しみにしてるし、書いてよ〜。」と言われましたので、一念発起して筆を取った次第でございます!!

さて、久々に政治の話から始めたいと思います。

先日の東京都議選での自民党惨敗、都民ファースト大躍進を受け、一気に反自民・安倍降ろしの機運が高まってまいりました。まぁ、今までの数年間が異様なほどに順風で来過ぎた反動もあろうかと思います。

豊田議員の「このハゲーッ!!」は申し開きのしようもないですが、森友問題・加計問題・稲田防衛大臣失言問題に関しては、もう少し上手く立ち回ればここまでのダメージに至らなかったと思います。元からマスコミは反安倍でございますから、「打落水狗」(水に落ちた犬は叩け)の中華圏ことわざの通り、待ってましたとばかりに、連日手を変え品を変えて民衆にアッピールし、安倍自民の人気失墜に成功いたしました。

東京以外の地域で放送されている「そこまで言って委員会」等の番組では反安倍・安倍擁護含めての公正な報道を見ることが出来ますが、そういう番組は稀有であり、ほとんどの番組では、どのチャンネルをひねっても、同じようなコメンテーターが同じようなコメントを言い、金太郎あめのような番組構成で、連日、バッシングを繰り広げました。このブログで何度も指摘しておりますが、マスコミ改革は日本の民主主義を考えると必須ですね。そういうチャンネルもあってよいと思いますが、そうでないチャンネルも無ければ不公平です。

船越英一郎松居一代夫妻の離婚問題事件が都議選前だったら、こっちの方が面白いので、また変わっていたような気がします。(^^;)

何はともあれ、安倍首相にとってはここが正念場でございます。

自民党内では、ポスト安倍を狙う石破氏や野田聖子氏などから、突如として異論が噴出してまいりました。権力闘争と言うのは、はたで見ていると面白いですね〜。

安倍首相及び、心ある日本人の悲願である「憲法改正」に関しても、「なんでそんなに急ぐのか」とマスゴミは、何が何でも改正させないという強い決意を滲ませ、地道に得意の印象操作にいそしんでおりましたが、安倍政権の支持率低下を受け、「時間を区切って議論するのは不適切」と数々の政治家からマスゴミに雷同する意見が出てまいりました。

しかし、学会発表でも論文でも時間が区切られてなければ、完成しませんよ。夏休みの宿題も然り。と言う訳で、特に自民党内からこのような発言をしだした面々は「選挙の事だけを考えてるやる気がない面々」ということですね。小泉元総理なら、これを逆手にとって抵抗勢力のレッテルを貼り、大勝負に出るかも知れません。まぁ、裏切り者には今、言いたいことを言わせておいて、また支持率が回復してきた暁には冷や飯を食らわせれば良いでしょう。

孟子の言葉にある「自ら反(かえり)みて縮(なお)くんば、千万人と雖も、吾往かん。」(自分の心を振り返ってみたときに自分が正しければ、たとえ相手が千万人であっても私は敢然と進んでこれに当ろう。)の気概を持って、安倍首相には強い気持ちで立ち向かってもらいたいと思います。

もう少しだけ、政治の話を・・・。

先日、塩野七生氏の「ギリシア人の物語」を読みました(全3巻中2巻まで。3巻は現在執筆中で未発売)が、完全民主政のアテネの栄華と盛衰をまざまざと見せつけられました。

アテネの民主政の特徴は、大金持ちも貧しい人々も同じ一票を有し、民衆が政治の方向を多数決で決める代わりに、民衆それぞれに義務があり、いざ戦争の時はいとわずに戦場に駆け付けます。市民=兵士であり、全員に議決権を与える代わりに大量の兵士を供給できたわけでございます。かのソクラテスも従軍しております。

また、多数決で敗れた側の、考えの違う人々も、決まった意見には絶対に従わねばならないのが当然でありました。それで一丸となって覇権を手にしたわけですが、没落のくだりになると、今度は扇動者(デマゴーゴス)達が民衆の支持を受けるようになります。近い未来しか考えない民衆にとって、耳障りの良い事ばかりいう扇動者が力を持つと一気に国家は衰退に向かいます。民主党が政権を握ったあの時代の悪夢が頭をよぎりますね。

民衆の劣化→政治家の劣化が国家の劣化に即決するので、ある意味、民主主義国家は下り坂に入ってくると崩壊が早くなる政治制度と言えるかも知れません。所詮、民主制の元祖であるアテネが覇権国としてブイブイ言わせていた期間はたかが100年くらいです。非民主主義的なライバル国であるスパルタに敗れ、覇権を失うことになります。目先の生活や目先の利益しか考えられない国民が多数派を形成してしまうと、一気に滅亡に向かってしまうのが民主主義の欠点と言えると思います。最近の、日本に限らず、欧米も含めて、従来の大手マスコミは民主主義を崩壊させる方向で国民たちを誘導しているように思えてなりません。

後の覇権国となるローマは、アテネの事もめちゃくちゃ勉強してますから、寡頭政を選択しました。

現在、トランプ大統領の登場により、民主主義の弱点が露呈し始めております。逆に、中国・ロシア・北朝鮮の半独裁国家がデカい顔でのさばっておるわけですから、時代の変わり目と思われます。今から100年後には、再び新しいモデルの「寡頭政」が主流になってるかも知れませんね。


さて、本業の方でございますが、ボチボチやっております。

これまでも年々増えていましたが、今年に入ってから多焦点IOL希望症例が更に増え、当院は全例、VERION+LenSx+ORAを使用したFLACSでやってるために手術時間が長くなっております。通常の白内障手術は10分刻みで予定を組んでおりますが、FLACSの場合はレーザーからフェイコへの移動時間も含め、1例20分取っております。

先日、とあるclosedの会でぶっちゃけの発表を行いましたが、その際にデータを取ってると見事なほどに、これまでのマニュアルでやっていたcat opeと比べて有意差が出ないんですねぇ・・・。(ToT)

ただ、術1か月以上の自覚視力で、当院FLACSのほぼ半数が-0.25〜0の屈折であり、約75%が-0.5〜+0.25Dになっております。

と言う訳で、レーザーによるCCCがそれに寄与しているかは何とも言えませんが、VERIONやORAを駆使することによって、有意差は出ませんが、少しずつ真のemmmetropiaに近づけていってるというイメージでしょうか。

ORAに関しては、当然、狙い屈折度数率100%になるわけではありません・・・。ズレる時もあります。ただ、通常のSRK/T式やHaigis 式を使っての術前予想にORAの予想を加味することによって、95%だった的中率を96%や97%に上げるというイメージです。

ORAで術中に測定しながらTORIC IOLの位置を決めることは、非常に有用であると断言できます。ただ、VERIONのみで位置を決めていた症例と比べるとかなり時間と手間がかかります・・。正直言いまして、ただえさえ患者サービスになっている保険診療のTORIC IOL症例では使う気がしませんねぇ。しかしながら、TORIC Multi IOL、TORIC ICL等、自由診療系のTORICレンズに関しては絶大なる力を持っております。そのようなオペの多いクリニックには必要なマシンであると思います。

また、ORAでTORIC位置決めをやっていると、特にA'社のTORIC IOLは、どれだけ一生懸命位置を決め、ほぼ乱視矯正が出来たと確信した症例でも、翌日にレンズが動いて、結局乱視があまり矯正されていない症例もあります・・・。これは非常に空しいですねぇ・・。

焦点深度拡張型のnew conceptのMulti IOLは、まだ使い始めて日が浅いので何とも言えませんが、患者さんに、近見視力が大したことないことを理解さえして頂ければ使いやすいIOLであると感じます。今後、十分に市場が拡大していくのではないでしょうか。

そんなこんなで、日々格闘しながらやっております。(^^;)

LASIKやICL等の屈折矯正手術系は、元々の数が少ないので何とも言えませんが、微増と言った感じです。

以上、近況報告でございました!最後までお読みいただき有難うございました!!(^^)

OCTA by A

当ブログから遠ざかって久しいです。皆様はお元気に診療活動をされていることと思います。B先生も上り龍の勢いで、新しい知見を多数アップしていただきました。私Aはなんせ団塊世代ですので、守りに入っているというか、次世代への継承を視野に、新しい投資はなるべく控えるようにしているのです。とはいえ、必要不可欠はものは随時取り入れています。その一つがOCTA(OCT angiography)です。

OCTAについて書く前に、B先生の真似をして最近の政治情勢についても一言述べたいと思います。安部政権を取り巻くいろんなさやあて合戦、および天皇退位に関してです。

森友学園のあと、加計学園問題が出てきて、文部官僚が反旗を翻してらっしゃいます。「正当な行政が(政権により)ゆがめられた」との言い分で、マスコミの半分以上は文部官僚の誠実さに焦点をあて、なんとなく反政権のようです。もちろん、東京都の問題も絡み合っていることでしょう。しかし、この官僚の言い分は通りません。

そもそも、民主主義国家であるならば、選挙で選ばれた政治家が、たとえどんな悪人であっても、政治権力行使の正当性があります。元文部官僚Mにしても語るに落ちたというか、行政の正当性とは何かを突き詰めると、自分に利がないことは明らかではないでしょうか。

ただ、日本社会において、国民主権の政治の正当性が正面きって議論されることがあんまりありません。戦後しばらくはGHQのいわれるまま、その後も、ことあるごとに米国の介入に畏れ、忖度し、なんとなく現在に至っています。冷戦構造が崩れたあとも米軍による防衛体制はまったくそのまま。昭和天皇が「永久に米軍基地を」と言われたことをそのままなぞっているようです。官僚組織は旧天皇制と米軍に国民統治を委託されているとでも考えているのでしょうか。

そんな中で出てきた今上天皇のご退位。皇太子さまのご年齢を考えるとまことにめでたいことです。また、将来の皇室の存続を憂慮されて、女性宮家にもなんとか道筋をつけたいとお考えのようです。天皇陛下は「象徴天皇としてのありかたを模索してきた」とおっしゃいます。明らかに、昭和天皇とは異なる、新しい世代の天皇像です。それに対して、日本会議の一部が異論を唱えるとはあってはならないことです。

私は畏れ多くも昭和天皇のファンで、戦前、戦後の昭和天皇のご発言にはいろいろ興味を抱いてきました。最近では山田朗の「昭和天皇の戦争」を読んでいます。この本の著者はかなり左翼系の思想が入っていそうで、切り口が私の思いとは少し異なりますが、そんな中ですら、戦前に陸軍が一部皇族と結託して暴走したのを、忸怩たる思いで見られていたことがありありと書かれています。大本営ができ、御前会議を錦の御旗に、勝ち目のない戦争につきすすんでいったことを、決して忘れてはなりません。こうなると、昭和天皇ですら止められなかったのですから。

さて、最近話題のOCTAを昨年から導入して重宝しています。OCTAといえば蛍光眼底造影の代わり、安全な造影検査とお考えの向きも多いかと存じますが、たしかにその一面もあるものの、実際は全く新しいとらえ方をしていることがわかります。

たとえば、造影を網膜の層別に観察できることがあります。網膜の浅い層、深い層、脈絡膜と別々に観察できます。もちろん出血などあれば制限されますが・・・。いわば、蛍光撮影とICG蛍光撮影を併せ持った特徴があります。

しかし、蛍光色素を使いませんので、当然ながらその流れはわかりません。循環時間など測定できません。また、色素の漏れを観察することも出来ません。従来のように、漏れを新生血管の指標とすることはできません。また、一度に観察できるのは比較的狭い範囲に限られます。これは少しずつ改良されていくようです。

とにかく、患者負担、安全性は比べ物になりませんので、とにかく総当たりで撮影し、所見に慣れていくことが大切です。

ARMDの初期変化、黄斑から離れた自覚症状のない所見をとらえるのは大得意です。

OCTAは研究目的を含めいろいろな使い方ができそうですが、成人眼検診に応用することも大いに役立つことでしょう。

サイン号プロ by B

ご無沙汰しております!!!何ともまぁ、早いもので、今年初の投稿になりますが、もう春ですね・・・。このブログを忘れていたわけでは決してなく、忙しさにかまけているうちに3月になっちゃった…というのが実情でございます。

この間、世間も色々ありました。トランプ大統領誕生、金正男暗殺、現在で言えば強烈理事長の森友学園問題ですかね。

まず、トランプ大統領に関しては、ほんとうに「まさか!?」と思いました。個人的には東京都知事選のドクター中松的存在と考えていたので、びっくりしましたねぇ。(^^;)

ただ、資本主義が成熟し、グローバル社会が最高潮に達したあとの反動というのは大いに理解できます。工場を発展途上国に持って行って、人件費を削って商品を作って売れば、儲かるのは発展途上国の職員と資本家だけで、中間層の人々がおこぼれに預かれないということですねぇ。

1970年代にソ連崩壊を予言、さらに9.11テロ直後の著作でアメリカの凋落と帝国崩壊を予言した鬼才、エマニュエル・トッド氏(フランス)は、前々から「協調的保護主義」の導入を主張しておりました。

欧州にとって、技術的に保護主義の処方箋を受け入れるのは極めて容易です。中国など給与の低い国からの製品輸入を関税などで制限すれば、欧州における労働者の給与は再び上昇し、結果的にそれが世界的な需要の喚起にもつながるのです。

…………

協調的な保護主義は話し合いです。協調的な保護主義の下では、政府がいかに需要を浮揚させるかが優先課題。保護主義の目的は内需の再拡大にあり、各国の利害が内需の刺激策に結び付いています。保護主義経済圏を形成することが(安い生産コストの商品輸入を抑制させ)給与水準の上昇につながる。

 保護主義の目指すところは経済活動を再浮揚させることです。保護貿易主義化が進めば輸入を再び拡大させることができる、それが保護主義パラドックスです。過度の自由貿易は貿易を崩壊させてしまう。

自由貿易の絶対視は一つのイデオロギー。それは、「何もしなければすべてうまくいく、規制の存在しない市場がすばらしい」という考え方です。ただ、すべての国が保護主義的な政策を採用すべきだと主張しているわけではありません。欧州の解決策にはプラグマティックなアプローチとして、保護主義が必要。それには世界各国間での協調体制が前提です。

現在の自由貿易とは何かという点から話しましょう。自由貿易という言葉はとても美しいが、今の自由貿易の真実は経済戦争です。あらゆる経済領域での衝突です。安い商品を作り、給与を押し下げ、国家間での絶え間ない競争をもたらします。

一方、協調的な保護主義は話し合いです。協調的な保護主義の下では、政府がいかに需要を浮揚させるかが優先課題。保護主義の目的は内需の再拡大にあり、各国の利害が内需の刺激策に結び付いています。保護主義経済圏を形成することが(安い生産コストの商品輸入を抑制させ)給与水準の上昇につながる。

保護主義の世界では、民主主義システムの政権担当者は、生活水準と中産階級が大変重要だと考えます。一方、現在の民主主義の危機は自由貿易の危機です。エリートは人々の生活水準に関心を持とうとしません。現在の民主主義は、ウルトラ・リベラルな民主主義であり、エリートが人々の生活水準の低下をもたらしているように見えます。

 フランスは英米と並び、民主主義発祥の国です。しかし今や、支配者階級は自由貿易以外の体制を検討することを拒んでいます。不平等が広がるにつれて、多くの人々の生活水準は下がり始めています。もし、支配者階級が生活水準の低下を促し続けるなら、民主主義は政治的にも経済的にも生き残れない。独裁国家になるのは避けられないでしょう。

出典:2009/12/1のインタビュー記事@東洋経済オンライン

トランプ大統領も、就任演説でこのようなことを言っております。

私たちは2つの簡単なルールを守ります。
アメリカのものを買い、アメリカ人を雇用します。

私たちは、世界の国々に、友情と親善を求めるでしょう。
しかし、そうしながらも、すべての国々に、自分たちの利益を最優先にする権利があることを理解しています。
私たちは、自分の生き方を他の人たちに押しつけるのではなく、自分たちの生き方が輝くことによって、他の人たちの手本となるようにします。

これはどう考えても、協調的保護主義を推し進めていこうと思っているように思えます。そもそも、トッド氏の理論は、Bでも知ってるぐらいですから超有名です。自由貿易派を保護主義派が選挙で打ち負かしたとも言えるのではないでしょうか。まぁ、今後のことはよくわかりませんが、トランプ的な人物は嫌いじゃないので、興味を持ってみていく所存です。(^^)


金正男氏暗殺事件は、VXガスを使われたとのことですが、人間、僅か数秒で殺せるんですね・・・。いやはや、恐ろしい。
ヾ(。>д<。)ノ

黒幕は誰が何と言おうと金正恩氏に決まってるわけですが、日本でも、政治的権力に興味のない源義経源頼朝が執拗に追いかけまわし、最後は奥州平泉で殺害しましたし、戦国時代では兄弟の権力争いで一方が殺されるというのは枚挙にいとまがありません。絶対権力者は斯くも非情にならざるを得ないとも言えましょう。現在の平和にドップリ安住している我々には想像も出来ない心理状態ではあります。我々からすれば、異常な精神状態にある狂気の独裁者が核兵器を有し、しかもやろうと思えばいつでも我が国に核兵器を落とせる状況であることに、日本国民は戦慄を覚えるべきではないでしょうか。少なくとも、金正恩氏自身は、戦国時代の大名と同じ精神状態にあるわけですから、こちらも相応の対策は必要であろうと考えます。まだまだ安倍首相には頑張ってもらわないとなりません。



森友学園問題に関しては、あの強烈な理事長がやり過ぎましたねぇ・・・。幼稚園の運動会のあの映像は、さすがの右寄りのBも頂けません・・・。教育勅語を暗唱させる等、教育の方向性はキラリと光るものを感じるのですが、やり過ぎましたね・・。左翼マスコミは鬼の首を取ったように大喜びでバッシングしております。

籠池理事長が行動力のあるやり手理事長であることは、精力的な政治家へのアプローチから容易に想像できます。金品の授受があって、あの大幅値引き価格で土地購入ということであれば大問題ですが、さすがにそこまではないと思います。わかりませんが・・・。いずれにせよ、あらゆる手を使って自分のやりたいことを実現するように動きまくったのでしょう。テレビのワイドショーや週刊誌記事で伺い知るだけですが、あの押しの強さと自己顕示欲の強さは、偉人になるか悪人になるか両極端に人生が変わるタイプですねぇ。どうやら後者になってしまったようです。ちょっと調子に乗り過ぎていたのではないでしょうか。


さて、本題でございます。

A'社のnewマシンである、「サイン号プロ」をしばらく使わせてもらったので、そのインプレでございます。

特徴は、マシンが賢くなって、より前房安定性が増したことと、チューブを細く・硬くすることによって、よりサージが少なく攻めるオペが出来る点にあると思います。要するに、名機でありながら販売力が追い付かずに普及するに至らなかったB社のステラ栗鼠のマイクロメッシュフィルター的な発想が取り入れられたのだと理解しました。

こうなると、更にベンチュリーモードでの快適性が増すということになります。かつて、このブログでもそのことに触れた記事がありますので、ご参考までに。新世代ベンチュリーフェイコの弱点 by B - 眼科手術開業医の戯言

Bはもともと、新世代のベンチュリーマシンに非常に興味を持っていたので、どんな感じかを楽しみにしてデモしました。(^^)

3手術日で使用しました。設定が決まるまではボヤキながら試行錯誤しておりましたが、最後の方にビシっと決まる設定が見つかり、それでやると非常にパワフルかつ静寂なオペが可能となります!!

肝は、new ソリューションチップ+ハイバキューム(500mmHg以上)ベンチュリーモード+超音波連続発振でした。これでやると、男汁に勝るとも劣らない核破砕力を発揮します。

横振動で往復ビンタをしながら核を破砕し平らげる男汁はA社の専売特許で、あれはあれで素晴らしいテクノロジーですね。縦振動が無い分、核を突き放す力も少ないので非常に効率が良くなります。ただ、核を持ってくる際などは横振動だけだと核が崩れてしまい、ストレスを感じますので、どうしても縦と横のミックスでバランスを模索していくという形になります。いじくれるパラメーターも多いので、どこをどういじくったらどうなるのかが、最早、技術屋でもないBの理解を超えたレベルにあり、設定に関しては専門家との協議が欠かせません。

一方、縦のみ(一応、エリプスと称して楕円状に動くようですが、まぁ、男汁とは全然比べもんになりませんわ・・・やはり、基本縦振動の超音波として良いと思います)のサイン号プロは設定自体がだいぶシンプルに出来ますので、核の硬さや状況によって、自分で色々設定を工夫できる余地があります。

あと、ベンチュリーモードによる吸引力の効率性は、やはりぺリスタの百人隊長号に比べて勝っております。特に、IAモードは快適です。Bの苦手なFLACS時のIAもベンチュリーIAの方がよりスムーズだと感じました。

デモ最終日にやっと設定が決まったので、正直、その設定でもうしばらく、色々な硬さの白内障で試してみたかったと思います。

という訳で、今、マシン買い替えを検討されておられる先生がおられましたら、是非、体感していただきたいと思います。Bの設定はかなり激しめなので、万人にお勧めだとは思いませんが、B的には良いマシンだと思います!!
(^^)

実際の結論としては、欲しくてたまらない気持ちに嘘偽りはないのですが、最近のブログでよくボヤいておりますように、色々医療コストが増大している今日この頃ですので、決算前の経営状況を加味して検討したいと思います。まぁ、今となっては男汁の百人隊長号に慣れてしまっておりますので、もう一台、最新マシンを導入するとなると、贅沢のそしりを免れませんので・・・。(><)

本日は以上でございます。

ORAについて by B

お疲れ様です!気が付けば、今年もあと一週間を切り、思いっきり師走でございます。皆様は如何お過ごしでしょうか??

Bは今年一年を振り返ると、まぁ、色々ありましたね〜。良い年だったかどうかと言うと、正直、微妙ですね・・。言い切ってしまうなら、あまり良い年だったとは言えないかもです。

自分の一年を漢字一文字で表すならば、「悩」になるでしょうか。

まず苦「悩」したのが、スタッフがこの一年間で、円満・非円満色々ありましたが、トータル5名が退職しました。この、「スタッフの退職」というのは、所詮、小企業の社長である手術開業医にとっては、かなりテンションが下がるイベントであります・・・。理由はそれぞれですが、人使いの難しさを改めて痛感させられた一年でした。このブログでも述べたことがあるような気もしますが、院長の意識と、スタッフの意識の温度差を埋める、言い換えると、スタッフのモチベーションを如何に向上させるかというのは、社長の根本的な仕事の一つであります。Bが未熟であったということです。また、本人にはやる気があっても、そのスタッフの能力に適した仕事を与えられているかというのも重要であります。そこが上手くいってないと、業務上、様々な齟齬が生じてまいりますね。まぁ、色々勉強させていただきました。スタッフ補充は、誰でも良いというわけでもないので、慎重に進めておりますが、来年4月に新卒が加入することによって漸く回復するということになります。


次の「悩」は、手術件数ですね。Bが継承開業して以来、手術件数は年々伸び続けていたのですが、一昨年の秋に医院移転し、昨年は新医院ご祝儀もあってか、かなり手術件数が増えました。その反動か、今年は、常に昨年の同時期手術件数よりも負けており、Bはストレスを感じていたわけでございます。

もちろん、建前上、医療法人は利益を追求する会社ではないので、手術件数が多かろうが少なかろうが、来られた患者さんがハッピーになるように一生懸命治療すればよいわけです。その分、若干の税制の優遇も受けております。されど、最先端医療を提供しようとすればするほど、マシンはハイテク化し、器機の導入コストは昔に比べると桁違いになっておるにも関わらず、診療報酬(特に白内障手術)は変わらないので、実質の利益は減少していきます。そして、沢山手術をしようと思えば、沢山の人間を雇用しシステマチックに動かしていかねばなりません。人件費も増大していきます。更に追い打ちをかけるのが、医療業界には今までには無かった概念ですが、「保守料」という名目の維持コストが、ここに来て急に出現してまいりました。Bのクリニックでは、オペをしようがしまいが、そのマシンたちが医院に存在しているだけで、毎年高級車(車種は想像にお任せしますが・・・・)を1台ずつ買えるくらいのコストが発生しております。こういう状況なので、Bの趣味である釣りに例えるならば、Big Fishになってしまったからには、その巨体を維持するためにエサを食べ続けないと維持できないと言うことになるわけでございます。まぁ、分不相応にハイテクマシンを導入し続けたのはB自身でありますので、責任は一手にBにあるわけですが、手術件数が減ってくるとえもいわれぬ不安感に襲われるわけでございます。結果的には、オペ件数は、なぜかこの12月に結構入ったので、昨年より少しだけ少なくなった程度で、ほぼ同数と言っても良いレベルになったので、やや安堵している状況であります。

3つ目の「悩」は、本題にも関わりますが、ハイテクマシン導入による手術ストレスであります。正直言いまして、自分が今まで慣れ親しんだマシンを使い続けて、術式を変えずに永遠にやり続けている方が、ストレスは無いに決まっております。

昨年後半から今年にかけて、フェイコマシン(百人隊長号)、レーザーフェイコ(鏡X)、手術用顕微鏡(Proveo8)、そして後述するORAと立て続けに導入してしまい、当院手術場の環境が激変しましたので、術者としては結構ストレスでした・・・。特にフェイコマシンは設定が落ち着くまでは色々try&errorを繰り返さねばならず、明らかに破嚢率は上昇しましたね・・・。ちょっと、導入間隔が詰まりすぎていたかもしれません。この一年間、色々しんどかったですわ〜。ついてきてくれたナースを始めとするスタッフには感謝の念しかありません!

さて、本題に入ります。ORAの件でございます。

導入後、色々使ってみましたが、まだまだ軽快に使いこなしているという感じではなく、慣れていっている段階であります。

Bのクリニックでは、FLACSのマルチ症例、トーリックIOL、レーシックを始めとする屈折矯正術後のcat ope、そして不正乱視等、通常のSRK/T式での予測困難な症例に対して使用しております。

まず、使い勝手でございますが、3キロもある巨大な弁当箱のような物体を顕微鏡に装着せねばなりません。A社曰く、これはORA使用時のみに装着するわけではなく、基本、ズーっとつけておいて欲しいとのこと。付けたり外したりすると、キャリブレーションが狂い精度に不安が残るとのこと。

されど、巨大弁当箱を装着すると、明らかに術者のワーキングスペースが減ります。耳側切開ならさして問題はありませんが、上方切開で眼軸長の長い症例ではIAで12時近くの皮質を吸引する際、ハンドピースが弁当箱にカツカツと当たってしまいます。そして、術者・助手顕微鏡ともに、若干視野が狭まります。また、いきなり顕微鏡本体にプラス3kgもの負荷を与え続けるわけですから、1年、2年と使用していくと顕微鏡のモーターなどの損傷が早まる可能性は大いにあると感じてます。

IOL度数の予測に関しては、無水晶体にして、皮質をきれいに取ってから粘弾性物質を注入して眼圧を21mmHg以上に上げ、そこから予測を開始します。シューティングゲームみたいなもので、的の中に角膜頂点を入れてあげれば、ピントさえ合っていればオートで測定を開始、一瞬で予測IOL度数が出てきます。ここは、慣れたらどうということはないです。ただ、deep set eyeで水が溜まりやすい症例や、角膜頂点に混濁がある症例、不正乱視の症例などはなかなか上手くいきません。不正乱視の症例でORAを使用するのは、結論から言うと推奨はできません。

トーリックIOLの際の、軸合わせに関しては、正直微妙であります・・。ORAの推奨軸が出てくるわけですが、ここにピタッと合わせようとすると、目も動くし、眼圧も変わってくるし、IOLも意のままに回転できるわけではないので、ドツボにハマる可能性があります。ていうか、何度かドツボにハマってしまいました・・・。結局現在は、従来通りのべリオンの予測ラインとORAの予測ラインを両方表示させ、ほぼほぼ一致していれば従来通りべリオンの軸を信用し、少し変化があるようなら、べリオンの軸とORAの軸の間くらいを目安に挿入し、挿入後再測定して、そこそこの残余乱視ならOKとしております。トーリックIOLは乱視をゼロにしようと神経質になると、結構つらい思いをすることがありますので、B的には1.0D以下になればいいやくらいの気持ちで丁度じゃないかと思います。

実際の結果に関しては、RK術後cat、PTK術後cat、LASIK術後catと色々経験させていただきましたが、レーシック術後で現時点(術1週間後)で+0.75〜+1.0Dの遠視ズレを認めておりますが、PTK術後ではバッチリ狙い通りに来ましたし、RK術後に関しては、事前にBが予定していたIOL度数よりもかなりプラス方向にズレた度数をORAに指示され、半信半疑でORA推奨度数を挿入したところ、結果的にはORAが正しく元の予想でIOLを入れていれば遠視ズレを起こしておりました。この症例はORAに助けられましたね。(^^;)

というわけで、屈折矯正術後のcat opeが多いような施設は、導入しても損はないと思います。トーリックに関しては、現時点では、べリオンがあるならばそこまでメリットは感じません。そして過度な期待は禁物で、ORAがあれば全ての症例のIOL度数ズレがゼロになるわけではないということを肝に銘じ、一つの参考値と捉えるくらいで良いかと思います。

断言してしまいますと、手術時間は明らかに伸びますし、特殊症例が少ないクリニックでは正直言って、いらないです。

今後、色々な施設で使われていって、「こうやって使用すれば、もっと効率よく正確な予測が出来る」などの報告や、いずれは出てくるかと思いますが、従来通りの術前のみの予測と、術前・術中予測との比較で有意に後者が正確であるという論文などが出れば、市場が動き出すかも知れませんね。迷ってる先生方はちぃと様子を見られた方が良いかと思います。繰り返しますが、屈折矯正術後のcatが多いクリニックは買って損はないです。

白内障手術マシーンや顕微鏡とは違い、このマシンはダイレクトに患者満足度に直結してきますので、導入時のインストラクションなどは慎重の上に慎重を重ねてやっていくべきであると思います。従来手術より長い時間をかけて手術をし、結果的に屈折度数がズレていた暁には、患者の不満はダイレクトに執刀医に向かってきます。A社の各担当者は、ORAに関しては、今までのマシンとは患者直結度が全く違うことを認識して、仕事にあたってもらいたいと敢えて述べておきましょう。

本日は以上です。個人的には、今年は色々悩みが多かったので、来年はストレス少なく、楽しい1年を過ごしたいですね!!そうなると信じております!

本年も大変お世話になり有難うございました!では、皆さまも良いお年をお迎えくださいませ!

フェムトセカンド白内障手術(FLACS)の現状 by B

ご無沙汰しております!10月は毎年ですが、地元の祭りやら何やらで多忙を極め、気が付いたら11月・・・、今年もあと2か月を切りましたね〜。皆様は如何お過ごしでしょうか??

最近のニュースでは、小池知事の東京都政が一番トピックでしょうか。オリンピックに関しては、個人的な意見を言わせていただくと、ケチケチせずに当初の予定通りのプランで盛大にやるべきであると思います。

ニュースなどではこんな書かれ方をしておりますが・・

2020年に予定されている東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会運営費用や会場整備費用が昨年末、当初見込んでいた3013億円の6倍の1兆8000億円に拡大、さらに東京都が負担する大会後整備費用、2241億円を含めると、2兆円を大きく上回ることが明らかになった。

現時点の予想で、2兆2500億円かかるとして、以下のグラフをご覧ください。

GDP比でみると、かわいいもんですやん・・。途上国のギリシャと先進国の日本を金額だけで比べて同列に扱うことは間違っております。GDP比が全然違います。東京は、ホリエモン三木谷社長孫社長など名だたる富豪が税金を納めてる超金満都市なのに、ケチケチすることもなかろうと思います。僕はザハ氏の競技場でも良かったと思ってくるくらいですよ。しかしながら、ソチ五輪羽生結弦の金メダルが印象的でしたが、めっちゃ金かかってますやん!!冬なのになんで??さすが、プーチン・・・、男でございますな。


翻って、1964年の東京五輪GDP比でみると、3.35%!!当時は高度成長期だったので、これで良かったのだと言われますが、当時の国民の頑張りで作ったインフラを現在も使い続けているわけですから、我々が未来に向けてメッセージを残す意味でも、今回の五輪を契機にドカンと再びインフラを整備し、数十年間の国家の礎を築きたいところです。

ギリシャを見てもわかりますが、国家の衰退は、結局のところ、国民の精神の衰退が主因であります。古代ローマの滅亡も同様です。国民が公共の精神とチャレンジ精神を失っていった時から終わりが始まっております。今の日本はどうもヤバいですよ・・。愛国者であるBは非常な危機感を感じております。

予定通り、コンパクト五輪で、外国から来訪される人に喜んでもらい、日本国民がその目標に向かって一生懸命に頑張る!というのが健全な図式であると思います。

ただ、事実かどうかは不明ですが、都議会のドンか誰かが裏で操作し、関連企業が儲かるような形で、不当に五輪経費が高まっている点は、別の問題です。そこは悪を正す必要があるので、徹底的にやってもらいたいです。

小池知事は、

「予定通りのコンパクト五輪を開催するために、議会や関連企業、都官僚の不正を正す!」

という方向に持って行かないと、今のままでは、戦う敵が多すぎて、大変じゃないでしょうか??敵をある程度絞っていかないと、結局何事も成し遂げられない可能性もあります。

だいたいBのクリニック程度の新築移転でもウン億円掛かってますので、オリンピックやるのにそんなに安くつくはずないですやん。

というわけで、B的には、2兆円目安で、コンパクト五輪をやる方向で動いて行くべきだと思います。2兆5千億くらいでも目をつぶるべきかと。


さて、本題に入ります。当院でもフェムトセカンド白内障手術を何十例かやってきましたが、個人的な率直な感想を求められると、「う〜む・・現在、大きなメリットを探索中で何とも言えませんねぇ・・」ということになってしまいまする。

やはり、同じ白内障手術とは言え、レーザーでやるのと、手でやるのとでは、まずもってリズムが全然違います!!発想を切り替えねばなりません。レーザーあてて、移動してもらって、フェイコマシンを使って、続きをやるのですが、特にIAに多大な時間がかかってしまうことが多く、ストレスを感じながらやっております。

IAに時間がかかる理由は、ハイドロの感覚が従来オペと全然違うところに起因していると考えております。

即ち、
・フェムトレーザーによって嚢内にバブルが発生しており、そのバブルを出すことに集中してしまって、ハイドロが上手く回りきってない

・なまじ、レーザーで核にいろいろと手が加わっているので、ハイドロで入れた水が、いろんな隙間に入っていき、肝心の、嚢と皮質が完全に分離されていない、不完全ハイドロになってる状況が多い

この2点でしょうか。まぁ、Bが下手糞なだけといえばそうなのですが・・・。確実に、従来のマニュアルオペの方がストレスが少ないという現状でございます。


FLACSの方向性としては、O先生が力説されてる通り、「レーザーによる核硬度を減らし、より超音波時間を短くして目に優しいオペをする」ということで、間違いはないと思います。

核硬度を減らすという意味では、現状ではマンゴーカットが最も適した照射法になると思います。

Bは最初、「レーザーである程度手術を終わっているのだから、手術場でのオペ時間はかなり短くなるだろう」と予想していたのですが、間違ってました・・。全く別の手術、別の手技として、ラーニングカーブを経ていかねばならないですね。

フェムトレーザー白内障手術装置が出現するまでは、白内障手術に関して新たなデバイスやマシンが登場すると、

「より安全になって効率の良いオペが出来る→オペがやりやすくなってスピードもアップ!」

という風に脳みそが自然に捉えていたのですが、フェムトレーザー白内障手術装置は、そういうものではないと断言できます。ECCEがPEAに変わった時のPEAの装置的な、全く新しい概念の装置であり、この装置をうまく使いこなすために、我々が試行錯誤せねばならないということでございます。

まぁ、賢明な先生方は「そんなん最初から分かってたぞ。」と思われるかと思いますが、Bは数十例やって、やっと気づいた次第でございます。
(^^;)

現在、A社とA'社からと2つのマシンが出ております。色々話を伺ってると、現時点における評価はほぼ定まってきたようです。

・FLACSするだけなら、A'社の堅栗鼠

・イメージガイドシステムとの連動を重視するならA社の鏡X

ということです。

このブログらしく、ぶっちゃけて書かせてもらうと、FLACSをやるだけならば、堅栗鼠の優位性はゆるぎなさそうです。CCCが早い、少々目が傾いてても計算してちゃんとレーザーが入る、マンゴー出来るエリアが広いなどなど大いにメリットあるようです。ただ、Bに言わせると、所詮、CCCが早いといっても数秒差だし、時間で考えれば、その後のIAでかなり掛かってるので誤差範囲。それよりも、FLACSのもう一つのメリットであるAK(乱視矯正)を考えると、術前にイメージガイドで測定した強主経線に回旋補正をして確実にレーザーで切開を入れることができる鏡Xの方が良いと考えております。ただ、A社の部梨音も課題はまだまだ山積しており、特に、角膜後面乱視が測定できないので、結局それだけのデータで強主経線を判断するのは危険で、CASIA等の前眼部OCTデータと比較検討せねばなりません。部梨音に関しては、また後日、いろいろボヤかせていただければと思います。

患者さんにとっては、正直、金額の差ほどのメリットがあるかは微妙ですが、眼球を固定した状態で不意の合併症がなく、ある程度の手術が終わってるという点は安心感、安全感はあると思います。少なくとも、時間がかかることと金額以外は、デメリットはないと言えましょう。術者である自分のストレスをどう軽減していくかが課題であります!!

本日は以上でございます。長文、最後までお読みいただきありがとうございました。

MKチップについて by B

ご無沙汰しております。暑い暑い夏が過ぎ、ようやく秋の気配を感じるようになってまいり、過ごしやすくなってきました!皆様は如何お過ごしでしょうか?

この夏は、リオオリンピックで日本が史上最多のメダルを獲得し、大いに溜飲を下げました!!個人的には、陸上400mリレーの銀メダルが一番燃えましたね〜。あと、柔道の井上監督の涙も良かった!!女子レスリング、吉田選手の銀メダルは、吉田選手の号泣っぷりを見てるともらい泣きしそうになりました・・・。吉田沙保里選手は残念でたまりませんでしたが、伊調香選手が五輪4連覇と言う、空前絶後の大記録を成し遂げたにも関わらず、マスコミの扱いっぷりがイマイチ小さいのは、何故なんでしょうね??やはり、吉田選手とのスター性の差でしょうか??
(*´・д・)???

夏の甲子園は、オリンピックに隠れて、今年はあまり取り上げられませんでしたが、Bは実は野球観戦&ドラフト会議オタクであり、夏の甲子園もガッツリチェックしておりました。優勝投手となった作新学院の今井投手ですが、甲子園が始まるまでは無名と言っても差支えの無い投手だったのに、コントロールされた150km超の速球がビシバシ決まっていたので、凄まじかったです!!

しかし、高校生の身体能力は年々増してますね。昔は、140km/hを超える球速を投げれたら「大会屈指の好投手」と言われましたが、きょうびの強豪校は、2番手投手でも140km/h前後の球速をほおりますし、145km超えの投手はゴロゴロおります。幼少時からの食事の影響か、日本人の体格が変化してきているのでしょうか。

近況報告ですが、実は、内政問題で今年は色々あって、結構参っております・・・・。
(ToT)

歴史をひもときますと、Bのクリニックは、当初、継承した際は潰れかけで、受付2人、検査2人+ナース1人の5人のスタッフで始まりました。ORTはいませんでした。検査員の内、1人は、若い子を僕が面接して雇いましたが、彼女以外は先代からのスタッフです。彼女は現在は当院のエースクラスとなって、幹部スタッフになってくれております。ナース以外の先代からのスタッフは、1名退職しましたが、他の3名は今でも主要スタッフとして忠誠を尽くしてくれております。

その後、しばらくして、ナースを3名、色々な伝手を辿って増員しました。この3人も当院の柱石となってくれております。先代からのナースは、やる気満々のBについていけず、Bが高い目標を掲げて邁進しようとすると、「そんなの無理に決まってる」とハナから諦め姿勢なので、Bがボコボコに叱責してまくっていると、ほどなくして辞めていきました〜。
(^^;)

そんな感じで、やり始めたですが、お陰様で手術件数が順調に伸び、現在は20名以上のスタッフが勤務しております。しかしながら、人が増えたら増えたで、まぁ、色々ありますねん・・。

Bも中年真っ盛りとなり、特に20台前半の若い女の子は何を考えているのかワカランですねぇ。機嫌よく働いてたと思ってたら、突然、「思ってるのと違ったので、辞めたいです」とか言い出しますし、一回そう思ったら、何を言っても聞き入れません。社会人としての自覚よりも、自分自身の思いを強く重視する傾向にありますね。

やはり、「NO.1よりonly one」「自分を大切に生きよう」というゆとり教育の成果が出ているのかなと感じます。

まぁさすがに匿名ブログとは言え、詳細は書くことは出来ませんが、人や仕事が色々増えると、どうしても自分のマネージメントが行き届かない所で出てきて、綻びも出てくるものでございます。今年は、色々勉強させてもらっております・・・。

さて、本題に入ります。

今年のJSCRSで、トーショナルフェイコに特化したチップである「MKチップ」の存在を知り、元々、A社純正のbalancedチップに少なからず不満を持っておりましたので、早速デモ致しましたので報告でございます。

MKチップの概要は説明書を抜粋しますと

超音波白内障手術(PEA)においてアルコン社の専有技術であるtorsionalモード(超音波チップの反復回転運動:以下Ozilモード)でのキャビテーションを抑制し、より安全な手術を行なえるチップ。2013年のESCRS及びAPAOでビデオグランプリ獲得他、受賞多数。

MKチップではチップ先端部の断面形状が楕円(楕円長径方向に僅かな窪みあり)としているためストレート型ながらOzilモードが可能。1.1mmベースの「スタンダードタイプ」と、0.8mmベースの「マイクロタイプ」の2種があり、それぞれ先端角度は15°及び30°の2種。本品は未滅菌でリユース可能な薬事登録がなされている。アルコン社のOzilモードが発振可能なハンドピースに接合して使用(アルコン社製レンチに適合)。なおスタンダードタイプにはアルコン社の「スタンダードスリーブ(青)」を、マイクロタイプには同じく「ウルトラスリーブ(赤)」または「マイクロスリーブ(紫)」の使用を推奨。

MKチップではOZILモード際、チップの上側方と下側方にそれぞれ発生する陽圧と負圧が極めて短時間でキャンセルされるためキャビテーションの発生が抑制され、眼内組織侵襲の低減が期待できる(実際にこれまで虹彩色素脱出は1例も認められていない)。

要するに、キャビテーションの発生を抑え、より創口への負担が減る。特に、強膜(強角膜)切開で虹彩の色素脱失には抜群の効果を発揮するとのことです。

B的には、角膜切開なので、男汁による虹彩色素脱失に悩まされたことはほとんどないので、そこにはあまり反応を示しませんでしたが、変な形のbalancedチップに比して、完全ストレート形状のチップであること、及び、楕円形の非常にユニークな断面で断面積が大きい分、核処理効率も良さそうだし、学会で発表しておられた、S先生のMKチップ使用オペが凄く美しく、素晴らしかったので、是非試してみたい!!と思った次第でございます。

で、早々に結論になりますが、2手術日で使用しましたが、結果的には当院のメインチップにはなり得ませんでした・・・。

問題点は、

ストレートチップは良いけれど、首振り力が低下するので、男汁パワーを通常の核でも80%以上にして使用せねばならず、超硬い核の時に不安あり(チップ詰まりの可能性アリ)

・専用スリーブがなく、A社スリーブを使用するものの、個性的な断面のため、スリーブのホール位置、創口とスリーブの接触具合によっては、非常に灌流量が減少し、急に前房不安定になる場合がある

この2点です。

メリットは、

・楕円形のチップ形状なので、核分割の際、縦長チップにして核を固定し分割すると、非常に美しく綺麗に割れやすい

・チップ断面積が大きいので、スムーズな手術が出来れば、凄く美しく綺麗な手術が可能

この2点です。角膜切開創の閉鎖性に関しては、元々、弧状ブレードで切開をしているので、従来のチップに比べて有意に閉鎖が良くなっている感じまではなかったです。

B的には、症例によってチップを変える(例えば、硬い核はbalancedチップ、ノーマルはMKチップなど)のも面倒なので、変えるならば全症例をMKチップでやろうと思っておりましたが、そこまでではなかったです。一日の手術全体の流れを考えるならば、今まで通り、balancedチップでええか〜という結論に達してしまいました。

ただ、MKチップ自体は非常にユニークな発想であり、十分な灌流量を確保できる専用スリーブなどが開発されれば、まだまだ良くなる可能性はあると思いました。ただ、どうしても硬い核が弱点になると思います。

また、強膜切開でオペをされておられ、男汁パワーによる虹彩色素脱失に悩まされておられるDrならば、大いにメリットがありますので、メインチップとして使用される可能性は十分にあると考えました。

あくまでもBの個人的感想でございます。前房不安定などは、設定値をいじくったり、チップ操作に慣れれば克服できる可能性が十二分にありますので、あくまでも1stインプレッションであることをご承知おきください!

本日は以上です。

来夏Proveo8の実力 by B

お疲れ様です〜。いやはや、5月に2回更新して鼻高々になっておりましたが、気が付けば7月も終盤・・・。夏休みに突入し、子供の超悪い成績も帰ってきて、現在、妻の機嫌がMAXに悪く、Bもトバッチリをうけまくってる今日この頃でございます・・・。

政治系のトピックとしては、参院選自民党が圧勝し、改憲派と目される他党と合わせると、ついに改憲に必要な議員数を確保致しました。次回の衆院選では確実に憲法改正が争点となるでしょう!マスコミに左翼が多いので、普通にテレビを見ていると改憲反対派が多いように感じますが、最近の選挙結果はマスコミの思い通りに全くならずに改憲派がジリジリと議席を増やし続けております。護憲派は年齢層が高く、大橋巨泉も泉下の人となられましたが、徐々に人数が減ってきていると思われます。

そう思うと、シールズっちゅう若者グループは、Bにすれば時代遅れの左翼の亡霊に憑依された集団としか見えません。あのグループを担ぎ上げて喜んでる左翼リベラル諸氏は、完全に時代を読み違えてると感じますね。

東京都知事選も、鳥越氏が担がれて出てますが、いきなりの文春砲炸裂で、もう芽はないんじゃないでしょうか。

さて、それまでの本業のTOPICと言えば、JSCRSに参加してまいりました。

色々勉強になったのですが、当ブログではA先生の問題提起で前々から話題になっていた、Negative Dysphotopsia(ND)がJSCRSでも大きく取り上げられてました。結論から言うと、暗所瞳孔径が大きい方がなりやすいという説や、逆に瞳孔径が小さい方がなりやすいという説もあり、まだ情報が混在してる状況であります。ただ、何故だかはわかりませんが、ループを耳下側に持って行けばNDにならないとか、アイファガンをさせばNDが軽快するなどの興味深い報告もありました。

何はともあれ、こちらとしましては、患者さんの訴えに真摯に耳を傾け、

・基本的には、だいたいは、時間経過とともに治ってくること

・シャープエッジのIOL特有の合併症なので、どうしても気になる場合はIOL入れ替えを考慮すること

を堂々と述べれば良いと思います。個人的には、N社、A'社のシャープエッジIOLに起こることが多く、A社のIOLは不思議に起こりにくいような気がするので、まずはIQに入れ替えるとかを考えますかね〜。Bのクリニックでは実際に入れ替えまで行った症例はございません。

学会後の懇親会では、今回も色々な先生方と飲みに行かせてもらいましたが、地方豪族が互いに切磋琢磨し、最先端医療をドンドン取り入れているのを肌で感じました。正直言いまして、現在、一般市中病院よりも、地方豪族化した眼科手術開業クリニックの方が明らかに勢いがありますね。金曜日の地方豪族飲み会では、6人中4人が既にレーザーフェイコを導入しておりました。レーザーフェイコを導入したクリニックが良いクリニックと言う訳では当然ありませんが、進取の気性に富んでいるという点に着目すべきではないかと考えております。

前からこのブログで指摘してきましたが、幕府(大学病院・医局)の権威が低下し、地方豪族(地方の眼科手術開業医)が台頭する戦国時代へと突入しております。まだまだ現時点では、兵隊(勤務医)の数が大学病院・市中大病院に多いので、大きな地殻変動は起こってないように見えますが、財力のある地方豪族は、一般病院よりはるかな好条件で兵を増やし、領地(分院)を拡大して、下克上を虎視眈々と狙っているという状況になってきていると思います。

まぁ、Bのクリニックはまだまだそんなクリニックではなく、先祖代々の土地を必死こいて耕やすのに精一杯でございますが・・・。

ところで、Bのクリニックでは手術用顕微鏡を久々に買い替えました。

今まではT社のOMS800を使用しておりました。開業当初、潰れかけのクリニックを継承し、手術用顕微鏡を買うにも資金に限りがあり、メジャー所のZ社や来夏社の顕微鏡が買えなかったというのが一番大きな理由ではありますが、T社顕微鏡は両社に比べても全く遜色ない見え方で、特に焦点深度に関しては非常に深く、特に白内障をやる分にはかなりイケてる顕微鏡でございました。

現在でも、ブランド力では劣りますが、顕微鏡自体の実力では、決してメジャー両社のモノに劣らない顕微鏡であると確信を持って言えます。

10年以上使い、まだバリバリの現役で使っておりましたが、なぜ買い替えることにしたかと言うと、拡張性がないからでございます・・・。

現在、当院ではA社ベリオンにLenSxも使用しており、年内にORAも導入予定でありますが、T社顕微鏡には現時点ではORAが装着出来ないんですねぇ。やはり、T社は専門の顕微鏡屋さんではないので、最近のハイスペックな顕微鏡には今後の拡張性という点ではちょっと勝負にならないし、どうやら勝負する気もないようでございます・・・。

ハイスペック顕微鏡は、Z社ならOPMI Lumera700になりますが、あくまでもカリストとのコラボ商品であり、あと、本体がやたらデカいんですねぇ。カリスト・Lumera700デモの感想はかつてブログで述べました。→ ルメラ700&カリストアイのデモ by B - 眼科手術開業医の戯言

カリストベリオンの勝負は、角膜曲率半径の計測ポイント数の差からBはベリオンに軍配を上げました。

で、ベリオンを買うならA社の手術用顕微鏡であるルクソールが俎上に上がってくるわけですが、Bにはサッパリ合わなくて、却下・・・。理由はコメントの際にかつて書いておりました。→ 2015-05-26 - 眼科手術開業医の戯言

その後、顕微鏡は自分の目に等しいものであり、顕微鏡のデモというのも結構環境が変わったり姿勢が変わったり、色々ストレスも多かったので、「やっぱ、T社の顕微鏡で何の不満もないし、これでトコトン行こう!!」と決意しておったのですが、ここに来て、来夏が新しいハイスペック顕微鏡であるProveo8(以下、P8)を出してきたんですね〜。

製品情報ページはこれです。→ http://www.leica-microsystems.com/jp/%E8%A3%BD%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E6%89%8B%E8%A1%93%E7%94%A8%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1/%E7%9C%BC%E7%A7%91%E7%94%A8%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1/details/product/leica-proveo-8/

P8デモの前に、それまでの来夏のメイン顕微鏡であるM844をデモしていたのですが、これはBにサッパリ合いませんでした・・・。勤務医時代はZ社のVISU、開業してからはT社のOMSと、いずれも焦点深度の深さを売りにしている顕微鏡でオペしまくって来たBにとって、来夏のコンセプトである、「焦点深度は浅いが、低照度でいながら高画質な顕微鏡」の良さがサッパリわからずじまいでした・・。

焦点深度が浅いので、いつもBがやっている拡大倍率でオペをすると、少し目線がかわるとたちまちピントが合わないので、いちいちフォーカスを合わせねばならず、やりにくいことこの上なし!!慣れてくると、弱拡大でオペをすれば良いという事に気づくわけですが、やはり弱拡大だと、微妙な前嚢と角膜内皮の距離感など、今までとは若干感覚が違うので、結果、内皮に近い所でphacoをかけていたりして、術翌日、想定外の角膜浮腫があったりして、すっかりやる気をなくしておりました。

で、P8ですが、これは今までの「来夏=焦点深度が浅い」という弱点を補い、片眼で従来の鮮明画像、もう片眼で焦点深度重視の画像が見えるようになっており、あたかもテクニスマルチでZKB(+2.75D)とZMB(+4.0D)でハイブリッドオペをすれば遠中近全ての距離がカバーできるかの如く、両眼視時では違和感なく焦点深度の深い鮮明画像が得られるっちゅう、ユニークな発想の顕微鏡です。焦点深度重視顕微鏡で甘やかされて育ってきたBも十分に満足できるレベルでございました。

画像の鮮明度は抜群ですが、正直、B的にはやや暗く感じてしまいます。元からの来夏ユーザーの先生方は低照度オペに慣れておられるのだと思いますが、Bは来夏顕微鏡初心者なので、これは少し不満です。Bの手術システムでは、ベリオンに光を分配してるので、その分、より暗くなっております。ベリオンなしで普通に使う分には全く問題ない照度であることは申し添えておきます。

徹照は勿論、良いのですが、きょうび、どの顕微鏡でも十分良いので、メーカーが歌ってるほど、めちゃくちゃ良いというわけではありません。患者さんの目の角度によって、ややムラがあると思います。B的には、やはり10数度、アオリを入れた方が見やすかったので、今までと同様、少し傾けた状態で使用することにしました。

あと、細かい点ですが、フットスイッチがコードレスで、かつ、軽くて移動させやすいというのもポイントでした。Bは強主経線切開をオペをするので、上方や右耳側、左耳側としょっちゅう移動するので、フットスイッチの機動性は重要でした。Z社Lumera700よりも少しコンパクトであり、ここもそんなにオペ場が広くないBクリにとっては重要ポイント。更に個性的なフォルムも気に入りました。
(^^)

P8は右眼と左眼が違うコンセプト光路で見ており、一度、他の先生が使用された後に、ウッカリとPDを自分用に合わせないままオペをしてしまったのですが、その時はゲロを吐きそうなくらい見えにくかったです・・・。PDを合わせ、両眼でしっかりと像を捉えるからこそ、この顕微鏡は真価を発揮するので、PDをビシッと合わせることは肝要でございます。まぁ、当たり前と言えば当たり前ですが・・・。
(^^;)

購入して、本格的に当院にやって来てから、まだ数回しかオペしていないので、まだまだ偉そうなことは言えませんが、前回オペくらいからようやく慣れてきて、自分の相棒らしくなってきたような気がします。今後、色々な機能が付加されるようなので、それほど期待はしてませんが、興味を持って待っているところです。

本日は以上です。