MKチップについて by B

ご無沙汰しております。暑い暑い夏が過ぎ、ようやく秋の気配を感じるようになってまいり、過ごしやすくなってきました!皆様は如何お過ごしでしょうか?

この夏は、リオオリンピックで日本が史上最多のメダルを獲得し、大いに溜飲を下げました!!個人的には、陸上400mリレーの銀メダルが一番燃えましたね〜。あと、柔道の井上監督の涙も良かった!!女子レスリング、吉田選手の銀メダルは、吉田選手の号泣っぷりを見てるともらい泣きしそうになりました・・・。吉田沙保里選手は残念でたまりませんでしたが、伊調香選手が五輪4連覇と言う、空前絶後の大記録を成し遂げたにも関わらず、マスコミの扱いっぷりがイマイチ小さいのは、何故なんでしょうね??やはり、吉田選手とのスター性の差でしょうか??
(*´・д・)???

夏の甲子園は、オリンピックに隠れて、今年はあまり取り上げられませんでしたが、Bは実は野球観戦&ドラフト会議オタクであり、夏の甲子園もガッツリチェックしておりました。優勝投手となった作新学院の今井投手ですが、甲子園が始まるまでは無名と言っても差支えの無い投手だったのに、コントロールされた150km超の速球がビシバシ決まっていたので、凄まじかったです!!

しかし、高校生の身体能力は年々増してますね。昔は、140km/hを超える球速を投げれたら「大会屈指の好投手」と言われましたが、きょうびの強豪校は、2番手投手でも140km/h前後の球速をほおりますし、145km超えの投手はゴロゴロおります。幼少時からの食事の影響か、日本人の体格が変化してきているのでしょうか。

近況報告ですが、実は、内政問題で今年は色々あって、結構参っております・・・・。
(ToT)

歴史をひもときますと、Bのクリニックは、当初、継承した際は潰れかけで、受付2人、検査2人+ナース1人の5人のスタッフで始まりました。ORTはいませんでした。検査員の内、1人は、若い子を僕が面接して雇いましたが、彼女以外は先代からのスタッフです。彼女は現在は当院のエースクラスとなって、幹部スタッフになってくれております。ナース以外の先代からのスタッフは、1名退職しましたが、他の3名は今でも主要スタッフとして忠誠を尽くしてくれております。

その後、しばらくして、ナースを3名、色々な伝手を辿って増員しました。この3人も当院の柱石となってくれております。先代からのナースは、やる気満々のBについていけず、Bが高い目標を掲げて邁進しようとすると、「そんなの無理に決まってる」とハナから諦め姿勢なので、Bがボコボコに叱責してまくっていると、ほどなくして辞めていきました〜。
(^^;)

そんな感じで、やり始めたですが、お陰様で手術件数が順調に伸び、現在は20名以上のスタッフが勤務しております。しかしながら、人が増えたら増えたで、まぁ、色々ありますねん・・。

Bも中年真っ盛りとなり、特に20台前半の若い女の子は何を考えているのかワカランですねぇ。機嫌よく働いてたと思ってたら、突然、「思ってるのと違ったので、辞めたいです」とか言い出しますし、一回そう思ったら、何を言っても聞き入れません。社会人としての自覚よりも、自分自身の思いを強く重視する傾向にありますね。

やはり、「NO.1よりonly one」「自分を大切に生きよう」というゆとり教育の成果が出ているのかなと感じます。

まぁさすがに匿名ブログとは言え、詳細は書くことは出来ませんが、人や仕事が色々増えると、どうしても自分のマネージメントが行き届かない所で出てきて、綻びも出てくるものでございます。今年は、色々勉強させてもらっております・・・。

さて、本題に入ります。

今年のJSCRSで、トーショナルフェイコに特化したチップである「MKチップ」の存在を知り、元々、A社純正のbalancedチップに少なからず不満を持っておりましたので、早速デモ致しましたので報告でございます。

MKチップの概要は説明書を抜粋しますと

超音波白内障手術(PEA)においてアルコン社の専有技術であるtorsionalモード(超音波チップの反復回転運動:以下Ozilモード)でのキャビテーションを抑制し、より安全な手術を行なえるチップ。2013年のESCRS及びAPAOでビデオグランプリ獲得他、受賞多数。

MKチップではチップ先端部の断面形状が楕円(楕円長径方向に僅かな窪みあり)としているためストレート型ながらOzilモードが可能。1.1mmベースの「スタンダードタイプ」と、0.8mmベースの「マイクロタイプ」の2種があり、それぞれ先端角度は15°及び30°の2種。本品は未滅菌でリユース可能な薬事登録がなされている。アルコン社のOzilモードが発振可能なハンドピースに接合して使用(アルコン社製レンチに適合)。なおスタンダードタイプにはアルコン社の「スタンダードスリーブ(青)」を、マイクロタイプには同じく「ウルトラスリーブ(赤)」または「マイクロスリーブ(紫)」の使用を推奨。

MKチップではOZILモード際、チップの上側方と下側方にそれぞれ発生する陽圧と負圧が極めて短時間でキャンセルされるためキャビテーションの発生が抑制され、眼内組織侵襲の低減が期待できる(実際にこれまで虹彩色素脱出は1例も認められていない)。

要するに、キャビテーションの発生を抑え、より創口への負担が減る。特に、強膜(強角膜)切開で虹彩の色素脱失には抜群の効果を発揮するとのことです。

B的には、角膜切開なので、男汁による虹彩色素脱失に悩まされたことはほとんどないので、そこにはあまり反応を示しませんでしたが、変な形のbalancedチップに比して、完全ストレート形状のチップであること、及び、楕円形の非常にユニークな断面で断面積が大きい分、核処理効率も良さそうだし、学会で発表しておられた、S先生のMKチップ使用オペが凄く美しく、素晴らしかったので、是非試してみたい!!と思った次第でございます。

で、早々に結論になりますが、2手術日で使用しましたが、結果的には当院のメインチップにはなり得ませんでした・・・。

問題点は、

ストレートチップは良いけれど、首振り力が低下するので、男汁パワーを通常の核でも80%以上にして使用せねばならず、超硬い核の時に不安あり(チップ詰まりの可能性アリ)

・専用スリーブがなく、A社スリーブを使用するものの、個性的な断面のため、スリーブのホール位置、創口とスリーブの接触具合によっては、非常に灌流量が減少し、急に前房不安定になる場合がある

この2点です。

メリットは、

・楕円形のチップ形状なので、核分割の際、縦長チップにして核を固定し分割すると、非常に美しく綺麗に割れやすい

・チップ断面積が大きいので、スムーズな手術が出来れば、凄く美しく綺麗な手術が可能

この2点です。角膜切開創の閉鎖性に関しては、元々、弧状ブレードで切開をしているので、従来のチップに比べて有意に閉鎖が良くなっている感じまではなかったです。

B的には、症例によってチップを変える(例えば、硬い核はbalancedチップ、ノーマルはMKチップなど)のも面倒なので、変えるならば全症例をMKチップでやろうと思っておりましたが、そこまでではなかったです。一日の手術全体の流れを考えるならば、今まで通り、balancedチップでええか〜という結論に達してしまいました。

ただ、MKチップ自体は非常にユニークな発想であり、十分な灌流量を確保できる専用スリーブなどが開発されれば、まだまだ良くなる可能性はあると思いました。ただ、どうしても硬い核が弱点になると思います。

また、強膜切開でオペをされておられ、男汁パワーによる虹彩色素脱失に悩まされておられるDrならば、大いにメリットがありますので、メインチップとして使用される可能性は十分にあると考えました。

あくまでもBの個人的感想でございます。前房不安定などは、設定値をいじくったり、チップ操作に慣れれば克服できる可能性が十二分にありますので、あくまでも1stインプレッションであることをご承知おきください!

本日は以上です。