来夏Proveo8の実力 by B

お疲れ様です〜。いやはや、5月に2回更新して鼻高々になっておりましたが、気が付けば7月も終盤・・・。夏休みに突入し、子供の超悪い成績も帰ってきて、現在、妻の機嫌がMAXに悪く、Bもトバッチリをうけまくってる今日この頃でございます・・・。

政治系のトピックとしては、参院選自民党が圧勝し、改憲派と目される他党と合わせると、ついに改憲に必要な議員数を確保致しました。次回の衆院選では確実に憲法改正が争点となるでしょう!マスコミに左翼が多いので、普通にテレビを見ていると改憲反対派が多いように感じますが、最近の選挙結果はマスコミの思い通りに全くならずに改憲派がジリジリと議席を増やし続けております。護憲派は年齢層が高く、大橋巨泉も泉下の人となられましたが、徐々に人数が減ってきていると思われます。

そう思うと、シールズっちゅう若者グループは、Bにすれば時代遅れの左翼の亡霊に憑依された集団としか見えません。あのグループを担ぎ上げて喜んでる左翼リベラル諸氏は、完全に時代を読み違えてると感じますね。

東京都知事選も、鳥越氏が担がれて出てますが、いきなりの文春砲炸裂で、もう芽はないんじゃないでしょうか。

さて、それまでの本業のTOPICと言えば、JSCRSに参加してまいりました。

色々勉強になったのですが、当ブログではA先生の問題提起で前々から話題になっていた、Negative Dysphotopsia(ND)がJSCRSでも大きく取り上げられてました。結論から言うと、暗所瞳孔径が大きい方がなりやすいという説や、逆に瞳孔径が小さい方がなりやすいという説もあり、まだ情報が混在してる状況であります。ただ、何故だかはわかりませんが、ループを耳下側に持って行けばNDにならないとか、アイファガンをさせばNDが軽快するなどの興味深い報告もありました。

何はともあれ、こちらとしましては、患者さんの訴えに真摯に耳を傾け、

・基本的には、だいたいは、時間経過とともに治ってくること

・シャープエッジのIOL特有の合併症なので、どうしても気になる場合はIOL入れ替えを考慮すること

を堂々と述べれば良いと思います。個人的には、N社、A'社のシャープエッジIOLに起こることが多く、A社のIOLは不思議に起こりにくいような気がするので、まずはIQに入れ替えるとかを考えますかね〜。Bのクリニックでは実際に入れ替えまで行った症例はございません。

学会後の懇親会では、今回も色々な先生方と飲みに行かせてもらいましたが、地方豪族が互いに切磋琢磨し、最先端医療をドンドン取り入れているのを肌で感じました。正直言いまして、現在、一般市中病院よりも、地方豪族化した眼科手術開業クリニックの方が明らかに勢いがありますね。金曜日の地方豪族飲み会では、6人中4人が既にレーザーフェイコを導入しておりました。レーザーフェイコを導入したクリニックが良いクリニックと言う訳では当然ありませんが、進取の気性に富んでいるという点に着目すべきではないかと考えております。

前からこのブログで指摘してきましたが、幕府(大学病院・医局)の権威が低下し、地方豪族(地方の眼科手術開業医)が台頭する戦国時代へと突入しております。まだまだ現時点では、兵隊(勤務医)の数が大学病院・市中大病院に多いので、大きな地殻変動は起こってないように見えますが、財力のある地方豪族は、一般病院よりはるかな好条件で兵を増やし、領地(分院)を拡大して、下克上を虎視眈々と狙っているという状況になってきていると思います。

まぁ、Bのクリニックはまだまだそんなクリニックではなく、先祖代々の土地を必死こいて耕やすのに精一杯でございますが・・・。

ところで、Bのクリニックでは手術用顕微鏡を久々に買い替えました。

今まではT社のOMS800を使用しておりました。開業当初、潰れかけのクリニックを継承し、手術用顕微鏡を買うにも資金に限りがあり、メジャー所のZ社や来夏社の顕微鏡が買えなかったというのが一番大きな理由ではありますが、T社顕微鏡は両社に比べても全く遜色ない見え方で、特に焦点深度に関しては非常に深く、特に白内障をやる分にはかなりイケてる顕微鏡でございました。

現在でも、ブランド力では劣りますが、顕微鏡自体の実力では、決してメジャー両社のモノに劣らない顕微鏡であると確信を持って言えます。

10年以上使い、まだバリバリの現役で使っておりましたが、なぜ買い替えることにしたかと言うと、拡張性がないからでございます・・・。

現在、当院ではA社ベリオンにLenSxも使用しており、年内にORAも導入予定でありますが、T社顕微鏡には現時点ではORAが装着出来ないんですねぇ。やはり、T社は専門の顕微鏡屋さんではないので、最近のハイスペックな顕微鏡には今後の拡張性という点ではちょっと勝負にならないし、どうやら勝負する気もないようでございます・・・。

ハイスペック顕微鏡は、Z社ならOPMI Lumera700になりますが、あくまでもカリストとのコラボ商品であり、あと、本体がやたらデカいんですねぇ。カリスト・Lumera700デモの感想はかつてブログで述べました。→ ルメラ700&カリストアイのデモ by B - 眼科手術開業医の戯言

カリストベリオンの勝負は、角膜曲率半径の計測ポイント数の差からBはベリオンに軍配を上げました。

で、ベリオンを買うならA社の手術用顕微鏡であるルクソールが俎上に上がってくるわけですが、Bにはサッパリ合わなくて、却下・・・。理由はコメントの際にかつて書いておりました。→ 2015-05-26 - 眼科手術開業医の戯言

その後、顕微鏡は自分の目に等しいものであり、顕微鏡のデモというのも結構環境が変わったり姿勢が変わったり、色々ストレスも多かったので、「やっぱ、T社の顕微鏡で何の不満もないし、これでトコトン行こう!!」と決意しておったのですが、ここに来て、来夏が新しいハイスペック顕微鏡であるProveo8(以下、P8)を出してきたんですね〜。

製品情報ページはこれです。→ http://www.leica-microsystems.com/jp/%E8%A3%BD%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E6%89%8B%E8%A1%93%E7%94%A8%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1/%E7%9C%BC%E7%A7%91%E7%94%A8%E9%A1%95%E5%BE%AE%E9%8F%A1/details/product/leica-proveo-8/

P8デモの前に、それまでの来夏のメイン顕微鏡であるM844をデモしていたのですが、これはBにサッパリ合いませんでした・・・。勤務医時代はZ社のVISU、開業してからはT社のOMSと、いずれも焦点深度の深さを売りにしている顕微鏡でオペしまくって来たBにとって、来夏のコンセプトである、「焦点深度は浅いが、低照度でいながら高画質な顕微鏡」の良さがサッパリわからずじまいでした・・。

焦点深度が浅いので、いつもBがやっている拡大倍率でオペをすると、少し目線がかわるとたちまちピントが合わないので、いちいちフォーカスを合わせねばならず、やりにくいことこの上なし!!慣れてくると、弱拡大でオペをすれば良いという事に気づくわけですが、やはり弱拡大だと、微妙な前嚢と角膜内皮の距離感など、今までとは若干感覚が違うので、結果、内皮に近い所でphacoをかけていたりして、術翌日、想定外の角膜浮腫があったりして、すっかりやる気をなくしておりました。

で、P8ですが、これは今までの「来夏=焦点深度が浅い」という弱点を補い、片眼で従来の鮮明画像、もう片眼で焦点深度重視の画像が見えるようになっており、あたかもテクニスマルチでZKB(+2.75D)とZMB(+4.0D)でハイブリッドオペをすれば遠中近全ての距離がカバーできるかの如く、両眼視時では違和感なく焦点深度の深い鮮明画像が得られるっちゅう、ユニークな発想の顕微鏡です。焦点深度重視顕微鏡で甘やかされて育ってきたBも十分に満足できるレベルでございました。

画像の鮮明度は抜群ですが、正直、B的にはやや暗く感じてしまいます。元からの来夏ユーザーの先生方は低照度オペに慣れておられるのだと思いますが、Bは来夏顕微鏡初心者なので、これは少し不満です。Bの手術システムでは、ベリオンに光を分配してるので、その分、より暗くなっております。ベリオンなしで普通に使う分には全く問題ない照度であることは申し添えておきます。

徹照は勿論、良いのですが、きょうび、どの顕微鏡でも十分良いので、メーカーが歌ってるほど、めちゃくちゃ良いというわけではありません。患者さんの目の角度によって、ややムラがあると思います。B的には、やはり10数度、アオリを入れた方が見やすかったので、今までと同様、少し傾けた状態で使用することにしました。

あと、細かい点ですが、フットスイッチがコードレスで、かつ、軽くて移動させやすいというのもポイントでした。Bは強主経線切開をオペをするので、上方や右耳側、左耳側としょっちゅう移動するので、フットスイッチの機動性は重要でした。Z社Lumera700よりも少しコンパクトであり、ここもそんなにオペ場が広くないBクリにとっては重要ポイント。更に個性的なフォルムも気に入りました。
(^^)

P8は右眼と左眼が違うコンセプト光路で見ており、一度、他の先生が使用された後に、ウッカリとPDを自分用に合わせないままオペをしてしまったのですが、その時はゲロを吐きそうなくらい見えにくかったです・・・。PDを合わせ、両眼でしっかりと像を捉えるからこそ、この顕微鏡は真価を発揮するので、PDをビシッと合わせることは肝要でございます。まぁ、当たり前と言えば当たり前ですが・・・。
(^^;)

購入して、本格的に当院にやって来てから、まだ数回しかオペしていないので、まだまだ偉そうなことは言えませんが、前回オペくらいからようやく慣れてきて、自分の相棒らしくなってきたような気がします。今後、色々な機能が付加されるようなので、それほど期待はしてませんが、興味を持って待っているところです。

本日は以上です。