三好氏アルティメットバーチカルデュアルフローハイドロダイセクションカニューレ by B

本日は手術日です。合計12件でした。本日はニデックの新しい非球面イエローレンズであるアクティスのデモをしました。

ニデックのIOLは、クリアーソフトアクリルのネックスアクリを一時期メインで使用しておりましたが、ニデックのインジェクターは角膜2.75mm切開では厳しく、レンズ挿入前にウンデを広げなければならないので、途中からHOYAインジェクターシステム(Eカートリッジ)にて挿入しておりました。現在はHOYAのYA60BBRをメインで使用しております。

今回もHOYA-ISで入れましたが、全く問題なく使用できました。かつてのネックスアクリは非常に弾力があり、HOYA-ISで挿入すると、ロケット発射のような感じで出てきたのですが、アクティスは少し硬くなっているようで、それほど危険な感じはありませんでした。当院は超強度近視眼に限ってコーワのアバンシィを使用してますが(-7Dまで度数があるため)、それに似た感触でした。

何より今回は、まとめ買いとは言えIOLの値段をかなり安くして下さったので、今後は球面収差が大きいと言われる短眼軸長眼を中心に使用していく予定です。

ただ、眼科手術開業医における白内障手術は狙い度数の正確さが命なので、新しいIOLはパーソナルA定数ではないので、少し不安です。20例ほどは、両眼手術の片眼で使用し、私のパーソナルA定数を算出してから、本格的に使いだそうと考えております。


さて、私は、ハイドロダイセクションが苦手というか、上手い先生方のように百発百中とは行かないのが悩みの種でした。(A先生にも何度かコツを教えて頂きましたが・・・)今までは通常の27G鈍針(AMO社:いわゆるヒーロン針)で行っておりました。

今回、何度かデモをした末に、三好氏アルティメットバーチカルデュアルフローハイドロダイセクションカニューレを5本購入し、当院のセットに入れることにしました。今日が、全例使用する初めての日です。

物凄く長ったらしい商品名ですので、今後は三好のハイドロ針と呼びます。

三好というのは、同業の方なら全員がご存じかと思いますが、福山市の三好輝行先生のことです。直訳すると、三好先生が開発した、究極の、垂直に2方向の水流が出るハイドロ針ということになります。

私はチョッパーも三好チョッパーを使用しており、「三好」ブランドには非常に弱いんです!!

実際に使用してみると、凄く良いです。今まで、チマチマ色んな方向から入れて、ナースが超音波のハンドピースを渡そうとするのを、

「いや。まだや。」

とか言いながら、時間をかけてハイドロし、その挙句、2分割後の回転の際、核がうまく回らずに、

「やっぱり水が回ってへんかったわ・・・。ごめん、もう一回、ハイドロちょうだい・・・」

とか言いながらオペをやっていたのですが(この状況は全例ではないですよ!あしからず)

この三好のハイドロ針はまさに1秒ほどでハイドロが完成します。いや〜、いいアイテムが出てきたもんです。

弱点は、23G針になるので、今までと比してかなり太く感じます。あと、おそらく今までよりも大量の水が嚢内を廻っているのでしょう、ビスコートを使用せずにオペリードHVのみで前房形成していた症例で、ハイドロ時、一気に粘弾性物質も出てしまい、若干眼球が虚脱してしまった症例がありました・・・。

この辺のさじ加減は慣れもあると思います。本日12例中10例ほどは1秒ハイドロで、非常に気分よく手術できました。ただ、先日A先生の手術を見学に行った際の影響で、今日から基本的にはビスコートを使わずにオペリードHVのみで前房形成する予定だったのですが、三好のハイドロ針に慣れるまでは今しばらくビスコートで前房形成することにしました。

最後の12例目はLRIも併用しました。今回、LRIは2回目になりますが、きれいにlimbusを弧状に、角膜に垂直に切開するのは、もうしばらく修行が必要だなと感じました。