医師偏在〜違った観点から〜 by B

A先生から医療崩壊への問題提起がありましたが、現在幼子を3人育てている第二次ベビーブーマー世代のBからも述べさせて頂きます。

だいぶ前になりますが、僕の嫁はんが小学生低学年向けの塾の説明会に行ってまいりました。その塾は小学3年までの低学年向けの塾ですが、かなりマニアックな塾で、そこの出身者がその後ブランド学習塾に進み、N中など最難関中学の合格者を多数出しているのです。うちの長男は小学1年生ですがそこに通ってます。

そこの塾長先生は並みいる教育ママさんを相手にこのように述べていたそうです。

「この不況の時代、一番大事なのは資格です。資格で最強の資格は何だと思いますか?そう、医師免許です!!弁護士も立派ですが、司法試験が難しすぎます。医者は医学部にさえ入ることが出来れば、ほぼ100%なれるのです!!最近、女医さんも多いですね。お嬢さんがお医者さんになればお母さん、どんな旦那さんと結婚したとしても、大丈夫!生きてゆけます。
 ただ、医者になるには、やはりたくさん勉強せねばなりません。うちの塾はやらせすぎとの陰口を良く聞きますが、それでは、今サッカーやって、Jリーガーになれるんですか?野球やってプロになれるんですか?今からしっかりと勉強をしてお医者さんになる方が、よっぽど確率が高いですよ!!・・・」

勿論、私の子供も医者になってもらいたいと思い、今から塾に通わせているわけですが、嫁はんの隣に座っていた奥様は「やっぱり医者やわ〜。うちの子、医者になって欲しいっ!!」とかなり気合が入ったみたいです。

僕自身、母親から「あんた、将来、立派なお医者さんになるんやで〜」と洗脳教育され私立小学校(父の開業に伴い3年から公立に転校しましたが)→小学3年から学習塾→中学受験(6年一貫)→大学受験と受験街道をまっしぐらに駆け抜けてまいりました。ただ、現在の受験街道は更にエスカレートしており、小学校低学年から始めて当たり前、小6なんか、塾の近くにワンルームマンションを借りて泊まり込みで勉強をし、塾代も月20万円以上かかるそうです。(当家もその時に備えて、今からお金を貯めとけと忠告されてます。)


基本的に、医者の家はわが子を医者にしたがります。少なくとも教育熱心であります。また国民的にはやはり医師は憧れの職業ということで、医学部合格の難易度は不変であります。現在の医師偏在はこの教育問題もかなりウェートを占めていると感じております。

教育というのは孟母に代表されるように、母親の一大関心事です。つまり、医師というより、その奥様(女医さんの場合は本人)が、自分の子供に高いレベルの教育を与えようと思っております。

特に中学受験は、高学歴を目指すならば、第一のポイントです。先に述べたように僕自身、中高6年一貫教育の進学校出身ですが、こういう学校に通っていれば、かなり大学受験に有利になります。

最近ようやく見直されてきましたが、「ゆとり教育」の公立学校だけに行っていては、有名私立中学受験は無理です。私立や国立小学校が有利ですし、それだけでは足らず、進学塾の一番上のクラスでそこそこの成績をとっていなければ厳しいです。そのため、奥様(女医さん)は子供のために、どうしてもそこそこの都会に住んでなければならないのです!まさに孟母三遷でございます。

その為、地方の医師派遣は、単身赴任率が高まります。医局人事で、「田舎病院の部長で行け」と言われれば、拒否する先生が後を絶ちません。結果的に、地方に医師が少なく、都市部には過剰になっている側面は絶対にあると考えております。

この解決策は、非常に大きな話になりますが、やはり公教育の充実ならびに地方分権を推し進めるしかないと思います。明治以降の中央集権体制のひずみが、ここにきて噴出しております。

さらに、現在は親の資金力と子供の学力が有意に相関しているようです。社会階層の固定化とまでは言いませんが、それに近い状態になりつつあると思われます。幕藩体制で、地方から数々の俊才が出てきたように、次世代の日本はなって欲しいです。

やっぱり革命しかないですかね?今度の選挙は、小沢ショックがあっても民主党が有利でしょうが、しっかりとした政権運営で、日本の改革を推し進めるには、選挙後の民主と自民の保守系議員の大連立しかないような気がしてきました。いわゆる政界再編でございます。