3/30オペ&「神の手の提言」を読んで by B

昨日はお寺に行って御祈祷してもらいました。早速ご利益があり、キャンセルしていた方が、手術申込に来られました!やっぱり神仏への祈りを忘れてはいけませんね。

先週、黄斑円孔のオペを、airのみのタンポナーデで1泊入院で硝子体手術担当Drにしてもらったと報告しましたが、術3日目の木曜日の時点でgasが50%くらいになり、円孔の閉鎖を確認できました。土曜日にはOCTも撮影でき、画像的にも円孔閉鎖を示すことができました!患者さんからも、「入院下でうつ伏せするようりも、自宅でやる方が精神的にすごく楽で助かった」と仰っていただいたので、今後も、黄斑円孔の方が来られたら、当院でやっていこうと思います。網膜剥離はさすがに、当院でやる気はありませんが・・。

本日のオペは5件です。当院はこれまでは毎週月曜のみが手術日でしたが、この4月からは月・木の週2日でやります。4月2日木曜日にもオペをするので、実質今日から週2日制のスタートです。

当然、週2日にしたからと言って、オペ件数がすぐに倍増するわけではなく、逆に今まで1日でまとめてやっていたのが分散されるので、ナースの人件費やパック・粘弾性物質等のコストを考えると損でございます。選択肢が増えることによって、少しでも手術件数が増えればと考えております。

本日の手術は快調に行えたのですが、一人、術後確認すると(当院では、オペ場の横に診察室があり、術後、私が創の閉鎖を確認してから保護眼鏡で帰宅してもらいます。)、IOL光学部がCCCのエッジの上にのっており、若干センターリングが悪い症例がありました。ハイドレーションの際、硝子体圧が高いのか、なかなか創閉鎖が得られなかったのですが、開瞼器を外す際に少し前房が潰れ、inに入っていた光学部がCCCエッジを押しのけて突出したようです。微妙にセンターリングも悪いようで、その方は散瞳がイマイチで6mm弱だったのですが、IOLエッジが見えてました。この状態は球面レンズならどうということはないのですが、非球面だけに、見え方の質が落ちないか心配ではあります・・・。

さて、世界的に有名な脳外科医、福島孝徳先生の「神の手の提言」ですが、A先生に教えて頂き、早速読んでみました。簡単にまとめると十一の提言をなさってます。

一、正しい道徳・倫理観を持つ医師を増やす
二、厚労省の超低医療費政策を改善する
三、大学の悪しき医局講座制を抜本改革する
四、名医が育つ医学生・卒後教育
五、医師の労働環境、経済状態を外国並みにレベルアップする
六、病院の企業努力が認められるシステムにする
七、欧米並みの迅速な許認可制度をすすめる
八、医療福祉を実践しつつ、医療には金がかかることを国民に理解してもらう
九、混合診療を認める
十、脳外科医に正しい術式、進んだ治療法を学んでもらう
十一、官公庁の税金の無駄遣いをやめさせる

まず、一〜四ですが、能力のない医師がやったオペの尻拭いを、福島先生が多数手がけているので、心からの悲痛な叫びでございます。医局講座制ともからんでおり、実力のない医師が、医長や部長で病院勤務に送り出され、そこで経験不足の医師が手術をし、神の手曰く、「犯罪としか言いようのない手術」が行われているとのこと。

この指摘に関しては、医師であるならば全員感じたことがあるのではないでしょうか?

私の所属する医局は比較的しっかりしている方だと思います。網膜硝子体手術や角膜移植など、特殊なものは専門家がやるいうコンセンサスが皆に行きわたっていると思います。ただ、開業してから、県内の他病院で網膜剥離手術を受け、三回オペになった挙句、シリコンオイルを入れ、角膜内皮も激減し、

「シリコンオイルを抜いたら剥離が再発するかも知れないが、そのままならbullous keratopathyになってしまうかも知れないと言われた。どうしたら良いですか?」

と当院受診された患者さんがおられました。人の手術を悪く言えるほど、大した人間ではありませんが、その方の目は、白内障手術さえ、ままならない先生が執刀されたような感じでした。よくお話を聞くと、留学帰りの女医さんが、執刀していたそうです。もちろん、その先生の悪口を患者さんの前で言いませんが、やはり最初からエキスパートにしてもらってたら、こうはならなかっただろうとは感じました。

ちょっと長くなりそうなので、続きはまた書きます!(続く・・・)