やっぱりね by A

医療法人の締め(期末)は毎年5月にしており、個人の(税務)申告は3月なので、毎年4月には経営の見直しということをしています。これを基準に、職員の給料をどれだけあげられるかなど、検討するわけですが・・・。

なんと、全体として、収入(医業利益)が数パーセント減っています!こちらの印象としては、しんどさは変わらず、ということは手術件数はあまり変化なくということで、「ひょっとすると、ちょっとは伸びたか?」と考えていたので、その落差はあまりにも大きいのです。

特にひどいのが社保収入と自由診療部門。老人の国保は若干増となっており、やはり、3割、10割と負担の大きい部門の落ち込みがはげしいことから、不景気の影響もあるのでしょう。今更ながらに、保険診療の偉大さを再確認いたしました。

それにつけて思うのは、今後予想される白内障手術の保険改定です。一説によれば、白内障手術の点数は、手術時間から見て高すぎるとか。外科手術の手術時間と比較すると、今の数分の一でも不思議はないそうです。それゆえ、「材料費」「器械投資」「社会への貢献度」といったことでなんとか維持しようとしていますが、いずれにせよ、減点圧力にさらされていることは間違いありません。

もし、白内障手術の点数が今の2割減となったとしたら、当院はたちまち赤字に転落です。損益分岐を大きく下回ることが確実な情勢です。しかし、点数をそこまで下げることは(医師会との取り決め上)出来ないそうです。そこで浮上するのが、「点数を3割くらい下げる代わりに、眼内レンズの代金を別途請求してもいいですよ\(^_^=^_^)/」という案で、厚生労働省は実はこれを狙っているらしいのです。

もしそうなったら、今まで1万円程度の自己負担で済んでいた国保老人の患者さんは、レンズ代と合わせて最低でも3万円以上の自己負担が発生します。レンズの種類によっては5万円、多焦点レンズともなると15万円の自己負担です。果たして、これに耐えられるご老人はどれくらいの割合でしょうか。

思い出されるのは、老人が月2000円の定額から1割負担になったときのことです。全国の手術施設で軒並み、件数が1〜3割減になりました。今回はそれ以上の件数減を覚悟しなければならないでしょう。

猶予はあと1年。この間に、予想される暴風雨に耐えられる体力づくりをしなければなりません。