副島さんの新しい本 by A

連休中に副島隆彦さんの新しい本が出ていたので読んでみました。副島さんは世界恐慌を言い当てた人で、政治、経済に関する「予言」はなかなかのものがあります。昨年の10月以来、今か今かと待っていたのですがなかなか出てきません。本人さんが書いておられるには、あまりにもたくさんの事件が次々起こるので校了できなかったそうです。待ちに待った一冊です。

内容はほぼ予想通りでした。経済に関しては、アメリカがますます悪くなり、2011年には責任をとってオバマ大統領が辞任し、なんと、ヒラリーが新大統領になるとの大胆予測を出していました。ドルはますます下落し、一ドル30円になるそうです。

オバマさんはアメリカ皇帝たるデヴィッド・ロックフェラーが大事に育てた玉ですが、残念なことに、就任以来黒人としての自我に目覚め、権力の意に反する人事を企てたそうです。確かに、オバマ周辺の閣僚が辞任に追い込まれたり、スキャンダルで就任できなかったりといったことが相次ぎました。一方ヒラリーは、実はロックフェラー一族の親族で、国民総動員体制に持っていくのに相応しい人物だそうです。

中川昭一財務大臣の酩酊事件。なんらかの陰謀があったと考えるのが普通ですが、副島さんははっきりと、米CIAの陰謀と書いておられます。同行した財務官僚との飲食の際、クスリを盛られたとのことです。結果中川大臣は辞任しました。でも、その動機は何か分からなかったのです。副島さんが言うには、中川昭一氏が就任以来、日銀による米国国債の購入ディールを中止させていたそうです。そういえばいつの間にか、外貨準備高が中国に抜かれていましたね。

円高がどんどん進んだのもその影響だったようです。それでは輸出企業が困ります。輸出企業とアメリカを守ろうとの目的で、中川氏はアメリカの手先と化した財務官僚にハメられたというのが真相のようです(と書かれています)。

中川氏の辞任により、早速、月に一兆8000億円!という円売り、ドル(米国債)購入が再開されました。その効果は、一時100円に戻した円安となって現れています。

しかし、こんなことを続けていると、本当にアメリカが破産し、米国債価格が暴落すると、日本は大きな損失を被ります。副島氏によれば、それがすぐ2年先に迫っているという訳です。

小沢一郎氏秘書逮捕も当然米国の陰謀と書かれています。ヒラリーは来日して、沖縄海兵隊のグアム移転費用を政府に請求しましたが、小沢氏とも会談しました。アメリカとしては、小沢氏が首相になる芽があると思ったにちがいありません。その中で検察に嵌められたとすれば、アメリカの陰謀かどうか、本当のところはちょっと分かりませんね。副島氏はとにかく小沢さんの大ファンのようです。

円売りドル買いは、輸出企業頼みの日本とすれば、アメリカに言われなくともそうしたいはずですから、アメリカの陰謀という副島氏の意見に全面的に賛成というわけには行きません。中国もドルを買っています。輸出立国の宿命でしょう。

ドル購入の原資は結局のところ円札を刷ることによらざるを得ません。円とドルの印刷合戦のようになっているのでしょうか。個人的にはこれ以上円高にならないことを望みます。

円高は株安と連動しますから、円高により大抵の資産は目減りします。円建ての貯金やこれから稼ぐお金は相対的に価値が上がるとはいえ、不況により賃金そのものが無くなるか低下するでしょう。また、円建ての資産は金融庁によりカウントされていますから、いざという時には召し上げということになるでしょう。副島さんが前々から警告している「預金封鎖」です。どうなるにせよ、あと2年で決着がつくということでしょう。2年後が楽しみですね!?