成功する眼科医の学歴 by A

まあ、男が女がといっても、常に例外はあります。かおり先生のご意見どおり、独立開業でありながらバリバリ手術をこなされる女性も、全国規模では大勢おられます。そんな女性から見たら、チマチマと論文を書くばかりの大学のオトコ先生も、頼りなげに感じられることでしょう。

今度は「学歴」を切り口に考えてみたいと思います。東大、京大、阪大など、旧帝大系で偏差値の極端に高いグループをA,地方国立や公立などの中等度グループをB,納付金によっても入学できる(?)私立大学をCと、大雑把に括ってみます。そして、私が個人的に見て、成功している眼科医を具体的に思い描き、学歴を調べることにします。

私立では、慶応のみがAグループ、慈恵、日医、大医など歴史あるところがBグループ、北里、聖マリ、川崎など新設に近いところがCグループと考えてください。

知らない先生は大胆に省きます。北海道札幌のO先生、Bグループ。函館におられる3名の成功者、いずれもBかCグループ。茨城のT先生(女性)、Bグループ。群馬のM先生、Bグループ。横浜の有名なI先生、Bグループ。F先生、Bグループ。東京のS先生O先生、Bグループ。

名古屋のS先生兄弟、BかCグループ。M先生兄弟、Aグループ。といってもM先生のころの名大は今だったら多分Bグループ程度の偏差値だったでしょう。

関西は事情により省略するとして、中四国では、M先生がBグループ、F先生もBグループ、N先生はCグループです。

もうこれくらいで、大体の傾向がつかめたことと思います。たくさんの患者さんを集め、名医として知られている眼科医のほとんどがBグループに属しています。

Cグループが少ないのはまあ当然としても、Aグループが少ないのは何故でしょうか。AはCよりも少ない傾向にあります。これは皆さんの常識と反し、一大事件といえるのではないでしょうか。

大学に残る人が多いため?確かにそれもあるにはあるでしょう。しかし、最後まで残るのは教授だけです。そして、教授は必ずしも名医ではない。Aグループの特徴として、関連病院が多いということもあります。そこで、停年まで勤め上げる勤務医になる人も多いでしょう。しかし、同窓会名簿を見ても判るように、最終的には開業医の比率がすごく高いものです。それだけが理由とは思えません。

特に最近の医学部ブームになってからのAグループはまさに異常なまでの偏差値の高さです。ここを突破するのは、努力だけでは不可能といえます。何らかの特殊な才能が必要で、それは、記憶力と集中力です。集中力を高めるには、周囲の状況にわれ関せずといった性質も磨く必要があり、それが、医師にとってマイナスになってしまうのではないでしょうか。

よい医者の条件として、「患者さんの話をよく聞く」ということがあります。これはIQの高い人にとって、どちらかというと苦手な分野です。IQの高い人は相手に自分と同レベルを求める傾向があります。IQの低い人を見下してしまうことがある。また、IQの高い人は自分の考えに固執する傾向にあります。それくらいでなければ、ノーベル賞級の研究はできません。しかしこの性質が、患者さんと接する上で大きな障害になります。

理屈はともかく、名医の学歴について、事実は事実として認識しなければなりません。Aグループの大学を卒業した先生は、このことを謙虚に受け止める必要があるのではないでしょうか。