後嚢破損!! by B

本日は白内障7件、眼内レンズ二次挿入1件、霰粒腫1件の計9件の手術でした。

白内障で久々に後嚢破損しちゃいました・・・。今年1月から180例くらいのcat opeですが、2眼目になります。

症例は、前回のチン氏帯断裂の方と良く似ていますが、眼軸長32mmくらいのスーパー強度近視眼です。もう片眼が優位眼で既に昨年オペ済で(1.2×S-2.5D)です。今回の眼は視力手動弁矯正不能でした。オペしても優位眼ほど視力は出ない可能性大を説明したうえでやりました。狙いは-4Dです。

かなり閉瞼の強い方で、ギンギンに緊張しておられました。核は非常に硬くネッチョリした感じで、天津甘栗のようでした(三好分類でgrade4)が、超音波で十分出来るレベルでした。

順調に核を食べてたのですが、最後の核片を食べた際にサージが起こり、後嚢を一瞬吸ってしまって、ジ・エンドでした・・。十分気をつけていたはずですが、仕方ないですね・・。核分割の最中に気づいたのですが、CCCエッジを一か所チョッパーで切ってしまっておりました。

幸い、硝子体はほとんど液化しており、A-Vitをしなくてもよかったです。IOLはサルカスに挿入しました。度数は弱視眼でもあるし、-4が-5になってもそんなに影響なかろうと考え、予定レンズをそのまま入れました。オビソートで縮瞳して終わったせいか、術直後から良く見えるとのことで、患者さんはご満悦でした。良かったです!また動画も公開したいと思います。

IOL二次挿入は35年前に他院でECCE後無水晶体眼の症例でした。散瞳径は4mmしかなかったのですが、上方にiridectomyがありそこから嚢が見えていたので、「多分全周あるだろう」との見込みでオペをはじめました。結果的には真ん中に大きな後嚢破損があるものの、嚢は全周存在していたので、A-vitの後、サルカスに挿入しました。

丁度良い機会なので、A先生にお伺いしたいのですが、昔のECCEはせっかく嚢を残して核が摘出されているのに、なぜ後嚢破損が存在しているのでしょうか?人工的な後嚢破損ですか?実は結構このパターンが多く、前から疑問に思っていたのです。ICCEなら当然ですが、ECCEで核娩出した後、何も破嚢させなくても、そのまま創を閉じて終われば良いと考えるのですが・・。

これはECCEではなくICCEをするつもりが上手くいかなくて嚢が残ってしまったということなのでしょうか??