乱視矯正用IOL by B

当院はご存知の通り、HOYAのIOLをメインに使用していたのですが、最近アルコンからの攻勢が激しくなっておりました。

アルコンのシングルピースアクリソフは勤務医時代にたくさん使いましたが、正直、生理的にあのタコみたいなグニャグニャがどうにも気に入らず、たまに出てくる術数年後のグリスニングも相まって、最近は全然使用しておりませんでした。

Muitifocal IOLに関しては、角膜3mm以下の小切開創から挿入できるものが、アルコンReSTORのみ(テクニスマルチは3mmに切開創を広げなければならない)なので、本当はテクニスマルチを使いたいと思いつつ、ReSTOR非球面タイプを最近はメインにしておりました。

何より、アルコンのIOLは他メーカーIOLに比して高いので、経営上観点からも敢えて使わなくても良かろうという判断でした。元々、アルコンの市場は大学病院をはじめとする大病院系メインで、手術開業医でのシェアはそれに比べると高くないと思います。

ただ、アルコンサイドも

・昔に比べ、白内障手術が眼科手術開業医で受ける率が高まっている
アメリカの経済恐慌の為、アメリカの白内障手術件数がかなり減ったらしく、日本でガンガン売るように司令が来ている

という理由で最近は開業医にも、積極的に攻勢をかけているようです。皆様のクリニックは如何でしょう?

今までは、アルコン営業マンのがぶり寄りのような激しい攻勢に耐えてきたのですが、ついに陥落してしまいました!

理由は、近々、乱視用のIOLが日本でも使用可能になると聞いたからです。

そのIOLの母体はアクリソフIQですので、それを使用する前に、実際のアクリソフIQを使用した上でのpersonal医原性角膜乱視を調査せねばなりません。

生理的にあんまり好きくないIOLを使わざるを得ないのは、若干忸怩たる思いですが、他メーカーに比べて技術・スピードで上回ったということですから、アルコンの勝ちでございます。今度のIOLは保険適応らしく、当院としては乱視矯正IOL手術に乗り遅れるわけには行きませんので。

今後は、BBRとIQを曜日別に使うことになると思います。その前にニデックのアクティスの在庫を使いきらねばなりませんね・・。

乱視矯正IOLは今度のJSCRSでも話題になるでしょうが、非常に楽しみにしております。