Phakic IOLについて by B

前回の記事で「現在、結膜まで写りこむ角膜形状解析装置は多分、TOMEYのTMSだけですので・・」とか書いてましたが、帰って来てから自院の角膜形状解析装置(サンコンのPR7000)を見ると、これでも十分結膜がうつりこんでますね。(^^;)

ただ、当院のマシンは円錐角膜指数は出ますが、不正乱視の検出パラメーターはないため、それがついたマシンが欲しくてたまらないっす。乱視用IOL適応について、非常に参考になるはずです。

ただ、TMS4を買うなら、十分に使えるサンコンのPR7000と役割がかぶってしまいますし、別に自院でLASIKするわけでもないので、そこに何百万円かけるのは、若干贅沢のような気も・・。

それならcataract surgeonとしては、トプコンが新たに出した、廉価版波面センサーKR-1Wの方が有益なような気も・・。うーむ。悩みますな・・。

ところで、本題ですが、ここ数年学会に行くと、「Phakic IOLは素晴らしい!!」とよく聞きます。実際に私が毎週お勉強に行ってる大学サテライトクリニックの屈折外来でPhakic IOL術後(後房型)の患者を診察する機会があるのですが、これがまた、実に患者満足度が高いっす。

もう充分に安全性も確率されていると思うのですが(長期は別にして)、どうやったら施行出来るかなどの情報は一向に下々まで降りてきません。北里大のスーパースターS先生とのパイプがないと、出来ないとの噂も聞きます。

実際のところ、どうなんでしょう?

多大な設備投資を必要とするLASIKに対し、Phakic IOLは白内障手術設備のあるクリニックなら、どこでも施行可能です。私なんかにすれば、(前前から・・)非常に魅力的に感じるのですがねぇ。

重篤な眼内炎など、LASIKにはない合併症が次々に報告されているならば、勿論やりたいとも思いませんが、素晴らしい結果ばっかりが報告されてるのに、下々が使えないのは、ちょいと不満です。

それこそJSCRSなどで、施行可能施設基準を定めて研修を受け認定されれば、許可されるようにしてもらいたいです。学会で成績が発表されるようになってから、早5年くらい経っているんじゃないですかね〜?

下衆の勘ぐりかも知れませんが、使用権利が利権のように扱われてるならば困りますよね。本当に良いなら、厚労省に働きかけて一般眼科医が使用できるようにしてもらわねば。

Phakic IOLが本当に良いものなら、「屈折矯正=美容系自由診療クリニック」となりつつある状況を、一気に挽回できるチャンスであります。

言い換えると、新しくて良いものを、一般手術眼科医が使えないのに、しばりのない非保険診療クリニックは使えるという現状が続けば、ますます屈折矯正が一般眼科医の手から離れていくことになるでしょう。麻生首相じゃないですが、それは如何なものかと思います。