民主党の本気度 by A

ひさしぶりに投稿します。毎年、夏が終わって涼しくなってくるころから患者さんが増えます。11月にピークがあり、また減ってくるということの繰り返しですね。しかし、通年で見ると、ここ数年、ちょっとずつ売り上げは減少しています。当方、還暦近い年齢で、盛りを過ぎていますゆえ、当然のことです。

しかし、売り上げ減は医療政策の結果でもあります。というのも、手術件数が減っているわけではないのに、レセの総枚数が減ってきているからです。厚生労働省による「受診抑制策」の効果がじわじわと効いていると考えられます。民間病院の倒産件数は過去最高を更新し続けているそうです。

昨日、鳩山新政権が発足いたしました。深夜に及んだ閣僚の記者会見を聞いていますと、彼らはどうやら、本気で官僚主導制を変えようとしているようです。記者が直接官僚から説明を受けることを許さないという態度は、ある意味、当然のことです。昨日の会見から、従来のマスコミ、政治家、官僚の3すくみ構造がよく理解できました。

しかし、人事権、予算配分権を取らないことには、官僚をあやつれないでしょう。そのあたりはどうなっていくのでしょうか。形だけを整えても、実質が変わらなければ意味がありません。したたかな官僚を手なずけられるか、期待半分、不安半分といったところです。

マニフェストどおりなら、2012年度から抜本的な医療制度になるはずです。逆に言えば、来年の保険改定はそれほどの変化はないだろうということになります。

民主党自身、意気込みはあっても、具体的にどう行動するかについては、判っていないことも多いでしょう。医療について、新しい政策も官僚主導になってはならないと思います。今までのように、官僚との根回しでちょっとずつ利権を得るというスタイルは変えなくてはなりません。医師会を始めとした医療側の団体がまず、意識改革を行うべきでしょう。

三宅謙作眼科医会会長がよくおっしゃるように、まず、グランドデザインを引かなければならないし、それは、官僚ではなく、医療の担当者、つまりは医師の側からなされなければならないでしょう。しかも、各科、各疾患から個別に積み上げていくという方法が望ましいでしょう。眼科医会眼科学会合同部隊は、コンタクト診療を冷静に処理した実績があります。今後、白内障緑内障、網膜疾患などなど、本丸の部分においても、正当なデザインを示し、新政府を教育していかなければなりません。

私が是非実現していただきたいことは、診療や手術の技術代をしかるべく算定し、請求できるようにすることです。技術料と設備費の分離です。このあたりを不確実にすることにより、従来、たとえば薬価差益で利益をあげた時代がありました。しかし、今や差益は微々たるもの、下手をすると赤字になります。医師が長年手を挙げてこなかったことの付けが来ているのです。

技術料を正当に評価していただければ、医師がわざわざ病院を経営することも必要ありません。病院経営は業者に任せて、医師は医療行為に集中することが可能となります。