日本の立ち位置について by B

この大型連休の最後に学会発表があるので、この連休を全く楽しんでないBでございます。皆さまは如何お過ごしでしょうか?

スライド作成で一番面倒臭いのが、視力を対数に変換し、平均値を出して、グラフにする際はlogMARに変換するという作業です。まあエクセルを使えば、単純作業を繰り返すだけで出来るわけですが、この手の作業が子供のころから苦痛で堪らない性分ですので、タバコの本数ばかり増えて遅々として進みません!さすがに、明後日発表なので、目処はついてますが。最近は1日2箱ペースです・・。このままでは早死にしますよ・・ほんま・・。

日本眼科学会も思い切って、視力表をETDRSチャートに統一しても良いんじゃないでしょうか?海外の文献を読んでも10/20やら20/20やら、日本と表記が違うので、わかりにくくて堪らないっす。勿論、最初は日本人医師は苦痛でしょうが、慣れの問題でしょう。

副島さんの新刊本の話ですが、徹底したリアリズムに基づいて「日本は親中に移行すべき」という副島氏の御託宣には括目させられました。私Bは、このブログを愛読されている方々ならお気づきのように「WILL」「正論」「SAPIO」系の無党派保守であり、「文藝春秋」でさえ、たまに「ちょっと左寄りやんか」と感じてしまうようになっておりました。

副島氏は歴史の大きな流れから、現実国際政治を読み込むスタンスです。ずーっと前から指摘しておられたアメリカ帝国の衰退がいよいよ現実のものとなり、日本の親米保守が期待しているほど、米国は日本を重視しておらず、米国自体が中国にすり寄っているとのこと・・。

そもそも米国は日本人が大好きだから同盟を結んでいるわけではなく、あくまでも冷戦時代の共産勢力に対する橋頭保として日本を大事にしていただけであります。御存じの通り、大東亜戦争中は無慈悲にも東京大空襲原子爆弾2発を無抵抗の一般市民に食らわしました。気性の荒いアングロサクソン国家でございます。

一方、中国は「まずはアメリカを潰そうぜ」を合言葉に、ロシア・インド・ブラジルなどと同盟関係を結んでおり、また歴史上の世界帝国が全てそうであったように、世界中(特にアフリカ・中東)に囚人達などの労働力を派遣しインフラ整備をさせていると。また中国内では標準語(北京語)を全土で話すようになり(台湾やシンガポールも)、世界帝国への素地が完成してしまったと。

今後はユーラシア大陸の中心、中央アジアに世界の中心が移り、新通貨体制が出来上がることだろうとのことです。

副島氏的には(少々長いが引用します)、
>>日本は覇権国を目指すことはないし、目指す必要もない。私たちはどこの国とも戦争しない、という独立自尊の体制をとる。独立国として自立すべきである。外国が攻めてきたら戦う。しかし絶対に外国に出ていく戦争はしないという態度を堅持すべきだ。

この後、アメリカ帝国が金融・経済面から没落していくのをじっと見極めながら、真の独立・自立を目指す。中国との関係でも仮に中国とアメリカに緊張関係が走った時は、どちら側にもつかずに局外中立を守るべきだ。日本はもうこれ以上、他国に支配され利用される国家には絶対にならない。<<

とのことです。実に勇ましい、リバタリアニズムですね。

文明の衝突

数年前にサミュエル・ハンチントン博士が「文明の衝突」を表し、冷戦終了後の世界を、あの9.11テロが起こる前に予見しておりました。かなり話題になりましたので、読まれた方も多いのではないでしょうか。

当時、私は勤務医でしたので、行き帰りの電車の中で「この本は凄いぜ!」と興奮しながら熟読しておりました。

その中で、「現在世界に8つの文明圏(西欧文明、中華文明、ヒンドゥー文明、イスラム文明、日本文明、東方正教会文明、ラテンアメリカ文明、アフリカ文明)があり、冷戦後はそれら間での覇権争いになる。」と記されております。誰がみても注目してしまうのが、日本でございます。日本は世界で見ればちっぽけな島国でありながら、鎖国制度なども相まって独特の国柄を築き上げました。

日本は、スーパースター聖徳太子が、「日出づるところの天子、書を日没するところの天子にいたす、恙無きや云々」の毅然とした、余りにも有名な外交文書で日本の立ち位置を明確に記しました。その後、足利義満らの金満政治家や、権力闘争の際の箔付けの為に、何度か中国の冊封体制を利用したことはありましたが、朝鮮とのそれとは、有意な差があります。

日本が1つの文明として他国から認められたという事は喜ばしいことですが、逆に言えば、文明圏が違うため、他国とうまくやって行くことが出来づらいということであります。ハンチントン博士は「おそらく中国の傘下におさまるだろう」と予言しております・・。

副島氏が言うように、どちらの傘下にも入らずに真の独立国としてやっていくためには、軍事的な充実は避けて通れません。副島氏は、いつもこの論点を避けているのがちょっぴり不満であります。ただ、軸足を米国よりから中国よりに移すべきというのは、そうかも知れませんね。

ギョーザ事件などで、少し狭量になっていた自分を恥じております。文明は違えど、根っこの部分は明らかに同じであります。私は三国志大好きですし、論語の「仁義礼智」は日本文化の中に深く溶け込んでおります。なんだか、中国と仲良くやっていけそうな気がしてまいりました!!

日本がどこにも与せず独立国として毅然とあり続けるのは、右も左もなく、国民一同賛成ではないでしょうか。僕はそうなって欲しいと願っております。

小沢氏(鳩山さんは、完全に傀儡であり、あまり隠そうともされませんね)が聖徳太子クラスのスーパースターであることを祈るばかりです。「米軍は第7艦隊しかいらん」発言には、片鱗が感じられなくもないですが・・。

今回のブログは、IOL関係の話をメインにするはずだったのですが、興奮して国際政治系の話を長々と書いてしまいました・・。