盛和塾の会に参加 by B

参院補選でも民主党が2勝しましたね〜。医師会、歯科医師会を始め、自民党応援だった各団体が次々と民主党応援に鞍替えを表明しております。源平の戦い、南北朝の戦い、関ヶ原の戦いなど、戦乱後の世の中がそうであったように、戦いが決した後、勝ち馬に乗りたがるのは人間の紛れもない本性でございます。

この夏の衆院選挙が関ヶ原の戦いだとすれば、来夏の参院選挙は大阪冬・夏の陣となるのでしょうか。どうやら、現時点での自民党をみておりますと、滅亡の日はそう遠くなさそうです。鳩山首相の個人献金問題追求くらいでは、この勢いは止まらなさそうです。今は、「その程度の事で、民主党政権にミソをつけるとは非国民だ!」といったような風潮です。

まあ、まだ口ばっかりで何もしていないに等しい状態ですから、しばらくは静観するようにします。昨日も鳩山首相が理念先行の友愛所信表明演説をされましたが、昨日が人生最高のシーンだったかも知れませんよ〜。

先日、とある場所で開かれた盛和塾の「勝己の友の会」に初参加してまいりました。

盛和塾とは、ご存知の方も多いと思いますが、京セラの稲盛和夫氏の私塾であり、稲盛氏の人生哲学・経営哲学を学ぶ経営者の為の塾でございます。入塾資格の1番目が「30歳以上の経営者もしくはそれに準ずる方(後継者・経営幹部も含む)」となっております。

盛和塾に入塾している友人(彼はITベンチャー企業の社長)に誘われ、個人的にも稲盛和夫氏の著作はたくさん読んでおり心酔していたので、喜んで参加した次第でございます。

参加してみると、実に熱い、活気に満ちた大会で、非常に勉強になりました。

大会の内容は、我々の世界でいう、症例検討会に近いものでしょうか。

最初に発表された経営者の方は、年間売上高5億4千8百万円のお菓子屋さんです。自分が従業員時代に前身の会社が倒産してしまい、その県の銘菓を無くしたくない一心で、自らが金集めをし、経営者となって現在はグングン伸び、先日はTBS社の「がっちりマンデー」にも登場したそうです。

お話を聞いていると、波乱万丈、紆余曲折、人情話もあり、いやはや演歌を聞きたくなりました。

次に発表された経営者の方は、私より若い30台前半の代替医療オペレーション事業の経営者の方です。代替医療オペレーション事業とは、何や?と私も思いましたが、要するに、エステ店を多数経営しておられ、あと整骨院の経営ノウハウを会費制で教え、急激に売上を伸ばしておられるとのことでした。売上高は9億9千7百万円。

お話を伺っていると、若いのに、社長だけあって、凄くしっかりしておられます。30台前半ですが、それでもしっかり苦労や失敗もなされており、今後、シニアライフサポート事業でお年寄りの孤立を防ぎ、整骨院を中心とした地域コミュニティの形成に向けて、頑張ろうとされておられました。

この塾の良いところは、他のベテラン経営者の方が、若手経営者に対して、率直に「君の言ってることはわかるけど、理想論であり実際に事業にするのは困難だ!」「あなたは自分で気付いていないが、こういう長所があるのだから、そんなことより、そこを伸ばすべきだ」など、色々意見をされる所です。これは、勉強になると思います。

盛和塾全体の思想は

  • 事業の目的、意義を明確にする(公明正大で大義名分の高い目的を立てる)
  • 具体的な目標をたてる(立てた目標は常に社員と共有する)
  • 強烈な願望を心に抱く(目標達成のためには潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つ事)
  • 誰にも負けない努力をする
  • 売上を最大限に、経費は最小限に
  • 値決めは経営(値決めはトップの仕事、お客も自分も儲かるポイントは一点である)
  • 経営は強い意志で決まる(経営には岩をも穿つ強い意志が必要)
  • 燃える闘魂(経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要)
  • 勇気を持って事に当たる(卑怯なふるまいがあってはならない)
  • 常に創造的な仕事を行う
  • 思いやりの心で誠実に
  • 常に明るく前向きで、夢と希望を抱いて素直な心で経営する

以上の基本12カ条に定められております。まさに稲盛イズムそのものであり、その他にも会場には「実学」「学び」「暗黙知」など、独特の言葉が飛び交っておりました。

私の友人にしてもそうですが、やはり、生の経営者の世界は、厳しいものですね。生き馬の目を抜く世界と言いましょうか、その場に安住していては、いつかは没落しますし、かと言って、新たな事業に手を出して失敗すれば倒産というものが、すぐ現実に迫ってきます。

開業医の世界は、大変とは言っても、彼らの大変さに比べれば可愛いものだと実感しました。

また、稲盛和夫氏が民主党の後見人のようになっているのは、周知の通りですが、この盛和塾は日本全国に広がっており、多数の会社経営者が集っております。この集票力はかなりデカイと思いますねぇ。

民主党は大企業労組だけではなく、中小企業社長のカリスマである稲盛氏をも味方につけているので、強いはずです。また、私の友人にしてもそうですが、中小企業経営者は厳しいビジネスの世界で熾烈に生き抜いている分、私のようなドメスティックで郷土主義的な感慨はそれほど強くなさそうです。「中国相手に商売しているから、迷惑だから靖国参拝なんか止めてくれ!!」という意見がかつて経済界から出ましたが、本音だろうと思います。民主党のリベラル政策も全然OKっぽいですね・・・。

んで、結局私Bですが、盛和塾の熱いノリには大いに刺激を受けたものの、月1回土曜日の定例会に加え、それぞれの勉強会が随時行われ、自らの経営体験などを発表したりせねばならない・・更に合宿も年に何回か・・などなど塾の掟を聞いているうちに、すっかり入塾意欲が低下してしまいました・・。まだ、ちょっと入塾するには忙しすぎますね・・。しばらくは、年に何回かオブザーバーとして参加し、草葉の陰から、盛和塾を眺めておきます。。。