星野サンの再登板 by A

ひさびさの投稿です。いよいよ城島が阪神に来ますね。とにかく、阪神は選手の高齢化が著しく、若手もあまり育っていないので、城島は願ったりかなったりです。大きな声では言えませんが、金本選手の扱いが難しいのです。4番としては物足りない成績ですし、守備もかなり弱っています。それでも全試合出場の記録がかかっているので、誰も鈴をつけることができません。城島が代わりに4番となれば、阪神ファンも納得でしょう。

ところで、城島選手との契約の席に星野さんがひさびさに登場しました。星野さんといえば、オリンピックで4位になって以来、悪いイメージがついてしまい、コマーシャルにも出られない状態です。それでも阪神のシニアディレクター(?)に収まっており、ちゃっかりと自分の地位を確保しています。一説によれば、岡田さんがオリックスに行ったのは、星野さんに気兼ねしてとか。再来年に監督返り咲きの噂もあります。

オリンピック以後は逼塞してしまったとはいえ、あの野村楽天監督すら手を焼いたダメ虎を再生させたのは他ならぬ星野さんです。再登板となればまた盛り上がること間違いありません。誰が見ても現監督よりインパクトが高いでしょうし、金本に意見できるのは星野さん以外には無理でしょうね。

さて本題に入るとして、実は、先の臨眼でも話題になった新しい超音波手術器械星野号を初めて使う機会がありました。星野号は千年紀号の後継機種で、A社のサイン号のライバルとなっていることはご存知と思います。

私は千年紀号の前のモデル、特別号から使っていますので、星野号がどんなものかとても興味がありました。これらはすべて、ベンチュリータイプと云って、吸引圧をコントロールするタイプです。硝子体手術のカッターと同じ仕組みです。より一般的な、流量コントロールタイプのペリスタティックポンプを使ったサイン号や高貴号、あるいは無限号との差は良い意味でも悪い意味でも明らかです。

千年紀号や特別号の欠点は、前房の不安定にありました。核を吸おうとしてどんどん吸引圧を上げると、流量が比例して上がるので、一定の条件を超えると前房がつぶれてしまうのです。破嚢しないためには圧を下げるしかなく、結果として効率がとても悪くなってしまいます。硬い核の処理では、高貴号や無限号との差が歴然でした。

これを星野サンはどう克服したのか?ということですが、これは、最近の流行である「極小切開」がすごい追い風になったのです。まるで城島みたいです。

チップが細くなると、当然のごとく一定の圧をかけたときの流量が少なくなります。ベルヌーイの法則でしたっけ?逆に云えば、前房がつぶれる流量になるまでに、圧をすごく高くする余裕が出てきます。

具体的に云うと、吸引圧350mmHgのときの流量は25mlに過ぎません。もちろん、21ゲージの細いチップを用いたときの話です。これは、高貴号の同程度の吸引圧時の流量を大幅に下回ります。ということは、高貴号よりも前房の安定がよいはずということになります。

実際に使ってみますと、吸引圧350mmHgでは最後の核片を処理した後にチップが解放された時でも、後嚢はピクリとも動きません。明らかに、高貴号よりも前房の安定感が上であることが判りました。

ただし、圧があがるまでは水流が発生しないため、核片の食いつきは高貴号に比べてやや悪い感があります。このあたりは、使っているうちに慣れてくることとは思いますが・・・。永原式の核保持は難しいので、赤星式にまず核を分割した後に超音波をかける方法がベターとなります。

AAOの報告などを見ると、フェムトセカンドレーザーによるCCC+核処理が実現しつつあるようです。そのうち、LASIKと同じように、白内障もだれがやっても同じ(良い)結果になる時代が来るかもしれません。

超音波器械についても年々安全性が向上しているのは、患者さんにとってとても喜ばしいことです。このような進歩を担保できるような保険点数が維持されることを願って止みません。

星野さんが阪神の監督に再登板される頃、白内障手術のシーンはどう変化しているのでしょうか?