小沢氏ピンチ by B

習近平副主席来日から、いろいろな事がありましたね〜。

本日のニュースで鳩山内閣支持率が47%に下落したとのこと。勿論、私は不支持であり、今後も下落の一途を辿るであろうと予測します。現時点で47%も支持の方がおられる方に驚きを覚えますね。

橋下大阪府知事が、小沢氏の印象について尋ねられ、「すごいとしか言いようがない。とてつもない。日本を動かしている。」と強調したニュースがありました。どのような文脈でこの発言をしたのか・・これだけではわかりませんが、本当に心酔しているならば、橋下氏の人物鑑定眼を少し疑ってしまいまする。


ちょうど、小沢氏について書かれた本を読了したばかりでございまして、小沢法皇の言い分(信念)もそこはかとなく理解できます。

小沢一郎 嫌われる伝説

小沢一郎 嫌われる伝説

彼は湾岸戦争時に、自衛隊を派遣しようとして、外務省の猛烈な抵抗(外務省的には中韓に配慮)にあい、(当時の海部首相の決断力のなさも加わり)断念。最終的には、日本は大金を供出したにも関わらず、世界中から侮られるという結果になったことを、痛烈に根に持っております。

更に、小泉政権下のイラク戦争で、湾岸戦争時には猛烈に抵抗していた外務省が、今度は一転、派兵に応じたことが悔しくてたまらないわけです。

彼が、イラク戦争における自民党政権が決定した支援策について、異常なほど頑なに反対するのは、「俺の時には、猛反対したのに・・絶対許さん!!」という半分以上、私情が入り混じった感情からです。

この怨念が彼の「政治主導」のガソリンであり、官僚が政治家の決めたことと違う事を言えば、周囲がびっくりするほどの過剰な嫌悪感を示すわけです。

とはいえ、この度の、羽毛田長官に対する、ヤクザまがいの恫喝は異常でございます。小沢氏の言い分は、「天皇陛下の国事行為は内閣の助言と承認によるんだから、黙って内閣の言うことを聞いたらええやろ!!」ということです。

鳩山政権をかばい続けてきたテレビマスコミも、さすがに最近はかばいようもなさそうです。前原氏が中曽根元首相の関与を仄めかし、自民党へ責任をなすりつけようと試みましたが、全くの不発に終わりました。中曽根氏が媚中派政治家の筆頭クラスであることは周知の事実でありますが、彼は現在国会議員ですらなく、1カ月ルールを聞いて、すぐに引きさがりました。民主党の傲岸さと比べるべくもございません。

小沢氏を「保守政治家」に分類する人が多いですが、彼は全く保守的な思想の持主ではなく、むしろ日本に革命を起こそうとする革新思想の持主であることが、本を読んで、そして最近の出来事でよくわかりました。小沢氏は、勿論のこと、偉大な政治家であります。私が読んだ本は、小沢氏の幇間(タイコ持ち)ジャーナリストが書いたものなので、若干割り引いて考えねばなりませんが、彼が現代の日本政治の風雲児であることは、誰も否定できません。

ただ、彼の現在主張する「国民主権」「政治主導」「官僚政治の打破」というお題目は、実に左翼的、社会主義国家的な要素を含み過ぎております。そして、そちらの改革に手をつけるよりも先に、左翼的政策の成立を勝手にブチ上げ、国民の不興を買っております。

僕が見るに、小沢氏は革命を起こすには、「私」の概念が強すぎます。自分の信念、正しい事を貫き通すためには国益などどうでも良いと考えているようです。そこが明治維新を成し遂げた西郷、大久保などの大政治家との大きな違いです。

おそらく、今が絶頂→ここから失脚の道へ突き進むのではないでしょうか。彼は敵が多すぎます。ここまで多くては大事は成し遂げられないであろうと思われます。


現在、中国では、ポスト胡錦濤を巡って、熾烈な権力争いが繰り広げられております。本命が習近平氏で、対抗は李克強氏です。李克強氏は幼い頃、小沢家にホームステイに来ていたことは有名な事実であります。胡錦濤李克強氏は共青団系の政治家、習近平氏は太子党系の政治家。つまり小沢氏は、共青団グループと強いコネクションがあります。

今回の日本の国威を地に貶めた、胡錦濤国家主席との握手&写真大会は、小沢氏にとっては感慨無量だったことでしょう。日本にとっては恥さらしですが、彼にとっては胡錦濤氏に対する、十分な諂いになりました。

太子党系は、共青団族の小沢氏のことを余り快く思っていないはずです。あの小沢氏の諂い外交を見て、逆に危機感を覚え、何が何でも陛下との会談を実現せねばならないとあらゆる手を使ったはずです。

今回、小沢氏は例の騒動の会見で、

「さっきも言ったけど、政府の決めることですから、私が、習副主席と天皇陛下を会見させるべきだとか、させるべきでないとかというようなことを言った事実はありません。」

と述べましたが、これは事実だろうと思います。福田首相との大連立騒動(小沢氏からアクションを起こしたとマスコミが大騒ぎ)の時と同じく、反小沢勢力が小沢氏を貶めるためにマスコミを利用しているだけです。



今回、習近平氏が来日した際、彼と習近平氏との会談はキャンセルになりました。


私情を優先する小沢氏は、友人李克強氏のライバルには会いませんでした。小沢氏が、本当に日本の国益を考えて中国への傾斜を強めているならば、本命と目されている習氏と会うべきでした。西郷や大久保なら、会ってます。もし、習氏からキャンセルされていたとしたら、小沢氏にとってはもっと深刻な事態です・・。

小沢氏は、米国からは睨まれ、日本の大多数を占める保守思想の国民からも憎まれ、更に私情を優先し中国太子党からも疎まれております。

ピンチですねぇ。