白内障術後早期眼圧測定でわかること by B

高橋選手が銅メダルを獲得しましたね!一度挫折を経験してから、五輪に照準を合わせて復活した精神力は天晴れでございます。チャップリンがハマり役の織田信成選手ともども、日本男児の誉れでございます。

一方の国母選手。ああいうのを関西弁で「イチビリ」と言います。

大多数の皆さまと同じ意見になろうかと思いますが、普段はとことんイチビッて頂いても構いませんし、服装に関しても、ああいう意見が出るのを覚悟してイチビッたはずです。あのインタビューが不味かったですね〜。

かの織田信長も、若い頃は「うつけ者」と言われ、奇抜なファッションをしていたことは有名な話です。おそらく、「イチビリ」だったのでしょう。しかしながら、信長公は桶狭間で激勝しました。今回のオリンピック、国母君が金メダルを獲った暁には、「平成の信長」と称賛するつもりだったのですが、敢え無く撃沈。結局、桶狭間で勝てませんでした。

まぁとは言え、こういう選手がいると盛り上がりますね。「ちっ、うっせ〜」が流行語大賞にノミネートされるのは間違いなさそうですし、4年後、爽やか青年になってメダルを取ったりした日には、国民一同が、我が子、我が弟のように彼の精神的成長を感じ、涙することでしょう!めげずに頑張ってください。


政治の話も少し。

あれだけ、自民党の消費税論議を非難していた民主党が、あっさりと「議論を始める」と言い始めました。また、高額所得者に対する所得税率引き上げ検討も表明しました。

最高税率上げ検討=所得税改革で−菅財務相
2月19日11時52分配信 時事通信

 菅直人副総理兼財務相は19日の衆院財務金融委員会で、所得税の在り方について「日本ではこの10年間で最高税率が下がってきた。その見直しも含めて政府税制調査会で検討したい」と述べ、高額所得者に対する課税強化のため最高税率の引き上げを検討する方針を示した。共産党佐々木憲昭氏への答弁。
 所得税最高税率引き上げに対しては、鳩山由紀夫首相が共産党志位和夫委員長との会談で前向きな考えを表明。菅財務相も同委員会で「現在の所得税では(所得の)再配分機能が低下している」との問題意識を示した。1986年には70%だった所得税最高税率は段階的に引き下げられ、現在40%となっている。 

消費税を上げる事は、個人的には賛成です。しかしそれなら、自民党政権時代にそういう発言が出た時に、賛意を示していればよいのです。その時は、「無駄をなくせば、お金はジャンジャン出てくる」と嘯いていたくせに、いざ政権を取ると、手のひらをひっくり返す。男らしくないっす。

所得税率アップは、まさに民主党スピリットの根底にある、「社会主義思想」(生産手段の社会的所有・管理などによって、生産物・富などを民主的に分配し、平等な社会を実現しようとする思想・運動の総称である。社会主義は政治的には「左翼」と呼ばれ、労働組合の結成と労働条件の改善、社会保障による富の再分配、教育や医療の無償化、教会権力に対する政教分離、主要産業の国営化や計画経済による近代化、帝国主義戦争に対する反対と国際主義、などを主張する。Wikipediaより)の表出です。

過去発言との整合性が取れないところが、この政党の一番ダメな所です。党首があれですから、どうしようもないですけどね。

さて、本題ですが、当院では白内障手術直後にアイケア手持ち眼圧計(MEテクニカ)で眼圧測定をし、角膜切開創からのリークがない事を確認してから、日帰り手術の方は保護メガネをかけて帰ってもらいます。

当院は有床診療所でもありますので、遠方から来られた患者様は1泊されます。入院患者さんは、夕方に診察を兼ねて、再びアイケアで眼圧測定を行います。

術直後眼圧と、術数時間後の眼圧、さらに術翌日眼圧を比較すると、なかなか勉強になります。

しっかりとデータを取っているわけではありませんので、印象でしかないのですが、私なりの印象を述べます。

●術直後3mmHg以上ならOK、2mmHg以下ならリークあり
勿論、2mmHgでもリークがないこともありますが、たとえ前房が形成されていたとしても、フルオで染めるとリークがあることが多いです。こういうときは、再度入室してもらい縫合するか、わずかの漏れなら連続装用SCLを載せて帰宅して頂きます。術直後3mmHgで前房形成がしっかりされていれば、まず大丈夫なようです。これはアイケアの特徴なのかもしれませんが、3mmHgは良くあります。2mmHgは稀ですね。

●術直後高眼圧でも、数時間後には問題ナッシング
これは、教科書に書いている房水の産生量を見れば一目瞭然ですが、前房水250μlに対し、房水産生量は2〜6μl/分。つまり理論上、1〜2時間で前房水は新しく置き換わってしまいます。ですから、術直後少々高くても、数時間後には正常範囲に戻っていることがほとんどです。術直後30mmHg台くらいなら、そのまま帰ってもらいます。

●PE眼はほぼ確実に術数時間後には高眼圧になっている
偽落屑症候群の眼は、術直後に低眼圧で、ビスコートなどの残存がほとんどないと感じていても、ほとんどが術数時間後には30以上になっている印象です。翌日には、正常眼圧になっていることもありますが、ご存知の通り数日間高値を示し続けることもあります。術日は、角膜に浮腫がみられれば、ダイアモックスを処方しております。他にも、強度近視眼や、緑内障素因のある眼は、術数時間後に高眼圧になっている可能性が高いです。

●非緑内障眼ではビスコート大量残存でも、存外、眼圧は上昇せず
あんなネバネバしている物質なのに不思議ですが、ビスコートが少々残っていても、術直後・術後数時間・術翌日に影響は受けません。ひょっとしたら、房水が入れ替わろうとする、術1〜2時間後には上がっているのかもしれません。低分子粘弾性物質成分は、線維柱帯を、そう苦にせず通り抜けてしまうのでしょうかね?

てな感じです。全くの印象ですので、ご承知くださいませ。

角膜切開サージャンの中でも「ハイドレーションをするか否か」でたまに議論になりますが、私は断然「ハイドレーション派」であります。眼圧は少々高めでも、どうせ数時間後には是正されますので、閉瞼力が強い患者様やコンプライアンスの悪い患者様などは、ハイドレーションをキッチリ行い、むしろ30mmHg前後の眼圧で終えた方が安心です。