医学部人気 by B

民主党の予算案が可決されました。

一般会計総額が92兆2992億円、税収見込みが約37兆円に対し、新規国債発行額は過去最大の44兆3030億円という予算です。

昨年の衆院選挙時より、民主党が掲げる様々なバラマキ政治に対し、自民党の政治家達は「財源がないのにそんなことをして、借金を増やしてどうするんだ!?」と反論しておりました。

それに対し、民主党は「政官業癒着の自公政権を倒し、無駄をなくせばお金はジャンジャン出てくる!」と豪語しておりました。

その結果がこれでございます。

これまで、民主党が行ったことで唯一評価されているのが、例の仕分け作業ですが、豪語していた割には数千億円しか削減出来ませんでした。その削減した数千億円にしても、削減された国民からは不満が出ております。個人的には、防衛省に対し、「どうして軍服がこんなに高いのか?中国製の服ではダメなのか?」と仕分け人が追及していたところが印象に残っております。軍服が外国製などという事が、とんでもなくおかしいことだということにも気付かない国防意識のなさは絶望的です。

本当に無駄をなくそう、改革を起こそうと思っているならば、まずは自らが犠牲にならなければ、何をやってもうまくいきません。

大阪府橋下知事は、職員給与をカットしましたが、自身の給与も50%カットしました。稲盛和夫氏はJAL再建のために乗り込みましたが、自らの給与はいらないとおっしゃられました。手前みそで非常に恐縮ですが、小生も閑古鳥が鳴いており財政が滅茶苦茶窮乏していた当院を継承する際、自身の給与は税込み600万円に設定し、改革を施行いたしました。もちろん、勤務医時代の半分でございます。

現時点では民主党にそのような動き(国会議員の給与カット、定数カット)は見られないので、口ば〜っかりの、まやかしの革命であることは一目瞭然でございます。

しかしながら、これをボヤいても仕方ございません。民主党政権を誕生させたのは民意、すなわち我々でございます。

自民党を壊した小泉首相は、「痛みに耐えて頑張ろう!」と改革を進め、国民もそれに賛同したものの、実際に「痛み」が生じてくると、やはりそれに耐えきれなくなり、バラマキ政権を欲しました。

衆愚政治」という言葉がありますが、民意なんてものは、ええ加減なもんです。


ところで、先日、母校(高校)のOB会に出席してまいりました。母校はそこそこ有名な進学校です。その会で校長先生が「今はみんな医学部に行きたがるから、進路指導が難しい・・・」とボヤいておられました。進学校としましては、やはり「東大・京大」の合格者が欲しいようです。

とあるブログなぜ理系の秀才はみな医学部に行くのか? ―標準的ファイナンス理論からの考察― : 金融日記でこのような表が載っておりました。

952e8704.png 直

ブログ筆者のコメントを引用しますと、

理・工学系で日本の最高峰といわれる東大理1の学位取得10年後の平均年収は約880万円であり、医学部卒業生の平均年収はなんと1,600万円以上にもなるのである。
しかも、理1卒業生は会社経営者などの非常に少数の成功者が平均値を釣り上げているが、大多数は500万円〜700万円しか稼げないのである。
また、約5%が東大に行ってまでワーキングプアに身を落とすことになる。
その点、医学部卒業生は平均年収の高さもさることながら、そのバラツキの少なさは注目に値する。
悪くても1000万円ぐらいは稼げるのである。
つまり、医学部の方がリスクも少ないのである

とのことです。う〜む。さすがにこんなに差があるなら、学力があって選択の余地がある人なら誰でも医学部に行こうと思うような気がしますねぇ・・・。

しかしながら、これは当に一面的な評価であります。東大を出て大企業に勤めておられる方々は、大企業の福利厚生の素晴らしさを知らないのです。私の妻の父はかつてバリバリの企業戦士でしたが、退職後は、海外旅行に行き、ゴルフに行き、非常に悠々自適の生活です。いまだに息子と小競り合いをしているうちの親父とえらい違いです。


まぁ、優秀な人材が医師になるのは大歓迎ですので、競争率が高まるのは悪くはないと思いますが、受験生諸君には「安定」や「カネ」だけで進路を決めないほうが良いと伝えたいですね〜。

以前、A先生の「出身大学グループ別成功開業医」の非常に興味深い分析がございましたが、医師(臨床医)に求められるのは、ペーパーでの偏差値よりも、「人の話を(耐えながらでも・・)聞く能力」や「話術」、あと「咄嗟の判断力」や「精神力」であったりします。

医者という職種は他の職業の方が思っているよりも泥臭い仕事なので、親の希望や願望で「医学部」を受験するのが本当に自分の為なのか、冷静に良く考えてから受けたほうが良いと思います。