OKULIXについて by B

4月の、新患減少に加え、他眼科からの手術紹介患者様もピタっと止まってしまい、アンニュイな毎日を過ごしているBでございます。

本日のオペは3件のみ、木曜オペも本日1件キャンセルが出て、3件のみ・・・。現在、星野号デモ中で、わざわざ遠方から業者さんがオペ立ちに来てもらっているのに、こんなに手術が少なければ申し訳ないですね〜。オペ立ちの時間より、往復する時間の方が圧倒的にかかってます・・。まぁ、昨年同時期も同様でしたので、耐えしのぐしかないっす。プロ野球選手で、スランプに陥り、「このままヒットが出ないのではなかろうか?」と考える気持ちが良くわかります。連休中の田植えが済めば、お年寄りの来院も増えてくるのでは・・と淡い期待をしている今日この頃です。

星野号デモですが、本日からは、ペリスタリックポンプバージョンでのデモとなります。

早くも記憶がおぼろげですが、吸引圧を350くらい、吸引流量28cc/minくらいで始めましたが、ロータリーベーンポンプ+マイクロメッシュフィルターのベンチュリーの方が前房安定性良好です。始めたばかりなので、今後煮詰めて行けば、合った設定値になるとは思います。

本日、たったの3件ですが、1件で医原性のチン小帯断裂をやっちゃいました!!すこしネッチョリ系の核の方でしたが、分割後、中央部に吸引をかけて持ってくる際、チン氏帯ごとひっぱっちゃいました・・・。ハイドロはちゃんと出来てましたが、少し強引なオペ操作だったかも知れません。反省しております・・。

とは言え、こういう時にはCTRが非常に有効ですね。すぐにCTRを挿入し、何事もなくオペは終了いたしました。


所で、先日、TOMEY社が勝手に送ってくださる「TOMEY OPHTHALMOLOGY NEWS」をパラパラと見ておりましたら、新しいIOLパワー計算ソフトである「OKULIX」についての記事が、宮田GのO先生のスライドつきで載っておりました。

それを見ておりますと、LASIK術後眼の水晶体再建術において、これまで非常に良いと言われてきた、IOLマスター内蔵のHaigis-L式を遙かに凌ぐ好成績でございます。また、通常の白内障眼に対しても、108眼の比較で、SRK-T式の屈折誤差が-0.11±0.50Dだったのに対し(これでも凄い好成績ですが・・・)、OKULIXで計算すると何と、-0.002±0.46で、有意差が出ちゃったとのこと!ここまでドンピッシャンならば、素晴らしいですね〜。

正直、このNEWS内の記事だけでは、OKULIXが良さそうというのは伝わるのですが、どんな風にして使うのかなどがサッパリわからないので、早速、当院出入りの業者さんを通じて、T社に聞いてもらいました。

IOLマスターユーザーであるBが一番気にしていたことは、「T社の光干渉式眼軸長測定装置がないとOKULIXが使用出来ないのでは・・・?」という事です。もしそうなら、IOLマスターのリース期間が終了するまで、ジリジリと待ち続けねば使えないということになります。

全貌はまだ掴めてませんが、OKULIXとはTMS-4、TMS-5、もしくは前眼部OCT・CASIAに搭載可能なIOL計算パワーソフトだそうです。器械があれば数十万円支払えば搭載可能とのこと。眼軸長データはA-modeでもIOL-マスターでもT社のOA1000でも何でもOKとのこと。

当院はニデック、トプコンとの繋がりが深く、TOMEY製品はほとんどないのですが、こういう話なら、TMS購入のモチベーションが俄然上昇してまいります!!白内障術後の屈折度数ズレをゼロに近づけるのは眼科手術開業医の生命線でございます。3分で手術しようが、1分で手術しようが、術後、狙い度数からズレれば患者満足度はガタ落ちですからね〜。

TMS-5、CASIAならばシャインプルーフ像から得られたデータから角膜後面形状を近似出来るそうですが、TMS-4の場合、角膜後面曲率半径は測定出来ないので、角膜前面曲率半径値から推測するとのこと。しかしそれなら、SRK-T式とそれほど精度が変わらなくなる可能性がありますし、LASIK眼など角膜手術後眼では、全く意味がないと思われます。後面角膜曲率半径値の生(近似)データが、ドンピッシャンの秘訣のような気がします。

白内障術者が角膜形状、特に後面形状に注意を払う時代になってまいりました。まあしかし、時代はどんどん進んで行きますね〜。ペンタカムに、こういうソフトがつけばもっと正確な値が出るのでしょうか?興味は尽きません。