第25回JSCRS報告 by B

今回の参院選挙結果ですが、左翼リベラルの象徴的存在であった、千葉景子氏が落選致しました。現職大臣の落選という珍事が起こったわけですが、国民意識の保守回帰を肌で感じる慶事でございます。マニフェストにも書いていない「夫婦別姓」法案を、権力を握ったとたんにゴリ押しで成立させようと目論んでいたわけですから、当然の報いでしょう。

民主党の当選者一覧を見ておりましたら(http://www.dpj.or.jp/special/go_saninsen2010/)、特に比例区は労組の手厚い支持を受けた候補者のオンパレードでございます。やっぱり、この政党には真の改革は期待できませんねぇ。

しかし、組合から「この人に入れろ!」と言われて、易々と従っていれる人って結構多いのでしょうか?患者さんなどから「日本医師会民主党支持に鞍替えしましたね」と言われたりすることもありますが、少なくとも私は医師会から「医師会公認の○○に入れてくれ」などの依頼は受けておりませんし、例え依頼されても無視します。もっちろん、Bは、比例区たちあがれ日本」に投票しましたので、日医系候補者の票になっておりません。

ちなみに、日本医師会の推薦は民主党公認安藤たかお氏、支援は自民党公認西島英利氏・みんなの党公認の清水こういちろう氏でございましたが、何と全員落選!!基本的に医者、特に開業医は組織に従う事を厭う性格の方が多いはずですので、仕方ないような気もしますが、これはこれで我々も反省せねばならないのかも知れませんね。政治は「各業界からの陳情の調整の場」との一面もございますので、医者の利権を主張する政治家が本当に1人もいなくなれば、困ってしまうのは我々なのかもしれません。

とは言え、政治家が各圧力団体の代表ばかりになってしまうと、日本は餓鬼の集まりのような品のない国になってしまいます。衆議院は今まで通りで良いとして、参議院は「国家観」「外交」「軍事」を主に語らうような場にすれば、3年に一度はそういう話が選挙の争点になるので、有益だと思うのですが如何でしょうか。





さて、遅くなりましたが、先月大阪で開催されたJSCRSの簡単な報告をさせて頂きます。

既報の通り→長いデモ生活を終えて〜その四〜 by B - 眼科手術開業医の戯言、今回は不真面目な出席態度だったので、正直、語るのも憚られるわけですが・・。

・6/25金曜日

午後7時過ぎまで外来。その後大阪に向かう。ホテルにチェックイン後、大学同期の友人、先輩Drと飲みに出かけました。最後、ラーメンと卵がけご飯を食べて、ホテルに帰ったのは午前二時過ぎでした・・。

・6/26土曜日

朝9時には会場でバリバリ勉強している予定でしたが、目覚めたら午前10時過ぎ。会場についてランチョンセミナーから聞き始めました。ランチョンはわかもと製薬主催の「再考 白内障術後管理」、正直全く期待せず、弁当だけを目的に入ったのですが、勉強になりました。要するに「ステロイド点眼は白内障術後はもう必要ないんじゃないか?」という話です。ECCE時代と比べて、手術はメチャクチャ進歩しているのに、術後点眼はほぼ変わっていないとのこと。演者の先生の研究では、白内障手術はもとより、硝子体手術でも、黄斑上膜や黄斑円孔くらいなら、「抗生剤+ジクロード」点眼のみで十分イケルとのこと。ただ、糖尿病網膜症、網膜剥離などはやっぱりステロイドが必要とのことでした。当院で採用している「リンデロン点眼」は刺激感も強く、患者さんにも不評なので、当院も白内障術後のステロイド点眼は辞める方向で考えていきます。そういえば開業前に福山のM先生のクリニックに見学に行った際、既にステロイド点眼は処方しておられませんでした。

その後、黒坂先生の特別講演。黒坂先生らしく、白内障手術を理詰めで追求されておられます。サイドポートからの水の漏れによって、眼内に乱流が起こり、核のfollowability低下につながるというのは、なかなか勉強になりました。そう考えれば、核分割をサイドポートなしで出来るプレチョップ法の方がfollowabilityの面では理に適っているような気がしてまいりましたし、フェイコチョップ法でも、まず核片を4〜8分割にしてしまってから、チョッパーを抜き、USハンドピースのみの一手法で核処理をした方が良いのかも知れませんね。

特別講演後、部屋を出ると、勤務医時代に教えていた前期研修医(当時)とバッタリ遭遇し、長時間話しこんでしまいました。

夕方はトーリックIOLの演題を聞きました。当院も導入しておりますが、トプコンの波面センサーはトーリックIOLの術後経過観察の必須アイテムになってきておりますね。角膜乱視・眼球全体乱視・中間(水晶体由来)乱視成分をそれぞれわけて表示してくれるので、乱視矯正効果を見るには持って来いのアイテムです。最も乱視矯正効果の弱いT3は使いづらいと言っておられる先生が多かったです。T3を使用するレベルの角膜乱視ですと、1D前後の乱視をゼロに近づけるという使い方になりますが、正直、これはトーリックIOLの実力を超えた使い方です。やはり、1.5D、いや、2D以上の角膜乱視を「減らす」というコンセプトで使用した方が良いと考えております。

その後、会場を後にし、後輩Dr、仲の良い業者さんと共に、新世界で串カツ、ホルモンを食べ、ミナミに移動しました。ホテル着は午前3時前でした・・。因みに、代金はほぼBが支払っておりますので、黒い関係ではございません!!

・6/27日曜日

フラフラでしたが、9時からの術後眼内炎のシンポジウムは、途中からですが何とか参加出来ました。しかし、内容はあまり覚えておりませぬ・・・。その後、器械展示場に行って、雑談をしまくって、マイホームに帰ったわけでございます・・。

と言う事で、我ながら、反省しております。次回、臨眼に参加する予定ですが、今度こそ勉強しまくって帰る所存でございます。