どうやら革命を起こしつつあるフェムトセカンドレーザー by B

先日、京都で開催された「レーシック関西」という勉強会に顔をだしてまいりました。

前日の金曜日に夜中3時頃まで飲みに行っておりましたので、土曜日午前診終了後、少しだけ仮眠をとってから会場に向かいました。半分寝ぼけまなこで聞いていたわけですが、まさに最先端の屈折矯正手術のオンパレードで勉強になりました。

しかし、屈折矯正サージャンの先生方は、所謂保険診療のみで飯を食べている保守的な先生に比べて、精神構造が違う様な気がしますね。勿論、いい意味でですよ!

即ち、新たな医療技術に対する、あのアグレッシブさは凄いと思います。保険診療にドップリと浸かっておりますと、「高いお金を払ってもらっているのに、新たな試みをして失敗したら、洒落にならない。」という自己保身(?)ばかりが先に来ますが、最先端屈折矯正サージャンらの先生方は、それらの不安を意に介さないのか、本当に積極的でございます。

私が会場に着いた時は「アキュフォーカスリング」→老眼治療|老眼の治療方法(モノビジョンレーシック・多焦点眼内レンズ)|レーシックのみなとみらいアイクリニックの発表でございました。発表者は横浜のA先生です。慶応のご機嫌教授先生のグループのようでございます。詳しくはwebページもご参照頂きたいのですが、なんとピンホール効果によって老視矯正を目論見、非優位眼の角膜実質内にピンホール状のソフトコンタクトみたいなもの(アキュビューのディファインみたいなやつ)を埋め込むとのこと・・・。個人的には、そんなのを角膜実質内に埋め込まれるくらいならば、近見時に眼鏡を装用するのは厭いませんがねぇ・・。結果はたいして好結果ではなかったですが、ピンホール効果は遠見の視力も良好にするため、正視狙いではなく、-1D狙いくらいでアキュフォーカスを仕込んだ方が、良好になるようです。

その後、円錐角膜に対するICRS(イントラ角膜リング)や角膜移植のお話も聞きましたが、いずれにせよ、フェムトセカンドレーザーによって、器械任せで正確に角膜に穴を掘ったり、ジグザグに切開をしたりすることが可能になったため、かなり手術操作が簡便になり、今まで欧米の先生方が「こういうことをすれば治すことが出来るのに・・」と空想していた手技がどんどん実行出来るようになってきております。角膜移植でホストとドナー角膜をキレイにはめこめるようにジグザグに切開し、上手くはめこんだ後縫合するなどは、確かにマニュアルで人間の手でやるのは不可能です。フェムトセカンドレーザーならではですね。そうすると医原性乱視が減って、従来では考えられないようなキレイな術後所見が得られるそうです。

我々のブログでも話題になったフェムトセカンドレーザーを使用した「レーザーフェイコ」もびっせん先生が紹介しておられました。欧米では1例に30分以上かけながら、臨床試験が繰り返されているとのこと。いやはや、現状に満足しない、あのアグレッシブさはアジア農耕民族の想像を超えておりまする・・。少なくともCCC、角膜切開創、角膜サイドポートまではレーザーで行うという時代は近い将来くるやも知れませんね。

既に、「フェムトセカンドレーザーで作成した角膜切開創とマニュアルで作成したものでは、フェムトセカンドレーザーで作った創の方がハイドレーションほとんどなしでイケル!!」という論文まで作成されておられました。確かにレーザーを使うと、トンネルの長さや自己閉鎖しやすいように蝶番状のキレイな創を作成することは自在でございます。

正直、レーシックのフラップ作成の為だけにフェムトセカンドレーザーを使用するというのは、コスト対効果の面で大損ですが、他の最先端医療と絡ませて使用するという意味で、今後必要なアイテムになって来そうな感じであります。AMOは既にフェムトセカンドレーザーを有しておりますが、アルコンもフェムトセカンドレーザーの会社を買収するとのことです。

いやはや、時代は進んでおりますね〜。