最近の白内障手術 by B

小沢一郎氏が強制起訴となりましたね。小沢氏は側近議員に「これは権力闘争だぞ。」と涙ながらに語ったそうですが、正直、極左(仙石氏)と左(小沢氏)の権力闘争には興味が湧きませんね〜。常識的に考えれば、小沢氏は議員辞職でしょうが、例の如く、民主党内ではそのことに触れる議員は僅かしかいません。「他人に厳しく身内に甘い」という謗りは免れようもありませんね。この内輪もめで民主党が瓦解してしまうことを願っております。

ここ最近、めっきり秋らしくなってまいりましたが、気温の寒暖差に身体がついて行かず、思いっきり風邪をひいてしまいました・・・。

開業してから、何が辛いかと言いますと、「体調不良時の診療、及び手術」ほど辛いことはございません・・。

何もしていなくても、鼻汁が落下し、表面張力でなんとか唇への落下を食い止めている状態で、お話をする辛さと言ったら、他に例えようもないですねぇ。

勤務医時代も勿論辛かったですが、「いざと言う時には誰かに代わってもらえる」と、医者が一人ではない安心感がありました。

開業すると、手術を他の先生に任せるわけにもいかないので、精神力で何とか乗り切るという事になります。これがまた最近、白内障手術のシーズン到来で、結構たくさん入ってるんです・・。明後日の手術は13件です。何とか体調を整えて臨む所存でございます。

私など、まだ開業後高々数年で症例数もそれほど多くないので、大した事ないですが、A先生を始め、眼科手術開業ボリュームサージャンの先生方には本当に頭が下がります。週ウン十件の手術を10年以上休まず続けておられるのは、口で言うほど簡単な事ではないですね〜。

さて、サイン号導入後数カ月が経ち、設定や術式も安定して来ました。ここらで最近、Bがやっている手術について述べてみます。

・術前点眼
ベガモックス3/日 3日間・・・現在ベガモックスが最強の抗生剤であることを信じて使っております。

・手術日消毒
イソジン綿球で2回。1回目で術眼周囲及び鼻の正中線あたりまでイソジン塗布し、2回目は睫毛あたりをゴシゴシと意識的に強くこすっております。その後、濡れガーゼでイソジンを拭った後、乾いたガーゼで湿り気を取るようにしてます。で、ドレープ&テガタームです。テガタームは睫毛をキッチリと巻き込むように注意を払います。

・洗眼
以前は、ドレープをかける前に洗眼していたのですが、少しでも効率性を高めるために、最近はドレープをし、開瞼器をかけた後に洗眼してます。ドレープの水受けで水を受けるので、外回りナースの負担を減らせます。ただ、以前は自分(術者)の指で睫毛根部などをゴシゴシこすって、その後手袋を交換しておりましたが、現在の方法だと擦らない分、dischargeが残っていたりすることもままあります。と言う訳で、この1週間ほど前からは、単に水を流すだけではなく、50ccシリンジに水をとって、ビューっと水圧をかけるようにして洗眼しております。まぁ、気分の問題かもしれませんが・・。因みに、洗眼時の水はオゾン水を使用しております。その後、4%眼科用キシロカインで点眼麻酔します。

・角膜切開創
紆余曲折の挙句、現在はマニーの2.4mm(平面)スリットナイフを使用しております。2.4mm弧状ブレードもしばらく使い続けましたが、全く問題なく終えたと思った症例でも、翌日稀に、ごく僅かなリークを認めることがあったので、結局平面切開に戻しました。原因は、IOL挿入時に創に負荷がかかり、創の両端が僅かに断裂していることがあるのでは??と推測しております。2.4mm弧状ではなく、2.6mm弧状くらいなら問題ないような気もします。創作成時は、気持ち、ナイフを上に持ち上げ(角膜面と平行気味)、少しでもトンネルが長くなるように心掛けております。

・サイドポート
角膜創から大体、90°の位置にマニーの15°ストレートナイフを使って作成しております。当初は20ゲージVランスを使っておりましたが、コストが安いので変えました。全く問題ないっす。

・前房内麻酔
サイドポート作成後すぐに、静注用キシロカインを薄めて作成した前房内麻酔を行います。たま〜に痛がる方もおられます。角膜内皮面への影響はないようです。因みに、Bは、トリパンブルー染色の際も、粘弾性物質置換前に行います。

・粘弾性物質による前房置換
現在はディスコビスクを使用しております。ビスコート時代に比べ、核のへばりつきがなくなった分、手術がやりやすいような気がします。たまにハイドロ時に脱出しておりますので、内皮保護効果はやはりビスコートの方が上だろうと思います。

・CCC
相も変わらず、稲村セッシです。角膜切開創から挿入します。

・フェイコ
以前もブログで述べましたがサイン号 その後 by B - 眼科手術開業医の戯言

1.ペリスタ:1st&2ndチョップ、最初の4分割片を処理後、残りの4分の3を1/6片か1/8片ずつくらいに分割

2.ベンチュリー:(なるべくチョッパーを使わずに)中央付近でフットスイッチを踏み込んで寄ってくる核片を処理

てな感じでやっております。少々柔らかめの核なら、分割が甘くても、ベンチュリーパワーでどんどん処理してくれます。当初、ベンチュリーの設定にも白星パルスを入れておりましたが、最近は逆に昔ながらのパルスシステム。即ち、一定時間でon-offが繰り返されるだけの単純なやつにしております。ペリスタとは違い、勝手に吸い込まれて行きますので、変に小刻みにするよりは単純にした方がより効率が良いような感じがします。

因みに、硬い核では、ペリスタのみを使用しております。ベンチュリーではどうしても吸引圧が高く設定出来ないため、少しずつ割りながら食べていく際には、ペリスタのみの方がやりやすい印象です。

・IA
普通です。曲がりが好きなので、曲のチップを使用しております。なるべく創の手前から吸引するようにしてるつもりです。

・IOL
通常の症例はA社IQか、H社iMicsを使用しております。最近漸く、iMicsをワンアクションで挿入するコツを掴み、楽しんで挿入しております。他に、球面IOLはH社BBR、スーパー強度近視眼でマイナスレンズが必要な時はK社アバンシーを使用します。

・創閉鎖
基本的にハイドレーションします。やや眼圧を高めにして終了します。術直後眼圧が3〜30台くらいまでなら、まず問題ないと考えております。

・洗浄
仕上げにオゾン水を術野にザーッとかけて終了します。

あと、北里大グループのマネをして、眼内灌流液内にチエナムを薄めたものを入れております。

最近はこんな感じでございます。また何か変更点があれば報告致します。