エリプスFXハンドピース by B

いやはや、早いものでもう12月!!今年も残す所、1カ月をきってしまいました。

昨年、家を建てる準備もあって、当家のお抱え占い師、数人に占ってもらった所、異口同音に「来年から運気の下降が始まるから、なるべく早く土地を購入し工事に取り掛かるべし」との託宣が出ました。

と言う訳で、「今年からオイラの運気は下がるんだ・・」としょぼくれておりましたが、今のところ、手術件数も前年より増えましたし、さして予想していた程の運気の低下は感じませんでしたねぇ。とは言え、まだ終わったわけではないので、残り1カ月気を引き締めて行きます!!

因みに、昨年、別の占い師に「来年は浮気の年です!!」と言われ、「そんなことはないっすよ」と苦笑しつつも、そこはかとなく期待はしておりましたが、何事もなく1年が過ぎ去りそうです・・。


本題に入ります。サイン号はすっかり馴染み、最近はあまりストレスを感じることなく手術を施行しております。今回、サイン号のエリプスFXハンドピースを使用し、購入致しましたので報告致します。

簡単にエリプスの概要を説明いたしますと、縦方向と横方向が連動して動くフェイコでございます。三次元的な動きとなりますので、通常の縦振動のみに比べて、1カットあたりの核を切り取る体積が増します。また、三次元的な動きとなることによって、チップの振動の際のチップ周囲の気圧の変化によって起こるキャビテーション(気泡)がたくさん発生致します。この道の大家である福山のM先生の説明によりますと、「キャビテーションエナジーが核の粉砕に寄与しているかは現時点では不明だが、気泡がはじける時に核を寄せている(follow abilityアップ)効果はある」とのことです。結果的に、より効率の良いオペが出来るっちゅう訳でございます。

それでは早速、本日オペ分から、核処理のノーカット動画を供覧致します。

散瞳良好で柔らかい核ならば、従来の縦振動でも非常に効率よくオペが出来るのはご存知の通りでございますから、敢えて、そこそこ硬い核で散瞳もイマイチ(DM患者さんです)な症例をアップ致しました。

http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=3259237

切開創は2.4mmで、超音波チップは21Gを使用しております。話は脇道にそれますが、22Gのチップを使用して1.8mm切開からベンチュリーポンプのみのフェイコも試してみました。バキュームをベンチュリーで300mmHgの設定でしたが、前房安定性も良好で、非常に可能性は感じました。ただ、当然ながら細い分、核破砕の効率は落ち、IOL(H社iMics)をグリグリと無理クリ挿入致しますので、現時点では、真に快適な術式とは言えないのではないかと感じました。

この症例ですが、私の稚拙なテクニック(フットペダルの踏み込みが甘い)のせいで若干のchatterが発生しておりますが、一度捉えた核片をそれほど飛び散らせることなく平らげていると思いますが如何でしょう?

三好チョッパーを抜くまでがペリスタ(吸引圧350mmHg)、抜いてからはベンチュリー(同140mmHg)です。

エリプスFXを導入してから、硬い核でのペリスタリックポンプ時の核破砕効率が非常にアップしたような気がしておりますので、ベンチュリーは最後の1/4、及びエピヌクレアス吸引の際に使用する感じです。因みに柔らかい核では、割ってからはベンチュリーにした方が効率が良いと感じております。

硬い核の場合、どうしてもチップが核で閉塞してしまう状況が増えますので、高吸引圧に設定出来ないベンチュリーでは、その際に手際よくチップの向きを変えたりして空間を作らないと効率が落ちます。この場合は逆に、ペリスタのホールド力が、キャビテーションによるfollow abilityの上昇と核切除体積の増加で、より生かせる結果に成っているのではと推測しております。22Gチップで硬い核をやれば、十分に吸引圧を上げれるので、ベンチュリーフェイコの方が良いかも知れません。

また、エリプスFXにしてからは、白星パルスは使っておりません。従来のロングパルスの方が明らかに効率が良いです。白星パルスは、縦振動のみの時はfollow ability上昇に有用ですが、エリプスFXではチップの動きによって既に問題は克服されているため、単なるロングパルスでの核破砕と比較すると、非常にまだるっこしくなる印象でございます。勿論、白星使用の方が、トータルUSパワーは減ずると思います。

A社男汁との比較ですが、B的にはエリプスの評価が高いです。やっぱり男汁で必要な曲がりのフェイコチップは慣れてなくて非常に使い辛かったです。エリプスならストレートでOKですので。あと、男汁でも縦振動を混ぜることが出来ますが、エリプスの縦横連動とは少し感覚が違うような気がします。言葉では上手く表現できないのがもどかしい所ですが・・。

という訳で、エリプスFXは非常に有用なハンドピースだと感じました。まだ症例数が少ないので、欠点は思い浮かびません。また気付けば報告致しまする。

最後に、あくまでも、Bの個人的感想でございます。他の先生がお使いになられれば、違った印象をお持ちになることもあると思います。ご了承くださいませ。