新規開業考 その弐 by B

いやはや、ルーピーの「方便発言」には度肝を抜かれましたね〜。曰く、沖縄県の米軍普天間飛行場の「県外移設」を断念した理由として海兵隊の抑止力を挙げたのは「方便だった」との事です。

これを機に、「方便」を辞書(ウィキペディア)で調べてみると、本来は仏教用語だったんですってね〜。本来的な意味は「衆生を教え導く巧みな手段」もしくは「真実の次元に導くための便宜上の教え」とのこと。いずれにせよ、しゃべった内容に関して「方便」を使う時は、「嘘も方便」というあまりに有名な言葉を出すまでもなく、「目的を実現させるために、真実ではないことを話す」ということになりますので、やっぱり、「方便だった」と認めたということは「嘘だった」と同義語ということになります。

まあ、ルーピーの事ですから、あまり深く考えずに、記者の意見に同調しただけでしょうが、あまりにも軽率でしたね。

その後、色々、言い訳をしておりますが、非常に苦しい言い訳であり、見苦しいとしか言いようがありません。逆に言えば、「海兵隊には抑止力がないと思っている」ということですから、従来の左翼リベラル派の主張と一致します。もう開き直って、

「沖縄に米軍がいる必要はないと思っています。県外もしくは海外移設が一番だと思ってますが、腹案なども全くなく、どこかの県が沖縄負担軽減のために、了承してくれるに決まっていると自分で思い込んでいただけでした〜。それが存外抵抗にあったので、仕方なく従来路線になってしまったのです。すんまへん。」と正直に謝って議員辞職すれば良いのです。小沢氏にも言える事ですが、これ以上、晩節を汚さない方が良いと思います。もう、十分すぎるほと汚れきっておりますが。

まぁしかし、あの程度の人間が日本のトップ(首相)になれるという事は、日本人にはよっぽど人材がないのでしょうか。逆に、金持ちで民主党の創設に関わったオーナーだからといって、あれをトップに担ぎあげた民主党議員達は切腹ものだと思いますね。身近に接していれば、どういう人間かわかりそうなものです。突き詰めて言えば、日本の国益よりも、自分のポジションの保持や出世欲の為に、向かない人を選んだということですからね。「井戸塀政治家」という言葉がありますが、ルーピーも財産を全部なげうって、国庫に納め、「子供手当の財源にする」とかしてれば、こんなに国民から総スカンを食うこともなかったと思いますよ。

では、新規開業シリーズを進めていきます。

二、建物及び設備投資について

どこかの有名ラーメンチェーンの社長さんが、テレビ番組で、「最初の設備投資は極力抑えるべし」と言っているのを聞いた事がありますが、箱(建物)や設備投資は極力、抑えられるものは抑えて行った方が良いと思います。

何を隠そう私自身もそうでしたが、開業前に有名眼科クリニックなどを見て気持ちが昂ぶり、いきなりスーパー眼科のような建物を建てることを考えた時期もありました。しかし結局、銀行マンや心ある先輩方たちに諌められ、古くさい旧診療所のマイナー改装に落ち着きました。今となっては、それで良かったと思います。

開業医人生というのは、非常に長く、40歳で開業したとしても、20数年、息の長い先生ならば30年以上あります。いきなり、最初に大借金を背負ってしまえば、後はその借金を返すためだけに、フーフー言いながら働き続けることになり兼ねません。それでそれに見合うだけのバックがあれば良いですが、右肩上がりの平成までならともかく、この先行き不透明な暗黒時代では、リスクが高いと考えます。

私自身、当初、苦しいピッチングを続けている頃(今も苦しいピッチングですが、今以上に苦しかったという意味でございます)、先輩開業医の先生に異口同音に、「取りあえず3年。3年頑張れば新たな展開が見えてくる。」と励まされていました。当時は、「何の根拠があって3年なんじゃいっ!」と拗ねた心境で聞いておりましたが、結果的には先輩方の言われた通り、3年ほどで、最新の医療機器を購入出来るような余裕が出てまいりました。

40歳でご開業される先生なら、3年ならば43歳、5年たった時点でも45歳。45歳ならまだギリギリ、最初のクリニックから移転や新築など、20年ローンを組んで箱を大きくする大勝負に出る事も出来ます。

最近は、電子カルテなどでかなり初期投資費用がかさみますが、ケチケチB理論からすれば、電子カルテなどはそもそも、大きな病院など、複数の医師がいる所で最大の効果を発揮するものであり、開業後数年で軌道に乗ってから考慮すれば良い代物であります。最初は紙で、患者さんに説明用に前眼部スリット画像を液晶モニターにでも映し出せば、よりコストを抑える事が出来ます。

三、スタッフについて

「医者がヘボでも、スタッフが優秀ならば、クリニックは栄える」と古来(?)言われておりますが、スタッフにどれだけ、別嬪さん・・もとい、接遇能力の高い人材が揃っているかは医院の浮沈を握るキーポイントでございます。スタッフの鍛え方などは、まだ開業して数年しか経っていないハナタレ小僧のBが偉そうに言える立場ではございません。一応、参考までにBのスタッフの選び方を書かせて頂きます。

1.年齢
クリニックのスタッフは、女性がメインになってくると思います。複数人の女性が毎日毎日集まっていると、当然グループなどが出来てくる可能性があります。同じような年齢の人ばかりで揃えてしまうと、上下の差も付きにくく、最悪、派閥同士の対立など、人間関係の悪化で、院長が胸を痛める可能性もなきにしもあらずです。

と言う訳で、B的には、年代の違う人をバランスよく配分するのが良いのではないかと考えております。4人雇うなら、20代4人と行きたい所ですが、40代、30代、20代とバラエティーに富んだ布陣が良いかと思います。

2.勤務形態
ケチケチB理論で行きますと、開業当初、患者さんがたくさん来るかどうかもわからない時点で、常勤スタッフを多数揃えておくのは、リスクが高いです。勿論、主力スタッフ(最低検査1人、受付1人)は常勤にすべきですが、ORTやナースなどは、非常勤で行くべきであると考えております。院長としては、高い人件費を払っているのに、医院に閑古鳥が鳴き、スタッフが手持ち無沙汰でいるときは、非常にアンニュイな気分になります。

また、現在の日本は、まだまだ働く女性には厳しい環境です。逆に、かつてはバリバリと働いていた優秀な人材が結婚して、フル勤務は無理だけど、パートなら出来るという女性も多いです。人件費の高い、ORTやナースなどの有資格者はまずはパートで働いてもらった方が、お互いのメリットになると考えます。

3.性格、クリニック勤務経験など
やっぱりご挨拶が出来る方が一番でございます。新規スタッフ全員が、無経験者というのも困りますが、経験者がかつてのやり方を振りかざしてお局のように振舞われるのも、結構鬱陶しいものでございます。素直で、院長の意見に忠実な方が良いですね〜。勿論、当院のスタッフはそんな方ばかりです(と信じております)

ブログで書いたこともありますが、占い好きのBのクリニックでは、面接者に性格アンケートを施行し、参考にしております。Bは三国志好きでもあるので、かつて、諸葛亮孔明が後に蜀を裏切ることになる猛将、魏延とはじめて会った時、「今、私が魏延の相を見る に、後脳部に叛骨が隆起しています。 これ謀反人によくある相であります」と言い、魏延を斬ろうとしました。と言う訳で、頭の後ろに叛骨がないかはチェックするようにしております。

下手したら六星占術四柱推命なども導入しちゃうかも知れません・・。

4.ルックス
ここだけの話、良い方がいいに決まっております。やはり女性は(勿論、男性も)エレガントであるべきです。Bもスタッフにはエレガントでいてくれと、たまに朝礼で訓示いたします。


我々の業界は非常に特殊であり、サービスの値段が、国によって決められてしまいます。2年ごとに2チャンネルなどでは「白内障手術の点数が下がる!!」との説が盛り上がりますが、実際に下がると、手術メインでやっているクリニックでは、数百万〜数千万円の減収となります。ある程度の余裕がないと、器械のリース代などが払えず、冗談抜きで潰れてしまう可能性もあります。特に最初の数年は自らの購買欲をグっと抑えて、安全運転を心掛けるべきであろうと思います。

こんな感じでございます。書きたい事はまだありますが、若輩者のBが偉そうに能書きを垂れるのも、だんだん恥ずかしくなってきましたので、この辺でやめておきます。



また、あくまでも偏ったBの極私的な考えですので、ご了承くださいませ。

新規開業を考えておられる先生方の、クリニックの御成功を心より祈念しております!