IOL選び by B

東日本大震災から、早くも2か月が経過致しました。

その後も、管・民主党政権のダメっぷりは喧伝され続けておりますが、管首相の「浜岡原発停止要請」によって、政権支持率は息を吹き返しつつあります。

結局のところ、管政権のダメっぷりを追及すべきである自民党自体が、これまでの政権を担っていた時代に、東電、官僚らと一体になって原発普及に勤しんで来たため、こと原発問題に関しては、あまり調子に乗って責めると、自らも傷を負う羽目になってしまいます。

今回の原発問題に関しては、原発を(米国の要請に従って?)進めてきたのが自民党政治家達ですので、民主党の唯一最大の強みである、「今回はじめて政権を担当したから、それ以前の決定は自民党のせい」という論法が最大限に発揮できる事案ですね。民主党政権(及び、左翼マスメディア)が震災被害救済よりも、原発問題を殊更表に出したがるのは、この事と無縁ではないとBは感じております。

しかしながら、これだけの被害が出てしまえば、徹底的に検証を行い、誰かが責任を負わねばなりません。

一般企業の工場が爆発を起こし、有害物質を大気中に撒き散らせば、工場長や、社長が逮捕され裁判にかけられるのは当たり前でございます。「想定外」で済まされるわけはございません。そして、工場自体が国の認める基準に則って、適正に運営されていたならば、その基準を作った人たちが悪いとも言えます。

今後、数年以上かかるでしょうが、追及すべきであります。私が東電社長だったらば、給料を全額返上の上、原子力行政の全てを洗いざらいぶちまけた上(本にして出版し、印税は補償に充てる)で、切腹しますね。

前のブログにも少し触れましたが、今回の原発関連報道において鮮明に感じさせられるのが、日本の大手マスメディアのダメっぷりです。

即ち、事実を見るよりも、政府や大企業の「公式発表」を元に報道を行うので、政府や大企業が嘘をついていた場合には、情報が混乱し、何を信じて良いかわからないという状態に陥ってしまいます。

福島原発1号機の「メルトダウン」報道は専門家が事実から考えれば、3月下旬には判明していたとのこと。→http://takedanet.com/2011/05/110516_1_4036.html

この事実を、公式発表があった後で、大騒ぎして見せても、後の祭りであります。そう成った時、そう成る前に報道せねば意味がないです。

そもそも民放には複数のチャンネルがありますが、どのニュース番組もNHKと同じ内容を報道しているだけですからね・・。正直言って、照明の明るさや、ニュースキャスターの好みで見る番組を選択しているに過ぎません。馬鹿げておりますねぇ。政府公式発表番組はNHKと、民放でもう一つくらいあれば十分でございます。

おそらく、この流れなら、ここ10数年ほどで、既存マスメディアは、新興のネットメディアやCS放送のニューメディアに取って変わられると思いますね。


さてさて、例の如く前置きが長くなりすぎましたが、本題に入らせて頂きます。

白内障手術における、人件費などを除いて、最もコストが掛かる所が「眼内レンズ(以下、IOL)代」でございます。

またIOLは、言わば一生、患者様の眼内にあり続けるわけでありますから、値段をケチって品質の悪いものを使用するわけにはいきません。

それぞれのDrによって、IOLのどこを重視して選択するかは違うと思います。

病院ではいまだに「委託形式」(使った分だけ請求が来て、補充される)が多いのかも知れませんが、通常のクリニックでは「まとめ買い方式」(まとめて大量に購入する事により、コストメリットで1枚当たりの単価を下げる事が出来る)が多いのではないかと推察いたします。勿論、Bのクリニックにおいても、乱視用や多焦点などの特殊なIOLを除いては「まとめ買い方式」をとっております。

と言う訳で、IOLをまとめ買いすると、当然、最低数カ月はそのIOLと付き合う事になるので、購入の際には、色々と考える所があるわけでございます。そして、その時期になると、今まで採用されていなかったIOLの業者さん達にとっては新規参入のチャンスとなりますので、「やあやあ我こそは!!」と採用を目論んで、激しい戦い?を繰り広げることとなります。

BのIOL選択のポイントは、少し他のDrと違うかも知れません。最重視ポイントは、

1. 角膜切開2.4mm創より挿入可能な事
でございます。その理由は、IOLによって、切開創を変更することが面倒だという事につきますが、切開創を変えるとスリットナイフも変わりますし、例えば2.75mmや3.0mmとなりますと、フェイコチップの径や、フェイコマシーンの設定などを変えねばなりません。

また、症例によって色々変更点が生じますと、ナースも混乱しますし、必然的に準備する際の不手際でミスが増えてしまうことにも繋がります。と言う訳で、まずこれが第一関門でございます。

2.インジェクター、及びカートリッジ(ストレスなく安全に挿入可能な事)

これも重要でございます。手術の終盤である、IOL挿入時に、トラブルによって破嚢なんかしてしまった日には、後悔の念で、その日の晩御飯が喉を通らなくなる事は必定でございます。

また、当院はナースがIOLをセッティングを行い、Bは挿入直前に受け取って入れるだけですので、万人がセッティングしやすいインジェクターシステムが良いです。

3.挿入時の眼内での挙動

これも安全性に繋がる事ですが、ワンピースIOLを使用している場合、常に念頭に置いてるのが、「破嚢した際、どうしよう??」ということでございます。破嚢範囲が小さい場合は、極力、嚢内にIOLを固定することを目指したいところでございます。挿入すると、静か〜に嚢内に入り、静か〜に折りたたまれていたループが開放されていく・・というのが理想でございます。


4.嚢内安定性

この辺になると、最近のアクリルワンピースIOLは、ほぼどのIOLも水準以上の基準を満たしていると思いますが、屈折度数はなるべく早期に安定する方が良いです。

5.コスト

高品質で安い方が良いに決まっております。

6.後発白内障の頻度、アッべ数、グリスニング等

ここの所は、B的にはそれほど気にしておりません。ここが、IOL選択の上位に来る先生も多いかと思いますが・・・。

後発白内障に関しては、正直、「YAGレーザーすればいいやん」という考えですし、IOLによって差があるとは言いますが、実際には手術の状況により、水晶体上皮細胞を安全性を重視して、チョット残した状態で終えることもありますので、一概にIOLのせいには出来ません。

また、根が硝子体手術者ではなく、cataract surgeonですので、正直、アッべ数には興味ないっす・・。

グリスニングに関しては、ない方が良いと勿論思っておりますが、これは、これまでの自らの経験と、A社の「視機能には影響ない」という喧伝を信じているといったところでしょうか。数十年後にIOLグリスニングによる視力障害が社会問題になった際には、A社の歴代社長には切腹してもらわねばなりませんね。

B的にはこんな順番でございます。このブログをご覧の眼科手術医の先生方で、別意見の方がおられましたら、コメントお願い致します!

次回は、各IOLのBの極私的評価をちょっと書いてみるつもりでございます。