続・IOL選び by B

自民党は「福島第一原発1号機海水注入中断問題」で、管総理の決断の誤りを指摘し、原発問題を「管総理による人災」として、国民に意識づけようと躍起になっております。

アンチ民主、アンチ左派勢力のBではありますが、正直、自民党はこの問題には長く関わるべきではないと考えております。

ほとんどの賢明な国民は、「バーサク状態だった管総理に正常な判断は出来なかった」とわかっております。

斑目委員長の発言が官邸側の公式発表と違う事が判明し、結果的には官邸サイドが自分たちに都合の良いように捏造していたことが明白になっておりますので、管首相が判断ミスを犯しただろうことは、漠然とわかります。

ただ、我々も白内障手術の際、思いもかけないピンチに陥った時に、後で冷静になれば「間違っていた!」という判断をしてしまうことはあります。

一国の総理にまで登りつめた男には、「そんな凡人のような判断ミスを犯さずに、常に正しい判断をし続けて欲しい!」というのは1億3000万国民の願望である事は否定しませんが、現在のトップにそれを求めるのは酷であることも熟知しております。

国民的には、「誰が総理になっても頼りないし、あかんわ・・・」という閉塞感が満ちておりますので、いくら自民党が躍起になって、管首相を責めたとて、

「なら、お前はどうやねん??どうせ、谷垣氏が首相でも、バーサク状態になって、判断ミスをしただろう」

と思っております。また、実現不可能な絵空事とわかっていた癖に、わかっていないふりをして嘘八百を並べ、政権を簒奪した輩達です。あっさりと「私が混乱状態で、つい海水注入を止めろ!!と言っちゃいました〜」などとカミングアウトするはずないです。

もう起こってしまった事をあれこれグチグチ言っても、過去は取り返せません。どうせ取り返せないならば、未来に向けたことを話し合った方が建設的ですし、その方が国民からの心象も良くなると思います。

さて、更新が遅くなってしまいましたが、IOL選びの続きでございます。

まず、Bの角膜切開創幅に対する考え方を説明させて頂きます。

先生方のほとんどがそうだと思いますが、基本的には「安全に手術が出来るならば切開幅は小さい方が良い」という立場に立っております。

昨年、半年近く、色々なフェイコマシーンで角膜1.8mm〜3.0mm切開まで試してみましたが、最新機種であるB社の星野号、A'社のサイン号は、角膜2.3〜2.4mm切開創でベストパフォーマンスが出せると、B的には感じました。

星野号、及びサイン号はベンチュリーポンプシステムによってフェイコが可能ですので、既に報告しました通り星野号デモ〜止揚(アウフヘーベン)したベンチュリーポンプ〜 by B - 眼科手術開業医の戯言、フェイコチップ径が小さくなれば成る程、高吸引圧でアグレッシブな手術をすることが可能になり、かつ前房安定性が増すという事になります。逆に言いますと、ベンチュリーポンプを使用して手術をするならば、フェイコチップ径が太くなればなるほど、前房安定性が低下します。

ペリスタルティックポンプシステムのみのフェイコマシーンでは、チップ径の狭小化によるメリットが「術後医原性乱視の低減」くらいしか見当たらず、「核破砕効率の悪さ」という欠点を凌駕するほどの差はないとも言えます。A社無限号の場合は、「男汁」による核破砕効率アップがありますので、角膜2.2〜2.4mmの方がメリットがあるような気がしますが。

と言う訳で、角膜2.75mmと2.4mm切開の間には、大きな術後医原性乱視の差はないのですが、「安全性」を重視すると、B的には、2.4mm切開の方がむしろ安全という結論に達してしまいます。あまり核が硬くない症例での、ベンチュリーポンプの核、エピヌクレアスの寄りの良さは、慣れてしまうと、もう「ペリスタのみだった時代」の手術には戻れないと個人的には思っております。

書きながら思ったのですが、Bの設定では、硬い核は「ペリスタのみ」でやっておりますので、硬い核ならば、むしろ、2.75〜3.00mm切開で19Gのチップを使用した方がより効率が良い様な気もしてきましたね・・。

前回のブログで書いた、Bの重視するポイントをもう一度並べますと、

1.角膜2.4mmより挿入可能であること
2.インジェクターシステムの完成度の高さ
3.挿入時の眼内の挙動の静謐さ
4.嚢内安定性
5.コスト
6.後発白内障・アッべ数・グリスニング

となります。

・因みに、Bは若干せっかちな所があり、IOLのセッティングは手術施行前(即ち、挿入の約10分前)に済ませてもらっております。「インジェクターシステムの完成度」、及び「挿入時の眼内の挙動の静謐さ」とは、挿入直前セッティングの場合とは違うことをご了承ください。

・嚢内安定性も、正直言って、差はあまり感じないので触れません。

・匿名とは言え、「コスト面」をこのブログで云々すると、いろいろと弊害も出てまいりますので、今回の極私的評価項目からは除外させて頂きます。

では、Bの極私的、(アクリルワンピース)IOL評価を発表致します!!勿論、Bが試したことのあるIOL限定ですので、ご了承ください。

H社
小切開創からの挿入しやすさでいうと、H社がダントツでございます。2.2mm以上の切開ならば、勿論カウンターをかけなくとも楽勝で挿入出来ますし、1.8mm切開で試した際はさすがにかなりきつかったですが、2.0mm切開でも十分に対応可能でございます。

インジェクターシステムに関しては、実はつい最近まで、当院介助ナースのうちの一人が、このインジェクターを苦手にしていて、不潔交換続出だったのですが、コツをつかんでからは全く問題がなくなりました。そのコツというのは、何でもないことですが、事前セッティングの際に、ネジを押し込み過ぎないことだけでございました。

(私が、トラブルの度に不愉快になっていくため、余計彼女的には萎縮し、不安だからよりネジを押し込んでしまうという悪循環に陥っていたようです・・。そうすると、細い所でIOLが固定され、反発し、IOL挿入の際にIOLが硬くなっていて、無理に力をいれて出そうとすると、光学部やループの破損が、まぁまぁの頻度で起こっていたのです)

挿入時の眼内挙動も、山折りでゆっくりとループが開きますので、良いです。ただ、破嚢時の嚢内挿入に関しては、あまり破損部位に近い所で、ループの動きがあって欲しくないので、谷折りの方が良いような気がしますね。

昔のBBR時代は後発白内障が多い印象が確かにありましたが、ワンピースアクリル開発後は、そんな悪印象はございません。グリスニングもない事はないでしょうが、そりゃA社とは比べものになりませんわね・・。

因みに、H社のプリセット(H社的にはプリロードと呼ぶそうですが)システムである「251」も、Bは非常に高評価であります。操作は簡便でナース受けも良く、一番新しい世代(第4世代?)のモノを20眼以上に使用しましたが、1件たりとも虎舞竜はありませんでした。角膜2.2mmは少ししんどいですが、2.4mmなら楽勝で挿入できます。

A社

何と言っても、ワンプッシュで挿入可能なメリットは大きいです。サイドポートからのカウンターさえ当てれば、2.4mmからは楽勝ですし、2.2mmでも、それほど問題なく挿入可能ではないでしょうか?

皆さまご存知の通り、たまに発生するロケット発射は困りますね。減点対象です。

通常に挿入した場合の嚢内挙動の静謐さは、ベリーグーじゃないでしょうか。谷折りですし、破嚢時にも安心して挿入できます。

後発白内障は、メーカーが言うほど少ないとも思いません。グリスニングは、視機能に影響がないとメーカーは言い張ってますが、大減点材料ですね。

ようやく、アメリカ本国が重い腰を上げ、「グリスニングの起こらない(?)新世代のワンピースIOLの作成に成功した」との噂を聞きました。これが本当なら、かなり弱点が減ります。

また、A社は何と言っても、マルチにトーリックと、IOLの新しい可能性に常に真っ先にチャレンジしてくれる会社でございますので、今後の一層の精進を望んでおります。なんやかんや言っても、眼科手術医とA社は切っても切れない仲でございます。

N社

N社の新しいワンピースIOLも5例程使用致しましたが、正直言って、期待以上で評価は高いです。

A社と同じく、ワンプッシュで挿入可能なのはメリットです。角膜2.4mm切開でも、カウンターを当てれば挿入は問題なく可能でした。

元々、前の「ネックスアクリ」の時から、IOL光学部の美しさ、及び後発白内障の少なさは印象に残っておりましたので、今回のレンズも土台は同じはずですので、良いと思います。

ループがやたら長いのが特徴的です。嚢内安定性を良くするためらしいのですが、ひょっとすればトーリックIOLまでを見越したデザインなのでしょうか?

挿入時の眼内挙動が、このIOLの弱点かと思います。非常にユニークですが、実際の挿入方向と垂直に(横向きに)IOLをカートリッジに装填し、押して行くうちにIOLが回転して、嚢内に挿入するのですが、眼内にはいってから、グルリと回転する感じで、粘弾性物質が少なかったり、硝子体圧が高くて粘弾性物質が脱出してしまった時などは、ループで嚢をひっかいて、破嚢などしないか、少し気になりました。敢えて、横向き装填にするのは、何か意味があるのでしょうかね??非常に気になります。

ただ、A社以上のIOL光学部の美しさ、ワンプッシュ挿入可能、そして新しいコンセプトの製品は取りあえず興味を示すBの性格上、もうしばらくN社レンズを使用することにしました。

A'社

始めに言っておきますが、決して悪いレンズではないです!!

ただ、Bの第一条件である、「角膜2.4mm切開創からの挿入のしやすさ」では、他のIOLに比べて圧倒的に後塵を拝しております。

新しいインジェクター及びカートリッジシステムでは、一応「角膜2.4mmでもいけるかも??」という触れ込みでしたが、実際に試すと、ちょっと厳しかったです。2.5mmでも厳しいです。2.65mm以上なら問題ないです。

インジェクターがネジ式なので、カウンターを当てての一気呵成の挿入が不可能なのが痛いところです。

ベンチュリー使用可能なA'社サイン号的には「より小切開創でより安全な手術」というコンセプトが感じられるのですが、IOLがそのコンセプトに着いて行っていない所が、チグハグな所ですねぇ。

挿入切開幅よりも、グリスニングやIOL光学部の美しさを重視する先生からは高評価を得られると思います。

以上のような感じです。

皆さま色々異論があるかと思いますが、あくまでも、Bの印象のみで書いておりますので、ご了承くださいませ〜。