頂間距離補正計算式を用いた、白内障術後屈折度数ズレに対する眼内レンズpiggy bag法による矯正方法 by B

本日は書きたい事がてんこ盛りでございまして、どこから手をつけてよいかわからないくらいでございます。

いつも長々と書き連ねてしまいますので、なるべく手短に論じて行きたいと思います。まず、ブログ題名自体が長いですが・・・。

まずは、話題沸騰の「島田紳助引退問題」でございます。

そもそも、芸能人とヤクザとの関係は、お相撲さんとヤクザとの関係と同様、古来からのものであり、今さら取り立てて言うほどの事ではございません。美空ひばりの後見人が山口組三代目組長田岡一雄氏であったことは公然のことでしたし、単にメールのやり取りだけで引退するというのも、腑に落ちませんね。

ヤクザの力を借りて、違法行為スレスレの何だか悪い事をしており、それが発覚するのを防ぐために表舞台から身をひいたのではと邪推をしてしまうのも仕方がありません。

それにしても、最近のヤクザに対する取り締まりというのは、凄まじいものがありますね。ヤクザの肩を持つわけではありませんが、「組事務所の改装工事を請け負ってもダメ」とか、「ヤクザにお弁当を届けてもダメ」とか聞くと、何が何でもやり過ぎのような気がしますね。

この複雑に入り組んだ現代社会において(探偵ナイトスクープの出だしのようですね・・)、必ずドロップアウトする人も出てまいりますし、そういう人たち(一般社会では生活出来ない人)の受け皿としてヤクザ組織があるという側面もございます。この受け皿を壊してしまえば、それらの人達は地下に潜入してマフィアとならざるを得ないので、余計にたちが悪いような気もしますが・・・。

現に暴対法施行後、ヤクザの活動がより巧妙になり、一般人の悪い人との見分けがつかないように一般企業を装った手口が横行しているとも聞きます。明らかに副作用ですね。

ある程度、その辺の規制はおおらかにして、「指定暴力団員の髪型はパンチパーマーに限る」などの法律を付け加えて頂いた方が、こちらは見分けやすく、逆に被害も最小限に食い止められるのではないでしょうか??

そもそも、ヤクザの人権って、憲法で保障されないのでしょうかね??

売春禁止法が存在しても、人間がこの世を支配する限り「売春」がなくなることはないと断言出来ますが、世の中には何でも「本音と建前」、「清と濁」があり、そこを上手にコントロールするようにしていかないと、副作用の方が目立ってくると個人的には思います。人間はそこまで高邁な生物じゃないですからねぇ。

次は、民主党代表選についてです。

前原誠司氏が、代表選の出馬を決意しましたが、本当に彼はセンスがない人間だと思います。彼が総理大臣になったら、外国人献金問題で火達磨になり、また政治的停滞を招く事は必定であります。

本日、日本の政治をとことんひっかきまわす小沢氏が、前原氏を支持しない事を明らかにし、意のままに動くと考えられる海江田万里氏を支持する事を決めたとのことです。確か、海江田氏はルーピーグループですから、一気に海江田氏の総裁就任が現実味を帯びて来ましたね。

彼が所属している議員連盟

民主党娯楽産業健全育成研究会
日中友好議員連盟
日朝友好議員連盟
恒久平和議連

でございますから、どのように好意的に解釈をしても、日本人の国益よりも外国人の利益を優先するような売国政治家の匂いがプンプンと漂ってまいります。まぁ、民主党議員のほとんどが、同タイプでありますが・・。

今回の選挙の争点は「マニフェストの修正」か「マニフェスト遵守」かに絞られそうですね。後者を優先すれば、野党との関係が悪化し、国会運営は行き詰りますし、前者を優先すれば民主党は分裂しかねません。民主党は将棋で言う「詰み」の体制に近づいております。しつこいですが、早く分裂し、政界再編をしてもらいたいですね。

ようやく、本題に入らせて頂きます。

当院でIOLマスターを購入していなかった平成19年に両眼白内障手術を行い、片眼はビシッと裸眼1.2ですが、もう片眼が遠視方向にズレてしまい、視力が0.3×IOL(1.2×S+1.75)となってしまった患者様がおられました。

メガネをかけると勿論見えるのですが、お裁縫が趣味で、両眼の左右差が嫌でたまらないとボヤキたおしておられましたので、今回、piggy bag法によって屈折矯正を試みましたので報告致します。

前にA先生とお食事に行った際に、「マルチ患者さんで遠視度数ズレを起こした場合、サルカスにクリアーIOLを挿入して矯正することもある」と仰っておられたので、いつかBも機会があればトライしてみようと考えておりました。

この患者さんは、マルチIOLの方ではないのですが、既にYAGレーザーによる後嚢切開術が施行済みですので、IOLを交換する選択肢はなく、また「裸眼で1.2見えるようにしてくれ」という要望ではなく、「お裁縫が楽に出来ればよい」という希望でしたので、遠視LASIKを施行するよりも、piggy bag法が良いと判断致しました。

1.75の遠視なので、+2のIOLを挿入して遠視が残存してもイヤですし、+2.5の度数を入れようと手術が近づくまでは漠然と考えておりました。IOLはH社に事前に注文すればクリアーのBBRを0.5ステップで作ってくれるという噂を聞いておりましたので、そのつもりでおりました。

所が、実際にH社の方に聞いて見ると、「現在は極ローパワーのBBRの注文は受けておらず、その場合は60BBで度数は1.0ステップになる」とのこと。

IOL種類はどうでも良いのですが、選択肢が+2.0か+3.0の二者択一になりますので、Bは非常に悩みぬいたわけでございます。

前述のように、+2.0を挿入し、遠視が残った場合、「少しは見やすくなったが、あまり変わらない・・・、相変わらず疲れる・・」と言われる事は必定です。また+3.0を挿入し、存外近視よりになった日には、「遠くが全然見えない」との不満も出かねませぬ。

悩みぬき、最後は阿弥陀くじで決めようかとも思いましたが、ふと、眼鏡度数をコンタクトレンズ度数に換算する時に使用する「頂間距離補正の計算式」の事を思い出し、これを使えば、ある程度の根拠を持って、使用IOL度数を決定できると考えたわけでございます。要するに後で後悔したくなかったので、根拠が欲しかったのです!!

この式は、

CL度数=眼鏡度数÷(1-頂点間距離[m]×眼鏡度数)

となっております。角膜頂点と眼鏡面の距離は1.2cmとなっておりますので、実際に計算する時は頂点間距離の所に0.012を代入して計算致します。

例えば、メガネ度数が-6Dの方が、コンタクトにする場合、

CL度数=-6÷{1-0.012×(-6)}=-6÷(1+0.072)=-5.597014・・≒-5.50

となるわけです。

と言う訳で、矯正視力が(1.2×S+1.75)ですから、セーフティーマージンを残して、眼鏡面で+2DをCL(角膜頂点)面では何Dになるかを計算致しました。

角膜頂点度数=2÷(1-0.012×2)≒2.04

次に、IOLはサルカスに挿入しますので、角膜頂点からpiggy bag後のIOL中心までの距離を前房深度とほぼ同じであると仮定し、同様の計算を行いました。前房深度はIOLマスターで測定した値で3.93mmでした。偽水晶体眼ですから通常よりは深くなっております。

piggy bag IOL度数=2.04÷(1-0.00393×2.04)≒2.21

と言う訳で、さんざん悩みぬいておりましたが、この結果を得て、「+2.0のIOLを挿入すれば、ちょっと足らずに遠視残存の可能性あり。+3.0Dならば、少し近視気味になるが、逆にちょうど良い塩梅」と、自信を持って手術に臨むことが出来たという訳でございます。

まぁ、屈折に精通されている先生方ならば、当然のことをウダウダと述べているに過ぎないかもしれませんが、漠然と予想している事を数値で表せれば、心理的には強気になれます!!

で、術翌日の結果ですが、

0.7×piggy bag IOL(1.2×C-1.00D Ax130)

でした。レフ上では、S-1.00D C-1.00Dと出ておりました。3.0mm角膜切開をしているので、乱視がやや多いですが、もうしばらく経てば、-1D程度のええ塩梅の近視に落ち着くのではと期待しております!

患者様にはお陰さまでご満足いただけました!

A先生、有難うございました!!正直、私世代の医師は、屈折矯正となるとすぐにLASIKに頭が飛んでしまい、IOL挿入後眼をpiggy bag法によって、矯正するという発想は、先生から聞かねば、到底思いつきません!!


本日も長くなってしまい、申し訳ございません!!OKULIXネタは次回に書かせて頂きます。