屈折矯正について by B

なんだかご無沙汰しております。皆様、この連休中は如何お過ごしでしょうか。

Bは昨年同様、家族でグアム島に行ってまいり、昨日帰国いたしました。GWまっただ中での家族旅行ですので、コストもかなりかかりましたが、職業柄、このような時期にしかまとまった休みがとれないため、仕方ないですね。

子供たちが小さいうちは、家族旅行に行くと余計に疲れがたまりましたが、今は一番上が小学5年生、一番下が5歳(幼稚園年中組)と、ゲーム(任天堂DS)を与えていると、静かになる年頃ですので、そこそこのんびり出来ました〜。ただ、日本に帰ると気温差がかなりあり、今日は気怠いです・・・。

旅行中、基本的にはホテルのプールサイドで寝そべっておりました。お客さんを観察しておりますと、8割が日本人、1割が韓国人、残り1割が欧米人(タトゥー入りで筋肉ムキムキのおそらく米国軍人含む)でした。たまたまかもしれませんが、中国人は目にしませんでした。

プールサイドと言えば読書ですが、今回印象的だったのが、欧米の方は全員、ipadAmazon kindleを用いて電子書籍を読んでました。日本人は相変わらず紀伊国屋などのブックカバーのついた文庫本、韓国人は英字雑誌を読んでおられました。(ちなみに、ホテルの部屋のBGMも、かつてはCD&CDプレーヤーが置いてあったりしたものですが、今回宿泊した部屋はipodiphoneを差し込んで、ダウンロードした音楽を楽しむ、ipod dockになっておりました。Bも、ipadiphoneipod、全て持っておりますが、さして使いこなしているわけでもなく、特にipadでは、ゲームばかりやっております・・・。)

電子書籍は日本では存外普及しておりませんが、近いうちにライフスタイルに入って来るのでしょうかね〜。現在もipadを持っているので、電子書籍を読んでも良いわけですが、全く興味をそそられません。品数が揃って来たり、絶版の名作などが電子書籍のみで復活したりしれば、購買意欲がそそられるかも知れません。

もう一つ、興味深かったのが、日本人男性及び欧米人男性は、どちらかと言うと日焼けを好む傾向があり、日焼け好きの男性は必死こいて汗をダラダラかきながら、身体を焼いているわけですが(Bもそのクチです。今、ヒリヒリしてます)、韓国人男性は、日本人女性張りの完全フル防備(つば広帽子&サングラス&長袖&日焼け止め)で日焼け防御に熱心でした。中国人は、「肌が黒い=日焼け=労働者=所得が低い」と感じる文化があると聞いたことがありますが、韓国もその影響で、エリート層は日焼けをしたがらないのでしょうか。そういえば、韓国の俳優など、明らかに化粧をし、白い顔でテレビに出てきますね。日本で流行っているガングロばっかりのエグザイルなんか、韓国人の間では、どのように評価されているのでしょうかね〜。

さて、今回は「屈折矯正について」という漠然としたお題をつけてしまいましたが、要するにLASIKと眼科手術医との関係についてでございます。

現在、世に出ている屈折矯正方法(道具)としては、

1.眼鏡
2.コンタクトレンズ

この2つが古典的であり、メジャーではあります。そしてこの2つに関しては、最近あいまいにはなってまいりましたが、一応、眼科医が関与する方が良いとなっております。

そして3つめは、道具ではなく手術ですが、

3.LASIK

となります。この3つが3大屈折矯正法ということに関してはコンセンサスが得られると考えます。50歳代以上の屈折矯正という話になれば、当然「水晶体再建術」がLASIKを押しのけて3番目に来ることに異論はないと思います。

Bの発想の根本に、「屈折矯正は眼科医の仕事」との考えがあるため、「LASIK=美容外科」となっている日本の現状に何だか納得できないわけでございます。

当初、眼科専門医からの攻めどころとしては、「非眼科専門医が目の手術をするとはけしからん!!信頼出来ぬぞ!」と言う点でしたが、ここ数年は美容外科グループに眼科専門医が就職し、眼科専門医が執刀している為、この類いの非難は的外れとなりました。

しかし、何だか納得いかないわけでございます。

先日、M先生とその話になった時に、M先生は、

「眼科手術医にとって、LASIK白内障手術と同じく治療の一環であり、成功率は100%に限りなく近くないとストレスがたまる。100人中99人満足してもらっても、1人不満例が出れば、それをクヨクヨ悩んでしまうのが保険診療眼科手術医だ。一方、美容外科グループは、LASIKを美容の一種(メガネ・コンタクトを外せるようになる)と捉えており、美容外科医に言わせると『あんなに、満足度の高い美容外科手術はない!』となるわけだ。彼らは美容を扱っている為、100人に1人、不満例が出てもそれは当然。不満なら訴えてもらって結構と、それも織り込み済みでビジネスモデルを作っているんだよ。地域医療貢献の一つとして、利益度外視でやるなら別だし立派だが、基本的にはcataract surgeonには向いてない領域だと思う」

という意味のことをおっしゃられました。なるほど。

結局、一番のネックは、LASIKの設備投資費及び維持費が高額で、損益分岐点を超えようと思えば患者数を集めねばならず、患者数を集めようと思えば莫大な広告宣伝費がかかる・・こうなると、地域密着小企業にしかすぎない、ほとんどの眼科手術開業医には手が出せないわけですねぇ。

また、1人で診療及び手術を行う眼科手術開業医が多いのが日本の特色ですが、白内障手術をたくさんやれば、それで十分に忙しいのに、LASIK患者さんを集めて執刀し、術後経過も1人で診ておりますと、確実に早死にすると思われます。

逆に言いますと、LASIKに関しては、信頼できる美容外科と提携し、患者のやり取りをした方がリスクも少なく、万一の虎舞龍時はこちらが尻を拭かなくても済むので、楽とも言えますね。

とは言え、LASIKメインの美容外科は、LASIKだけでなく、phakic IOL、多焦点IOL、角膜クロスリンキング、intra角膜リング、CK、などなど、保険適用の認可が関係ないことを良いことに、どんどんと先進的な医療を自由診療で提供しております。前にブログで書いたかと思いますが、通常の単焦点IOLを用いた水晶体再建術も50万円以上の値段で施行しております。(→自由診療クリニックのモラル by B - 眼科手術開業医の戯言

網膜や緑内障は、言うまでもなく、明らかに保険眼科医の範疇ですが、こと屈折矯正に関しては、このまま10年程度経過すると、「むしろ美容外科クリニックの方が経験も知識も豊富」と成りかねないのでは・・と危惧しております。

「馴染みの先生にやってもらいたい」「地元で手術を受けたい」という潜在的なニーズはないことはないので、新しいビジネスモデルを作成すれば、地域密着零細企業でも一石を投じることが出来るのではないかとも考えている今日この頃でございます。

本日は全くまとまりがありませんが、以上でございます〜。