電子カルテについて by B

昨日、ぷよあし先生から、以下のコメントを頂きました!

ところで当方の開業もさしせまり、手術学会の記事の時にリクエストした電子カルテについてのエントリーは間に合わなくなってしまいました(泣)。
実質2択だと思うのですが、先生はどちらを指示されるかご教示願いたいところです。

ぷよあし先生、申し訳ないです!自分で書くと言いながら、すっかり忘れてしまっておりました・・・。民主党前原誠司議員が「言うだけ番長」とあだ名されておりますが、私もまさに「言うだけ番長」でしたね・・・。申し訳ない。

私が手術学会時に、「これは良いかも」と思った電子カルテは、Beeline社のものです。→ホーム | 眼科専用の電子カルテ、医療システムの開発・販売・サポートなら株式会社ビーライン←このページの Eye Base Net Systemをご覧ください。

どこに私が反応したかと言いますと、ipad端末による操作性が(現時点では)一番良いところでございます。視力検査の際に、PC端末を横に置いておかなくても、検査員がipadを持っていれば、そこにすぐ入力できますし、ipadさえあれば、気軽に患者情報閲覧、情報入力が出来る所が魅力でございます。

正直、電子カルテに詳しいわけではありませんが、現在、ipad入力が出来るのは、他にPSC社のものがありますが、Beelineのものに比べればまだまだ遅いようです。大手のNIDEKもipad入力をやり始めているそうですが、まだまだとのことでした。

やはり、今さら買うなら、ipadなどのタブレットPCに対応したものが、さまざまな状況に対応しやすいと考えたわけでございます。また、眼科電子カルテの老舗メーカーでありながら会社は小規模で、ユーザーからの色々と細かな要望に対応してくれるというのも、ややうるさ型のBにとっては、プラスポイントでございました。

ただ、やはり既存眼科開業医にとっては、電子カルテ移行のハードルは依然高いですねぇ・・・。高すぎます。

まずもってして、これまでの膨大な紙カルテ上の患者情報を電子カルテに移すには、スキャナーで地道に取り込むしかありません。これは、大変な作業ですよ・・。

現在、本などを裁断し、スキャナー取り込みを代行してくれる業者は世の中にあふれておりますが、この医療用カルテバージョンの業者も出現しております。現在の相場はカルテ1枚あたり20円だそうです。ザックリ計算では、当院のカルテ番号再末尾で「16000」くらいですから、カルテ1冊あたり平均5枚として、

16000×5×20=160万円

となります。実際は稼働してないものもあるので、もっと安くなるでしょうが。スキャナー取り込みが必要なカルテと必要ないカルテを分けてやれば良いのですが、それを考えるのも面倒くさいです。まぁ、いざやってみると、どうと言うことはないのかもしれませんが。

他科との交通が頻繁であり、また、たくさんの医療従事者がカルテを閲覧する総合病院などでは、その苦労を超えるメリットがあるかも知れませんが、個人の開業医の場合、どう考えても、そこまでのメリットはないですからねぇ。

あと、当院はwebからの予約システムも採用しておりますが、電子カルテと、そのweb予約システムを連動させるのが大変だそうで、現時点では不可能とのことでした。web予約システム付きの電子カルテが登場すれば一番良いのですが、まだそのような製品はないようです。

新規開業は別ですよ!逆に言えば、新規開業時こそ、電子カルテを導入する最大最高のチャンスですよね。

Bの場合、まだ電子カルテ導入には及び腰で、ITを導入するにしても、まずは画像ファイリングシステムのみを導入し、紙カルテでしばらくやって行こうかなと考えております。

最後に、日本の良いところでもあり悪いところでもあるのですが、あんまり電子カルテの選択肢が多すぎてもどうかと思います。

所詮、日本国内の眼科施設(病院含め)は1万件弱。maxに売れても1万台という市場ですから、企業側も、利益を上げようとすると、どうしても販売額が高くなります。また、眼科は他科の先生が想像できないほど、画像の多い特殊な科ですからねぇ。内科系の電カルに比べて、技術的にも大変であることは容易に想像できます。

いっそのこと、眼科電子カルテ界は、1社はさすがに独占禁止法違反ですが、2社くらいで良いんじゃないですかね。そうすることによってコストを下げれます。現在は電子カルテ導入に1000万円は必要ですが、それが300〜500万円くらいまで下がると、普及率はアップし、企業も利益が得られ、新たな技術への投資に回せる好循環が生まれるような気もします。

全く参考にならなかったかと思いますが、現在、Bは電子カルテについて考えていることは、以上のようなことでございます〜。