眼科手術開業医クリニックが病院と共存するには・・・その壱 by B

いやはやご無沙汰しております。遅くなりまして申し訳ございません!ブログ更新をしようしようと思いつつ、時間がなかなか取れず、今日になってしまいました〜。

この間、色々なことがございました。まず、週刊文春誌に掲載された、小沢奥様の衝撃生手紙でございます。皆様、お読みになられましたでしょうか?

お読みになれなかった方は、以下のリンクに全文掲載されておりますので、ご一読くださいませ。

http://ichigen-san.iza.ne.jp/blog/entry/2727765/

被災地岩手県選出代議士である、小沢一郎氏が、震災の際、全く存在感がなかったのは、小生ならずとも疑問に思われた方も多数おられましたでしょうが、案の定そういうことだったのですねぇ。まぁ、ネットでは噂になっておりましたが。

しかし、この超弩級上級ネタをマスコミはほぼ黙殺しておりました。その翌週の原監督ネタでは大騒ぎでございます。何かの力が働いているとしか思えませんね。あの週刊文春70万部は完売御礼とのことですので、最低70万人は小沢の醜態を目にしました。どう小沢シンパがかばおうにもかばいきれないほどの痴態をさらけだしてしまったので、彼の政治人生もほぼ終焉と言って良いと思います。これは国益に適います。めでたしめでたし。


また、この間、東京で、Bが最も真面目に聞いている学会である、JSCRSが開催されました。これについては、また次回以降、書かせて頂きます。

一つだけ、今回書かせて頂くとすれば、毎度のことですが、東京国際フォーラムの喫煙所・・・、あれは人権侵害ではないでしょうか!?Bは愛煙家でございますが、あの喫煙所は、ホンマに寿命を確実に縮めます。毒ガス室に匹敵する悪環境と言えましょう。別に法律で禁じられているものを吸っている訳ではないのに、あそこまで極悪な環境に貶めるというのは、非喫煙者軍団のヒトラー化を想起させますねぇ。


さて、本題に入ります。前回の投稿に対するコメントで、kenken先生から、以下のような問題提起を受けました。

僕は3年前に実家を継承したのですが、実家の状態は10年前1日外来100人継承時1日20人の状態でした。当院は古くからの眼科で地域では有名なんですが、父がオペをしない、話好きで待ち時間が長い、治療が旧態依然、という事で近隣の新規オペ開業にがっさり患者さんを取られている死に体状態での苦しい継承でした。
3月で移転新規開業3年目ですが、年間cat250件ビト5件レクトミー3件程度とオペ件数が少なく、かといって増やす術がないため総合病院でバリバリ夜中までオペしていたモチベーションはすっかり無くなってしまいました。先生のようにvolume surgeonの見学等もどんどんしたかったのですが「所詮1日10件程度で月2日オペ日だし。。。」って感じです。
先生も継承されて自分の理想とのギャップに少し悩まれた時期もあったと思うのですがどのように打開されたのかもしアドバイスがありましたらご多忙のところ恐れ入りますが教えてください。
ちなみに当方のA県は開業医は激戦で月cat25件以上でかなり多い症例数となります。総合病院志向が強く「3000例以上経験の開業医より300例経験の総合病院若手医師」という流れで何度か50例経験の後輩に泣く泣く紹介した事もあります。

kenken先生!全く他人事とは思えません!Bの境遇も酷似しておりました。1日平均20人、治療は旧態依然で、経営状況は最悪でございました。

ただ、当院の場合は、親父が手術をしており、有床診療所だったところが相違点だと思います。これに関しては、「設備があるのでメリットだ」とも言えるのかも知れませんが、逆に言えば、時代に沿っているとは言えない旧態依然たるオペでの不満例も蓄積されていたわけでございますので、どちらかと言えばデメリットであると、個人的には解釈しております。

眼科クリニックをラーメン屋に例えますと、かつてそこでラーメンを食べた客が「不味い」と感じたり、ラーメン内にゴキブリが入っていた体験があったならば、看板が変わったとしても、なかなかそのラーメン屋には来てくれません。他に、ナンボでもラーメン屋がありますので・・・。

という訳で、前に「新規開業考」シリーズで書きましたが、苦しい順に、

流行ってないクリニックの継承開業>新規開業>流行っているクリニックの継承開業

というBの方程式が弾きだされる訳でございます。

さて、患者さんの「総合病院志向」ですが、確かにそういう方はおられます。その総合病院志向グループは大きく2種類に分けられると思います。

1.入院すれば安心だと信じ込んでいる層

2.大病院なら安心だと信じ込んでいる層

今でこそ、当院も少なくなりましたが、kenken先生のような経験は、Bもたくさんしてまいりました。白内障がバリバリある、とあるお婆さんを、Bが必死のパッチで説得して、手術を承諾してもらい日程を決定してから、数日後、娘さんが突如医院に押しかけてきて、

「勝手に手術申し込みをさせられて困っている!!ウチは全部○○病院でお世話になってるから、こんなところで手術しません!!」

という暴言を受付で吐かれた経験もございます・・。今思い返しても悔しいですね・・。

基本的には、地道な症例数の積み重ねで、風評が良くなってくれば、このような悲しい出来事も減ってまいります。しかし、それには、年月が必要でございますので、取りあえずは「総合病院志向」以外の患者さん層に選んでもらえることを重視すべきであると考えます。

すなわち、近隣の大病院・総合病院ではやっていないことをアピールし、それに反応する患者さんを狙っていくということでございます。

病院系は、当然ながら教育任務がございますので、かなりの確率で「強角膜切開+D&C法→術後は眼帯+入院」とのパターンが多かろうと思います。

開業医クリニック的には「入院できないこと」を弱点ではなく、「日帰りでも問題のない技術を有しているのだよ」と、利点としてアピールする必要がございます。それに関して説得力を持たせるには、やはり手術件数及び合併症率の公開、開業してから症例数が少ないのであれば、これまでのご自身の症例数や、合併症率を公開し、安全性をアピールしては如何でしょうか。

個人的には、病院との差別化を図るために、角膜切開での無血手術をすべきであると考えます。

更に言えば、著名なO先生のように、極小切開にこだわるのも一計かと思います。このブログで度々議論になってますように、3mm切開が2mm切開になろうが、術後成績にはさして有意差は生じませんが、患者さん側に立つと、「より小切開ならば、より最先端の医療を提供しているのでは」と感じられる効果はあると思います。

あと、開業医ならではの小回りの良さ、つまり、手術待機時間の短さや、融通を利かせてあげられるところも武器と言えば武器でございます。手術希望患者さんはなるべく前倒しで、どんどん入れていくことによって、「あそこに行けば、早くやってもらえる」という風評が立ってくると思われます。患者さんにとって、手術はストレスですから、いざ「やろう!」と決意されたからには、さっさとやってあげた方が、喜ばれると思います。

少々長くなってまいりましたので、続きは次回書かせて頂きます〜。