アニキの衝撃!! 前編 by B

いやはや、12月の衆議院選挙ですが、小政党が入り乱れ、凄いことになっておりますね。第3極問題ですが、維新とみんなの党の合併が不調に終わったことは、非常に痛いですねぇ。石原氏や橋下氏は大幅に譲歩したと言っているので、みんなの党党首渡辺氏がかなり大きく出たのでしょうか。反原発・反TPPで小政党が糾合する動きもありますが、ここは小沢氏の最後の勝負となるでしょうねぇ。

Bの投票先はもう決めてます。小選挙区は自○、比例で維○でいきます。小選挙区に維新候補も出ておりますが、正直、急に出てこられても、どのような人物かわからぬのに投票出来ません。あと、民主党をこの期に及んで裏切って維新に走った面々や元グラビアアイドルなどが候補者となっている維新の候補者をみておりますと、マイナスイメージですね・・。ただ、裏切り者やにわか候補者は無視するとして、維新の石原氏や平沼氏は最もBの思想に近い人たちなので応援しております。ここ数回の選挙はBの投票した人がことごとく落選しておりますが・・。

本題に入るまでに、もう一つ、言いたいことアリでございます。

先日、普段は温厚かつお上品かつジェントルマンなBが久々にブチ切れてしまいました〜。相手は大手医療機器メーカーT社の営業マンです。

元々T社の前任営業マンが真面目で、Bの評価も高かったので、BのクリニックにはT社製品がたくさんあります。手術及び外来の顕微鏡、OCT、内皮、ノンコン、無散瞳ポラ、レーザー(パスカル)、波面センサーなどです。結構、多いと思いませんか?

前任営業マン時代は、2か月に1度くらいはBのクリニックに来て、どうでも良い話を二人で喫煙所でしておりました。ただその時に、「今度、○○がバージョンアップするのでやっておきますね」だの、「○○先生は最近どうしてんの?」だの、「○○社の新製品どうやろ?」などの情報も入り、コミュニケーションを取っていたわけであります。

営業マンが配置転換になり、新たな人物がBのエリア担当になったわけです。その営業マンになってから、もうかれこれ1年になります。その間に彼は何回当院に来たと思いますか。驚くことなかれ、最初引継ぎの1回だけです。

まぁ、別に用もないのに来る必要はないので、それも良いでしょう。所が、先日、「用」が発生したわけでございます。用と言っても大した事なく、「OCTのプリンターの調子が悪い」ということですが。

月曜日に調子が悪くなり、職員に営業マンに電話させたら、「水曜日の昼に行く」とのこと。B的には「何で夜でもええのに、火曜日に来れへんねん」と思い、カチンと来ましたが、「忙しいのかな」と了承し、火曜日はカスカスの超かっこ悪いOCT像をプリントアウトし(Bのクリニックは依然画像ファイリングも未導入でございます・・)、恥ずかしい思いで患者さんに説明しておりました。水曜に来たら、嫌味百タラ言ったろうと思っていたのは言うまでもありません。

で、水曜日の朝ですが、その営業マンから電話あり、「やっぱ行けないから、金曜日に行く」とのこと。Bはその報告を受けてから、倒像鏡を持つ手が怒りでプルプル震えていたことは言うまでもありません。で、午前外来終了するや否や、Bは携帯を握りしめて、脱兎の如く診察室から飛び出し、営業マンに電話しました。

B (# ゚Д゚)「お前、ウチにT社製の器械、ナンボ置いてると思ってんねん!!普段来ないのはええけど、たまの虎舞竜の時くらい、すぐに来いよ!!」

営業マン Σ( ̄ロ ̄lll) 「は、はいっ!すみません・・」

B (# ゚Д゚)「だいたい、水曜日がアカンかったら、次は木曜日やろ!何で金曜日やねん!!」

営業マン Σ( ̄ロ ̄lll)「え、いや、木曜日は医院がお休みだと思っておりましたもので・・・」

B (# ゚Д゚)「なぬ〜っ!お前、自分の担当エリアの客の診療時間も把握してへんのか!!木曜日は夜7時まで開けとるわっ!!」

営業マン Σ( ̄ロ ̄lll)「す、すみません・・」

B (# ゚Д゚)「取りあえず、すぐ来い!!」

もう、これ以上書くと、Bのイメージの問題に関わるので止めておきますが、だいたいこんな流れでございます。

で、腹が立つのが、結構すぐに来たんですね・・・。ダメ営業マンが・・・。Bが「お前、来れるやんけ!!!来れるんやったら、何で最初からこうへんねん!!」と更に怒りが増幅されてしまったのも無理はないでしょう。

T社はフェイコマシーンも売らされたりして、大変なのもわかりますが、ここまで営業マンが劣化すれば厳しいですね。人手が足らなくて、手が回らなければ、もう一つのT社のようにハナから、小虎舞竜対策はディーラーに任せればよいのです。その後、あの営業マンやそこの所長からフォローの訪問も全くありません。もう、BがT社の製品を購入することは金輪際ないでしょうな。グッバイT社。アバヨ。

さて、いよいよ本題に入ります!先日、とあるボリュームサージャンクリニックの見学に行ってまいりました!

これまで、BはA先生はじめ、いくつかのボリュームサージャンクリニックに見学に行かせて頂き、たくさん学ばせて頂いておりました。ただ、どちらかというと、一世代上の先生方で、今回の先生はBと年齢がそう変わらない同世代の先生です。同世代ということで、親しみを込めて「アニキ先生」とさせていただきます。

アニキ先生のクリニックでは、正直、Bの想像を超えたレベルの診療が行われておりました。今回の一番の目的はLenSxによるフェムトセカンドレーザーフェイコの見学ですが、その他にもフェイキックIOL、レーシック、トラベクトームを用いた緑内障手術、硝子体手術などなど多岐にわたる手術を一手に引き受けてやっておられます。正に何でもゴザレでございます。

その日は白内障手術が8例でしたが、うちLenSxによるフェムトセカンドレーザーフェイコが4件(3件だったかも・・)、そのうちの何例かで、このブログでも話題になったLentis M plusを使用しておられました。

まずは、レーザーフェイコの生動画を供覧させていただきます。

http://d.hatena.ne.jp/AtoB/files/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B3.wmv?d=.wmv

40秒少しの間に、CCC及び核分割が完成しております。実際はCCCもすべてきれいに切れているわけではなく、一部くっついているところもあり、核分割も底は繋がっている場合が多いようです。特に核分割に関しては、きっちり分割させようと攻めすぎると、後嚢に亀裂を生じかねず、もしそうなれば、手術顕微鏡下のハイドロ時に、一気に核落下という恐ろしき結末が待ち受けているので、仕方がないようです。

レーザーフェイコ後、隣室の手術場に移動し、通常のフェイコマシーン(アニキ先生はBと同じサイン号でした!)で乳化吸引を行います。アニキ先生曰く、「下手な他人のやった後の手術をやるようで、非常にやりにくい」と仰ってましたが、確かに若干やりにくそうでした・・(^^;)

ただ、何といっても正確な正円のCCCは魅力でありますし、今後、更にプレミアムIOLが登場した暁には、正確正円CCCの重要性は更にクローズアップされるでしょうから、今後注目のニューテクノロジーであることは疑いがございません。また、核分割にしても、あくまでも現状は最初のバージョンですから、今後改良(バージョンアップ)を重ねて行けば、もっともっと良くなるでしょう。

Bが衝撃を受けたのは、フェムトレーザーそのものというより、新たなテクノロジーを貪欲に経験しようとする、アニキ先生のアグレッシブさであります。

LenSxは約50万ドルとのこと。保険の白内障手術では使用不可なので、使用する際は、現時点ではLentis M plusを含む多焦点IOLにしか使いようがございません。手術時間も通常より長くなりますし、こちらの懐の事だけを考えれば、現状で導入はなかなか決断出来ません。

アニキ先生的にはLentis M plusの存在が大きいようでございます。Lentis M plusは、現在のマルチIOLの中ではダントツNo.1の視機能が期待出来るスーパーIOLとのこと。点数で表せば、Lentisが100点とすれば、A'社A社のマルチは30点くらいとのことでした。

「何がそんなに良いのでしょうか?」と質問したところ、「A'社製などのマルチは回折構造の物理特性で常に18%の入射光が減弱し、さらにその減弱した光を遠方と近方に振り分けている。こんなのは本当はマルチとは言えない。Lentisは遠近の移行部が非常に精密に作られており、光量の減衰がほとんどなく、明瞭に見える」とのことでした。

そして、「LentisはスーパーなIOLであり、先進医療特約も使用できず患者さんは高額な金額を自己負担している。その額に応える為には、手術もスーパーな手術をしなければならない。だから、LenSxで正確正円CCCを作成し今ある一番素晴らしいテクノロジーで応えたい」とのことでした。素晴らしいですね〜。

アニキ先生は、正直、お金のことはあまり気にしていないようでした。「自分のクリニックの売上とか全然把握していない」とのことです。これも衝撃でした!この発言を聞いて、元阪神日ハムの新庄のことを思い出しましたね〜。新庄は「お金は使ってナンボ。使えば使うほど、また入ってくる。これは本当にそう思います」と言ってました。アニキ先生と新庄選手を一緒にするのも変ですが、「今出来る最高の治療を施そうとすることによって、また患者が集まり、収益が上がり、新たなテクノロジーへの投資が可能になる」という好循環モードに突入しておられるのでしょう。勢いを感じました。

少々長くなりましたので、次回後編を書かせて頂きます。まだまだアニキの衝撃は続きます・・・