近況報告 2013年11月 by B

いやはや〜。ご無沙汰しております!最近、忙しすぎて、ブログまで手が回らないBでございます。S先生など、新たな執筆陣を投入し、何とか細々とでもブログは続けて行く所存でございます。

10月、11月は、毎年白内障手術希望者が殺到するハイシーズンでございます。今年の10月は150件近くの手術をしました・・。手術件数が多いのは経営的には喜ばしい事とも言えるのですが、問題は、外来も含め、ほぼ一人でやっておりますので、マンパワー的には限界になってきております。また、手術だけに関して言えば、個人的にはまだまだ件数はこなせますが、術翌日の診察日に、待ち時間が長くなって、不機嫌そうな顔をしている患者さんを見ますと、常勤医師をもう1名増やし、常に2診はある状態にするのが喫緊の課題でございます。

この、医師を増やすのが、なかなか難しいですね・・・。新臨床研修医制度によって、大学医局に人が集まりにくくなっているわけですが、大学医局が手一杯ならば、必然的に医局出身者でお願いできる若手の先生らの駒も少なくなっており、結果的に、当院のような開業医にしわ寄せがきております。

現在子育て中の女医の先生に、少々お手伝いしてもらい非常に助かってはおりますが、お子様がまだ幼稚園、保育園なので、お迎えの時間が来れば、そこまでです。午後の外来を手伝ってくれる先生は誰もおりませんので、今年は休みも取れず、学会も行かず、働きたおしております!!!

来年のWOC2014も専門医の点数が高く設定されているので行こうと思ってはおりますが、代診の先生のメドがつかないと、高額の参加料だけ払って、結局行けない可能性もありますので、まだ決心がついておりません・・。

きょうび、医師の人材派遣会社等があるのは存じておりますが、やっぱり、同じ釜の飯を食べて、性格や実力もわかっている同門の先生にお願いしたいですねぇ・・。勿論、人材派遣会社に登録している先生が悪いと言っている訳ではないのですが、お互いリスクはあると思います。やはり、人間同士ですから相性もありますから・・・。たまたま相性バッチリの良い先生と巡りあえたならば最高ですが、そうではなかった場合、多額のお金を人材派遣会社の持って行かれつつ、更にストレスを溜め込む毎日を送るのは、想像しただけでもツライです〜。

しかし、この新臨床研修医制度はとことんイケてなかったですねぇ。大都市の基幹病院などではメリットがあったのでしょうか?

医療はガスや水道と同じインフラであり、我々医療人も、言わば私人であって私人でなく、公共の財産であります。昔は医局がある意味、「公的な人材派遣会社」の役割を果たしておりましたが、今は昔。現在は医局自体がヒーヒー言っております。誰かが強い権限を持って、医師を全国に万遍なく配置しなければ、どんどん格差が広がって行きますね。昔のドラフト制度がなかった時代のプロ野球のように、皆が巨人に集まってしまうという状態になっております。結果的に、地方の医療は崩壊に近づいておりますね。B含め、地方在住の先生は身に染みておられるのではないでしょうか?

ここ数年内に医師偏在に関する抜本的な改革はなければ、ヤバいと感じております。

大学医局制度の復活も非現実的と考えます。この複雑に入り組んだ現代社会において、昔のように医学部教授が「臨床・研究・教育・(人材派遣)」を一手に行うことは無理でしょう。臨床は臨床教授、研究は研究教授、教育は教育教授と役割分担が進めば可能性はあるとも思いますが。

B的には医師の動向をしっかりと把握し得る団体が医師の管理、計画的配置等の役割も担うべきかと考えます。その仕事を、医療の現場が全くわかっていない厚労省のお役人がやると絶対に上手く行きませんので、唯一可能性があるのは日本医師会、もしくは、新たに作成するそれに準ずるような医師の職能団体(全員加入が原則)だと思います。小さな集まりでこれをやっても有名無実化する可能性が高いと思います。

あと、保険診療を管轄している厚労省は仕事が多岐に渡りすぎですよ・・。医療の現実も全くわかってないし、医療者はかなり不満を持っているのではないでしょうか?最近の診療報酬改訂も何かやっつけ仕事みたいなイメージが否めません。「えっ!こんな検査が点数化されてるの?マジ?」というのもあれば、「え!ここ変わってないの??」というのもあります。政治力といいましょうか、担当の方の耳に入ったモノ勝ちとの印象です。

ここは行政改革にて、厚労省はそのままでも結構ですので、「医療庁」を作ってもらいたい。で、医療庁のお役人は医療行政のプロとしてしっかり働いて頂き、日本医師会(新たな職能団体)と協議して、診療報酬や医師の配置・動向を決定していく形が良いと思います。

だいたい、日本医師会と日本眼科医会は別ですし、日本の医療団体はややこしすぎますね〜。よくわかってない先生も多数おられるのではないでしょうか?(日本医学会というのがあり、これが色々な学会を統合しているのです。日本眼科学会は118ある分科会のうちの一つです)

日本弁護士連合会は、問題のある弁護士に対して、資格停止にする等の力を持っております。医師会もそのように、同業者の手で同業者を罰する権利、いわば自浄作用を持つべきですね〜。

で、各地方医師会が医師の動向や実力を把握しつつ、人材派遣の任務も行うと・・・、我々末端開業医は、たまに開催される地区の飲み会などで、手伝ってくれそうな若手の先生などを物色し、上司の先生にそのDrの実力を伺いつつ、飯や酒などに連れていって手なずけると・・・。

徐々に妄想が膨れてまいりましたが、要するに、芯が一本通った顔の見える人材派遣システムを作ってくれないとBは苦しいです!!また、現在も医師偏在問題は今後も更に問題を招くでしょうし、今後確実にやってくる未曽有の高齢化社会に向けても、post大学医局の、新たな医師の職能団体を作らねばならないと考えておる次第でございます。本日は以上でございます〜。