星野号を使用して by S

なかなか仕事モードに戻れないSでございます。本投稿をきっかけに仕事モードへ復帰出来れば幸いです。

さて、Sは現在も引き続きフェイコマシーンのデモ中でございます。B先生も以前、フェイコマシーンに関しての記事を書かれており、重複する部分も多いと思いますが・・・。

10~11月で無限号のデモが終わり、恐縮ですがSなりのプチreviewをさせて頂きます。

無限男汁は核処理の効率、チャタリングの少なさを勘案すると、非常に良いマシーンです。ただ、Sのレベルでは、男汁onでは核を削ってしまい固定が難しいので、男汁offで固定〜分割、分割後は男汁onのパターンでやっておりました。Sは最初に全分割ではなく、その都度分割〜核処理なので、後半は慣れましたがフットスイッチでのon⇔offは存外に面倒でしたね・・・。

創口(特に内方弁付近)のデスメ皺問題ですが、家兎の実験では男汁を使うと(多分、全例だったと思います)創口にデスメ膜剥離が確実に起こることが証明されておりました(Comparison of the effect of torsional and microburst longitudinal ultrasound on clear corneal incisions during phacoemulsification. J Cataract Refract Surg. 2012:38:833-9)。おそらく、この軽度のデスメ膜剥離→復位後がSの観ていた術後のデスメ皺なのでしょう。

そして12月からは、B社星野号が来ております。この星野号、ハイバキュームサージャン愛用のイメージが強く、Sのようなヘボサージャンが使いこなせるかが疑問でした。6ピエゾも何気にスポーツカーをイメージさせますし・・。正直、ビビっておりましたが、使ってみると実に素晴らしい!デモ初日からすっかり手に馴染んでしまいました!

昨今のマシーンの前房安定性は全く問題ないのですが、星野号の安定性は格段に良いですね〜。前房安定性の良いベンチュリーに死角は無いように感じました!B先生が以前のブログで仔細に解説されているメカニズムがこの安定性を作り出しているのですね。本当に素晴らしいです。チップもマイナーチェンジしているそうで、フレアチップのカリ部分を2段にして、A社ポリマーIAチップの先端部のような感じでスリーブとの密着を良くするようになっております。

核処理能力に関しては、無限男汁に匹敵するのではないでしょうか(これは6分割した核片処理時の印象です)。なんと申しますか、「なめらか」に核片がニュルニュルと吸い込まれる感じで、チャタリングも非常に少ないです。当然、ベンチュリーなので、チップを核片に少し寄せるだけで分割した核片がグイグイ寄って来ます。特に最初の核片は1/6分割でもスペースが狭いので、引き出しにくいこともありましたが、星野号では余裕です。ちなみにSの設定はB先生の記事を踏襲して380mmHg with ステイブルチャンバーでございます。

星野号は従来の縦発振なので、男汁使用時のような創口のデスメ皺も出ません。また、A先生のご指摘の如く、ベンチュリーであること、超音波の周波数が他のマシーンと異なることの相乗効果で、創口の熱ダメージも軽微と思います。

ステイブルチャンバーは核硬化度によりますが、4例ほどで目詰まりするため、カセット交換を余儀なくされるのですが、裏技使用でプラス1例くらいはカセット交換なしで乗り切れるようですね(Sはデモ中なので裏技は使用せず、3~4例で交換しております)。

S的には、星野号はSが使ったフェイコマシーンの中では最強でございます。初期のヒクソングレーシーのような感じです。SはA社星座号もたまに使うのですが、星座号のフェイコも星野号と同等(少し上かも知れません)のパフォーマンスであること、B先生もソリューションチップに変更後は専らベンチュリーモードであることを勘案すると、B先生の予言の如く、ベンチュリー時代の到来かも知れないですね。