ちょっと遅めの謹賀新年 by B

今年初めての投稿となります!本年も宜しくお願い申し上げます!

松の内の限界、15日も過ぎてしまいましたので、アウトのような気もしますが・・。1月中ということで、堪忍してください。題名を改めて見直してみると、山下達郎の歌の題名のようで、なかなか味があるような気もします〜。

まぁ、冗談はさておき。今年一発目のブログとして、昨年触れることが出来なかったネタから始めます。

昨年12月に、消費者庁から唐突に「レーシック手術を安易に受けることは避け、リスクの説明を十分に受けましょう!」とする注意喚起(→http://www.caa.go.jp/safety/pdf/131204kouhyou_1.pdf)を出しました。新聞やテレビでも報道されましたね〜。新聞では、「4割が不具合を感じる」との大きな見出しが躍っておりましたが、さすがに一臨床医として、「それはないやろ・・」と唖然とするとともに、ここまで激烈なレーシック降ろしをしようと画策している裏の勢力に興味が湧いてまいりました。

消費者庁は、コンニャク畑へも苛烈な攻めをしておりましたが、一回スイッチが入るとなかなか手ごわそうです。ライターも攻撃を受け、いまや、コンビニで買うライターは、不良品まがいのストレスフルな商品になりました。

あの銀座眼科の事件は論外とは言え、すでに100万人以上が受けている手術で大多数が満足を得ているわけですから、悪徳商法ばりのレッテルを貼るのはやり過ぎの感が否めません。

今、ネットで「レーシック」を検索すれば、ネガティブキャンペーンのオンパレードですね。ここまで、反レーシックの気運を盛り上げることに成功した裏の勢力は何なのでしょうかね〜。いずれにせよ、ネットの存在がこのネガティブキャンペーンの立役者であることは間違いありません。

J&Jを始めとするコンタクトレンズ業界がまず頭に浮かびますし、それを暗に指摘するブログ等もありますが、一番市場規模の多い、アメリカでもそういうキャンペーンを張っているならわかるのですが、何故日本だけなのでしょうかねぇ。

国民皆保険制度に慣れきった日本特有の「医療にお金が掛かるのはイヤ」という深層心理が関わっているのでしょうか。それならば、美容外科などもこのようなネガティブキャンペーンに晒されても良さそうですが、美容外科業界は逆に、テレビ番組で整形美人などが派手に取り上げられ、一昔前よりも逆に市民権を得ている印象です。不思議ですね〜。

何はともあれ、「近視を矯正することの是非」はさておき、近視を矯正したいと願っている人々にとって、レーシックは安全かつ確立された屈折矯正手術でありますので、これが過剰にバッシングを受けると、ひいては国民の不幸に繋がるとも言えます。

日本におけるレーシックの歴史において、行きがかり上、美容外科系が主役を担ったというのが不幸だったのかも知れませんね。手術後のアフターケアの面で不安に感じられる向きがあったのかも知れません。今回の注意喚起を機に、レーシック診療は新たな局面を迎えたとも言えます。レーシック自体は学術的にも、屈折矯正手術の中で確固たる地位は気づいておりますので、このまま衰退していくとも考えにくいです。ただ、従来とは違うアプローチが必要ではなかろうかとも考えます。

先日の手術学会も、土曜日、日曜日の2日間、参加してまいりました。心なしか演題が少なめで若干寂しいような気もしました。ビッセン先生の特別講演を聞いておりましたら、現在のフェイコをマニュアル車の運転に、フェムトレーザーフェイコをオートマ車の運転に例えておられましたが、なかなか上手いと思いましたです。ビッセン先生はフェムトレーザーフェイコが今後広まっていくであろうし、世界の流れに取り残されないためにも、日本人も頑張ってフェムトフェイコをやるべきというお考えでした。B的にもおそらく、その流れになっていくだろうと、薄ぼんやりとは考えております。今年か来年にはLensXも承認を受けるそうですしね。

ただ、日本の場合、どうしてもネックになるのが、国民皆保険制度ですね。我々はその制度にぬくぬくと守られてもいるのですが、手術代金がレーザー代を上乗せして請求できなければ結果的には日本では広まらないような気もします。逆に言えば、勝ち組のクリニックはコストを気にせずレーザーフェイコを購入し、それが患者さんを呼んでますます繁盛し、負け組のクリニックは高額な機械購入費用が賄えず結果的に更に患者さんが流出するという流れになりますね。ハイテク医療機器が出てくれば出てくるほど、医療機関間の設備格差が増大し、今から10年もすれば、現在のように地域密着の小規模クリニックがそれぞれ少数例ずつ白内障手術を行うというビジネスモデルは廃れ、手術クリニックの集約化が進んでくると考えております。

今年は、保険診療点数の改定があります。小耳にはさんだ噂では、水晶体再建術の点数は死守されたとのこと。B的には、点数減を覚悟していたので、非常な朗報でございます。

消費税増税分は初診料や再診料のアップなどで補うとのことですが、これは全く意味がないでしょうねぇ。そもそも、医療費の増大は、高齢者数増自体も問題の一つでしょうが、最も大きな問題は、医療レベルの進化、高度化によって医療コスト自体が増加している点にあります。そこの手当てをせずに基本診療料を10円か100円か知りませんが、いじくったところで根本的な解決には程遠いです。現に、Bのクリニックでも、ルセンティス等の抗VEGFをバッコンバッコン使用しており、それらが無かった時代に比べると、かなり保険請求する金額は増大しております。どんどん適応も拡大しておりますので、益々抗VEGF薬使用頻度は増加しそうです。緑内障手術にしても、最早Bは通常のレクトミーをする気はさらさらなく、エクスプレスを使用したインプラント挿入術が1st choiceとなっております。だって、どう考えてもこっちの方が安全ですもん・・・。これも、医師の技術料というよりはdeviceの方にコストがかかっております。これらを人口動態が逆三角形になる高齢化社会において国民皆保険で賄うのは無理でしょう・・・。このぺースだと、今後もドンドコ新しく有用かつ高額なデバイスが登場してくるでしょう。

保険料アップが現実的ですが、やっぱり将来は、混合診療の解禁しかないような気がしますね。日本的な混合診療を模索する時期が来てると思います。

今年は新医院への移転を予定しており、それに伴って、スタッフの増員、新たなる機器の購入も増えそうです。オペ場が少し広くなりますので、移転後は今のように上方角膜切開一辺倒ではなく、それぞれの強主経線切開でやるつもりです。やっぱりこれが一番良いと確信しております。そうなると、A社のサージカルガイダンス的な器機がやっぱり欲しくなりますねぇ・・・。自分のやりたい医療をやろうとすれば本当に幾らお金があっても足りません!もう後戻りは出来ませんが、修羅の道に足を踏み入れてしまったなぁと、ふと思うときがあります。進むも地獄、引くも地獄の手術開業医ですので、これから手術開業を目論んでる先生方は重々よくお考えの上でされることをお勧めする次第でございます!

最後になりましたが、東京都知事選、Bは当然ながら田母神元帥を熱烈に応援しているのですが、さすがに無理そうですねぇ・・。何とかなりませんかね〜。(^^;)

本日は以上でございます。本年も宜しくお願いいたします!