2013年回顧 by B

本日は大晦日であります。早いものですね〜。前回書きそびれた2013年回顧でございます。

いや〜、忙しかったです〜。診療で忙しいのは有難い話とも言えるのですが、今年は新医院建設や、医師会系の役も重なっていたので、多忙でございました。

新医院建設に関しては、依頼した設計事務所の担当建築士が、非常にイマイチで、図面作成が遅れに遅れ、予定より4カ月も遅れてしまいました・・。Bの個人的友人、かつ感性が非常に合うデザイナーが居りまして、彼の書いた外観やイメージに合わせて設計してもらうという形になったのですが、そこが建築士的には難しかったようですね・・・。通常は、複数設計事務所に依頼してコンペをして、一番気に入った外観やコスト面を重視して選ぶようですね。まぁ、医院なんて一生に何度も作るものじゃないので、Bの我がままを押し通した結果なので仕方ないと思っております。そして、更に、依頼した事務所社長が公共建設物に関する談合容疑で逮捕されちゃったりなんかして、色々大変でした・・・。(ToT)

お陰様で現在は無事建築確認も下り、安定しております。来年は、内装デザインに入ってくると忙しくなりそうです。覚悟しております!!

また、いつものボヤキでございますが、相変わらずほぼ一人でやっており、毎日毎日の日常診療と手術で完全に疲弊してしまっております・・。本当はフェイキックIOLやレンティスMプラスなど、どんどん導入を進めていきたいのですが、講習だけは行って、現実の導入はついつい後回しになってしまっております・・。

最初は親父も、今思い返すとまだまだ元気でしたので、色々喧嘩をしたり不満を胸に抱いたりしながらも、安心して医院を任せることが出来ましたねぇ。そのお陰で学会出張や、休みを取っての家族旅行等に行けておりましたが、年々親父の身体が衰えてまいり、現在も入院中です・・。という訳で、今年は盆や正月、ゴールデンウィークなどは休ませて頂きましたが、学会もほとんど行けずじまいでございました。

「医院を閉めてしまって休みを取ったらええやん?」とのアドバイスもいただくのですが、何か性格的にそれが嫌なんですねぇ・・・。困った性格です。(^^;)

来年は、お休みをとっても安心して任せられるようなDrの確保が絶対条件ですね。一人でやっていては、大借金も返せません。

日常診療に関しましては、お陰様で手術件数も更に増え、大きな虎舞竜もなく、平和と言って良いと思います。

破嚢は2件でしたが、そのウチの1件が強いていえば虎舞竜となりました。

元もと、他の病院でオペが決まっていたのに、その病院の対応が不満だという事で、当院にやってきた方です。90歳のお爺ちゃんですが、ここだけの話、顔の表情や口ぶりから、非常に猜疑心が強く我がままな方であることが明白でした。手術の説明をしていても、

爺「そんなん。どうせやったら見やすくなるんやろ。どうでもええから、早く治してくれ」

と横柄な口ぶり・・。こういう要注意な人に限って破嚢してしまった所がBの未熟な所でございます・・・。

ただ、言い訳するわけではないですが、破嚢はしましたが、しっかりとリカバリーをし、IOLは毛様溝固定して視力はしっかりと出ておりました。ただ、少々皮質が硝子体腔内に落下しており、そこをひたすら責められ続けました・・。時間が経てば必ず吸収されると説明し、本人もスタッフ相手の問診では「見やすくなった」とか言っているのですが、いざ診察でBの前に来ると、「こんな目にして、どないしてくれるんや!」とケンカ腰でございました。ただ、本当にイチャモンをつけるつもりなら、視力検査でウソをついて視力が出ないふりをしても良い(やっぱり良くないですね・・絶対これは止めてもらいたいです!)のですが、視力検査は真面目(?)に受け、(1.0)以上出てるのが愛嬌と言えば愛嬌でございます。

で、皮質が吸収された時点で、もう片眼の手術も受けることに同意され、こっちは通常通り問題なく終わりました。で、その翌日診察、B的には「有難う先生!これで両目揃って良く見えるわ!」と感謝してもらってガッチリ握手している光景を夢想していたのですが、ところがどっこい、「こっちの目がこんなにスムーズなら、先の目はやっぱり失敗やないかい!!!こりゃあ、手術代金をまけてもらわな話にならんで」と責められる羽目に・・。まぁ、元はと言えば最初の目で破嚢しなければ良かったのですが、ここで手術代金をまけると保険診療の概念そのものが崩れてしまうので、当然Bは突っぱねました。

Bは誠心誠意対応するしかないと、

「失敗じゃないけど、僕も神様じゃないし、目の状況によってはこういうこともあるのです。ちゃんとレンズも入っているし、視力も出ています。そもそも嚢が破れたと言っても、術後しばらくして嚢が濁ってくる後発白内障というのもあり、その時はわざとレーザーで嚢を破ったりするわけですから、レンズさえちゃんと固定されていれば後発白内障の心配もないし、大丈夫ですよ。ただ、そう思われてしまうのは僕の技量が未熟だからなので、B自身はさらに精進に努めますね。お代金は○○さんが日常生活が不自由ない見え方になったと満足すれば払ってください。僕を責めるのは勝手ですが、手術前より明らかに良く見えるようになってるし、保険診療機関として、医院には何の責任もありませんので手術代をまけることは出来ません。」

ということを言いました。お爺さんは「そやな。ほなそうしよ。満足したら払うわ」と言って帰っていきました。そして、その後、当院を受診せずでございます・・。

スタッフは「電話して来てもらいましょうか?」と聞いてきますが、日常診療で疲弊しているBは、お爺ちゃんの嫌味攻撃や毎度の長い不毛な会話の外来に疲れておりましたので、「もうええわ。順調に行ってるし目は問題ないやろ〜。また調子悪くなったら来はるし、電話せんでええわ。」と言いました。手術医なら僕の気持ちもわかってもらえると確信しております!!

これが一番の虎舞竜ですね。あとは、破嚢じゃないのですが、40歳代後半か50歳代前半と比較的若い方の白内障手術で、術前に全く気付いてなかったのですが、手術場に入って、顕微鏡下でみると、明らかに6時〜9時くらいまでの間の水晶体及びチン小帯が欠損しており「先天性水晶体欠損」が発覚した例がありました。(あとで、術前に撮った画像も見ましたが、その画像では全く欠損は確認できません。外来では極大散瞳まで出来てなかったのですねぇ・・。)その方はCTRなどを駆使してやれるところまでやってみても良かったのですが、かなりナーバスな方で神経科からお薬をもらっておられました。Bは昔1例だけ同様の症例の経験があり、かなり広範囲チンが断裂していて、結局水晶体を嚢ごと硝子体カッターで切除するという形になったことがあったので、「○○さん、ちょっと想定外の異常があるので、最悪の事まで考えて手術をした方が良いです。もう一回、詳しく説明をし、また準備をしてから望みたいので、今日の手術は中止にしましょう」と説明して中止にした例がありました。今でもこの判断は間違ってなかったと思っているのですが、その後1回診察に来ただけで、もう受診されなくなりましたねぇ。「コイツはアテにならん」と思われてしまったかも知れないですね。まぁ、仕方ないです。

白内障手術手技に関しては、これまでと大きな変化はありません。ただ最近、Bが前々から要望を出していた「カリ高チップ」がついにA'社から出まして、案の定、ベンチュリーとの相性が抜群で素晴らしい破壊力でございます!!!

カリ高チップとベンチュリーポンプについては、昔のブログで述べておりますので、ご参照ください。→M眼科見学 by B - 眼科手術開業医の戯言

このチップはSチップ(ソリューションチップ)と呼ぶそうですが、良いですよ〜。このチップが登場してから、Bは基本、ベンチュリーしか使用せず、創は弧状2.5mm角膜切開バキューム400mmHgでやっております。400mmHgのハイバキュームでも前房安定性はバッチリです。サイン号はSチップ+エリプスでA社ケルマンチップ+男汁に匹敵するほどの破壊力を手にしました。

もうこれでA'社サイン号に死角はないと言いたいのですが、硬い核になると、かなり内皮ダメージが以前のチップに比べてキツイ様な気がします。使い始めた当初、たまたまカッチカチのbrown catの方が続けて入っていたのですが、2人とも、これまでと同じ感覚でやっていると術翌日角膜浮腫バリバリで、綺麗になるまで術2週間くらいかかりました・・・。勿論、内皮細胞密度も激減です・・・。一番の問題は角膜内皮に近いところで超音波をかけてしまっているBの手技であるのはわかっておりますが、核破砕力が抜群で超音波時間が従来よりも明らかに短くなっているにも関わらず、そこまで内皮にダメージを与えてしまったのは若干腑に落ちません。それまでは、全ての症例でディスコビスクのみでやっていたのですが、その後は硬い症例はビスコートにし、ズボラをせずになるべく核を多く分割して一片一片の容積を少なくして、内皮から離れたところで超音波をかけるようにしております。今の所、それで対処できておりますが、設定にもう少し工夫が必要なのかもしれませんね。

という訳で、今年はブログ更新頻度が激減してしまいましたが、読んでくださって有難うございました!いつも言いますが細々とでも続けていく所存でございますので、たま〜に更新されているか覗きに来てください〜。

来年は診療報酬の改定があります。前のブログで書いた70年理論に基づけば、明らかに時代の変動期に入っておりますので、色々厳しいこともあるかもしれませんが、逞しく生き残っていきたいと思います。このお正月休み中に新年のご挨拶ブログも更新したいと考えております。

本年も大変お世話になりました。来年も宜しくお願い申しあげます!では、皆様!良いお年をお迎えくださいませ!!