いわゆるイスラム国人質事件について by B

ご無沙汰しております。年が明けたと思ったら、もう2月でございます。

先日、手術学会がありました。自分としては、学会よりも、多数のお客様が新医院見学に来られるので、そちらの接待に気を取られておりました!学会の内容は正直、ほとんど覚えておりません!!ただ、特別講演の川崎和男先生(川崎和男 - Wikipedia)は、Bは全然存じなかったのですが、日本にもこんなにエキセントリックな天才がいたのかと新鮮な驚きを覚えました。B的には、幕末の佐久間象山先生(佐久間象山 - Wikipedia)のイメージと重なりました。先生自身、話したい内容が多すぎたようで、正直、内容がポンポン飛びすぎており、かつ眼科手術とはほぼ関係のない講演でありましたが、インパクトは十分でございました!されど、なぜ手術学会の特別講演が川崎和男先生だったのでしょうかね・・・。Bは楽しめましたが、一抹の疑問は残ります。

さて、最近世相を賑わしているこの話題に触れないわけにはいきませぬ。

ISIS、いわゆるイスラム国でございます。あまりの残虐性に日本中が震撼しましたね。

しかしながら、それにつけても、このブログでかつてチョコチョコ触れていた、「文明の衝突」を著したサミュエル・ハンチントン先生の慧眼には驚かざるを得ません。この書物が世に出たのが1993年の夏ですから、今から20年以上前。この書物は、世界の文明を「西洋文明(キリスト教)、中華文明(儒教)、日本文明、イスラム文明、ヒンドウ文明(インド)、スラブ文明(ロシア)、ラテンアメリカ文明、アフリカ文明の8つの文明に分けて見せ、新たな世界秩序では、各文明間、巨視的には西欧文明と非西欧文明が対立し衝突することを予言しました。

Bの拙い要約よりも、手っ取り早いので、ネットの書評からコピペしますと

 ハンチントンは、『文明の衝突』の中心的テーマは、文化と文化的アイデンティティ、もっと広い意味では文明のアイデンティティが、冷戦後の世界における人々の結束や分裂、対立のパターンを形成しつつあるということだという。その仮説の結果として起こりうることを本書に詳述している。
 ハンチントンによると、冷戦後、歴史上初めて世界政治は、多極化し、かつ多文明化している。近代化は西洋化とイコールではなく、また何か意味のある単一的な普遍的文明を生み出すことでもなく、非西洋社会を西洋化することでもなくなってきている。ある社会が発展し近代化が進行すると、自らの成功に自分の価値観や文化を結びつけ、もともと持っている文化にアイデンティティをより強く感じるようになる。そして自分の文化的属性は捨てずに近代化したいと考える。
 冷戦後の世界では、文明間の勢力バランスが変化している。西洋は、相対的に影響力を失ってきている。アジアの諸文明は経済、軍事、政治的な力を拡張しつつある。イスラム文明では人口が爆発的に増えたため、イスラム諸国と近隣諸国を不安的にしている。非西洋文明では、全体的にそれぞれの文化の価値観が再認識されつつある。
 そして、文明に根ざした世界秩序というものが生まれようとしている。そこでは、共通の文化を持つ社会が互いに協力し合う。ある文明から別の文明へ移行させようとする努力は成功しない。国々は、その文明の中核となる国あるいは指導的存在を中心にグループ化するようになる。
 ところが現在、西洋は、われこそは普遍なりという自負のためにほかの文明との対立を深めていき、とくにイスラム圏と中国に対して、対立は深刻である。地域レベルでは、異なる文明と文明がぶつかる断層線(フォルトライン)上で生起する「断層線戦争」が、おもにイスラム圏と非イスラム圏の間でそれぞれの「同胞諸国の結集」をもたらす。それがエスカレートする脅威も生み、こうした戦争を止めようと文明の中核国家を奔走させることになる。
 このような世界で、西洋文明が生き残るかどうかは、アメリカが自らの西欧的アイデンティティを再確認し、西欧の人々も西洋文明は独自のものであり、普遍的なものではないことを認め、両者が結束して、自分たちの文明を再興し、非西洋社会の挑戦から守ることができるかどうかにかかっている、とハンチントンは論じている。

てな感じです。最初の書物では日本に関しては結構冷淡で、日本は言語・慣習も独特であるがゆえに、孤立の道を歩む・・・と受け取られかねない書き方でしたが、後に、日本からの反響が凄いと聞いたのか、日本に関する著作で以下のフォローをしてくださいました。

ハンチントンは、文明は衝突の元にもなりうるが、共通の文明や文化を持つ国々で構築される世界秩序体系の元にもなりうる、と主張する。その文明内での秩序維持は、その文明に突出した勢力、すなわち中核国があれば、その勢力が担うことになると説く。また、文明を異にするグループ間の対立は、各文明を代表する主要国の間で交渉することで解決ができるとし、大きな衝突を回避する可能性を指摘している。そして、日本文明に対して、世界秩序の再生に貢献することを期待している。
 具体的には、次のように論じている。
 ハンチントンは、9・11の翌年出した『引き裂かれる世界』の中で、日本への期待を語っている。
 序文で彼は次のように述べる。平成14年(2002)当時の日本は経済の改革をすることが第一だとし、そうすることで「日本は他国間の文明の衝突を緩和に導くキープレイヤーの一員になり、東アジアにおけるパワーバランスの安定を促進し、今まで持続させてきた国民共同体を全うするよう他国に対して後押しすることができるようになるのだと私は考えている」「長期的に言えば、世界が日本に求めるのは、グローバルで重要な問題に取り組んで、積極的かつ建設的な役割を果たすことである」
 また、本文でより具体的に次のように書く。
 「日本には自分の文明の中に他のメンバーがいないため、メンバーを守るために戦争に巻き込まれることがない。また、自分の文明のメンバー国と他の文明との対立の仲介をする必要もない。こうした要素は、私には、日本に建設的な役割を生み出すのではないかと思われる。
 アラブの観点から見ると、日本は西欧ではなく、キリスト教でもなく、地域的に近い帝国主義者でもないため、西欧に対するような悪感情がない。イスラムと非イスラムの対立の中では、結果として日本は独立した調停者としての役割を果たせるユニークな位置にある。また、両方の側から受け入れられやすい平和維持軍を準備でき、対立解消のために、経済資源を使って少なくともささやかな奨励金を用意できる好位置にもある。
 ひと言で言えば、世界は日本に文明の衝突を調停する大きな機会をもたらしているのだ」と。

てな感じで、日本をヨイショして下さっていたわけですが、結果的には現在、ISISには完全に欧米よりと見なされ、「アラブの人々は日本人にシンパシーを感じている」という日本人が未だに抱いている儚い願望が打ち砕かれました。Bは当然であると思います。アラブの人々がシンパシーを感じている日本とは、西欧諸国に敢然と立ち向かった日露戦争から大東亜戦争に至る大日本帝国なのです。日本の戦後教育において、日本の非ばかりを教え込み、当時の日本が敢然と立ち向かうに至った事情を教えないため、「アラブの人々に平和国家日本が愛されている」との誤解が蔓延してしまったのだと思われます。

最早、イスラム過激派にとって、日本は欧米の犬としか見られておりませぬ。その自覚を持って、ジャーナリストも行動せねばなりません。

今回の人質事件で、最悪の結果に終わったため、反安倍勢力は水を得た魚のように政府の対応を非難しております。「安倍のせいで、湯川さんと後藤さんが殺害された!」と。

されど、誰が総理であっても同じ結果であったでしょう。皆、わかってると思います。

今日のTBS報道特集を見ておりましたら、ヨルダンの専門家が語るには、「一瞬、リシャウィ死刑囚と後藤さんの人質交換がまとまりかけたが、アメリカ政府からの強い横槍により、ヨルダン政府がISISに対する態度を硬化させ、結果交渉は暗礁に乗り上げた。」とのことです。真偽のほどは定かではありませんが、アメリカはISISと何らかの交渉をすること自体を禁じているので、日本がアメリカの子分である以上、湯川さん・後藤さんの命運は尽きていたとも言えるでしょう。

ハンチントン先生のアドバイスをacceptするならば、日本は今後、長い長い時間が掛かるでしょうが、徐々に米国の支配下から脱出し、自主独立路線に変更して行かねばなりません。今すぐには無理に決まっておりますが、憲法を改正し、自国の戦力で国土を防衛できる兵力を持ち、毅然として武士道精神に溢れる、新たな国家を作り上げて行かねばなりません。リベラル日本人が何と思おうと、世界的に見れば極めてマイナーな日本語を話し、お正月には初詣に行き、お餅を食べたり、お盆にはお墓参りをしたり、世界的に見ればわけのわかんない独特な日本文明にドップリ浸かっているのです。かつての大日本帝国はここを見誤って(日本文明を他国に輸出しようとして)、大東亜共栄圏という夢想を企て失敗してしまいましたが、今度は、自立だけを目的とした国家をつくるべきであると思います。その上で、中国に対しては、脱共産党主義化に力を注ぎ、古き良きシナ文明が復活するよう働きかけ、欧米との仲介に尽力するべきですし、イスラム諸国と欧米との調停もするような世界平和のバランサーとなっていかねばならないと思いまする。

それが湯川さん・後藤さんの御霊に報いることだとBは思っております。

それが出来なければ、もしくはそれが嫌なら、アメリカと中国のはざまでお互いの顔色を伺い、「平和平和」と念仏のようにつぶやきながら、妥協を繰り返して国を保っていくしかないですね。そうこうしているウチに、国民の誇りも失われ、少子化と相まって、いずれは日本文明滅亡でしょう。

おそらく、安倍氏及び安倍氏の側近はBと同じ考えを持ってくれていると信じております。安倍内閣が長期政権となれば、このような道筋を作ってくれるのではと期待しております。

あと、国連は全く機能しておりませんね。最早死んでおります。何のために存在するのでしょうか?国連を解体し、各文明の代表国が理事を務める新世界秩序機関の構築が待たれます。

久々に政治系で熱く語ってしまいました。次回は眼科ネタで書きます!本日は以上です〜。