A社百人隊長号の実力 by B

新年明けましておめでとうございます!本年も宜しくお願い申し上げます。

B家のお正月は毎年恒例で実家でのんびり過ごします。実家と言っても、自宅から徒歩1〜2分の同じ町内ですので、まぁ自宅でのんびりと同じ意味ですね。遠方に住んでいる妹一家がやってくるので、積もる話をしながら、ダラダラ過ごすと言った感じです。当家は幸い、親族間で子供たちの年齢が近く、いとこ同士が非常に仲良しなので、毎年子供の歓声(怒声?)が響き渡る賑やかなお正月となります。
(^^;)

皆様は如何お過ごしでしょうか?

個人的に昨年を振り返りますと、可もなく不可もなくと言った所でしょうか。大病もせず、手術件数は前年よりも増え、悪い年ではありませんでしたが、長年の懸案である自分以外の常勤Drの確保がまだ出来ておらず、今後に向けて盤石の態勢とは到底言えません。

常勤Drの確保は、自分が選り好みし過ぎなのかも知れませんが、なかなか難しいですね〜。

個人的には40歳代前半で、「手術件数が多くてしんどいので、誰かに手術を手伝って欲しい・・」という心境ではなく、まだまだ手術に関しては「ナンボでもやりまっせ!」と言った感じです。一方、外来に関しては個人的には自分で全員を診たいのですが、時間的制約からも患者待ち時間の面からもそれは不可能で、他のDrに手伝ってもらっております。非常勤ですと、自分の「やり方」と言いましょうか、「思想」が上手く伝わってなくて歯がゆい思いをすることも少なくありません。

やはり、「開業医=プライベートクリニック」なので、院長の方針・考え方を熟知している先生に診療を手伝ってもらえるのが理想ですが、子育て中の女医先生に頼み込んできてもらうと、自分も、それらの先生も忙しく、結局コミュニケーション不足のままで1年が終わってしまった感があります。やっぱ、午前診療だけしか来てもらってないと、ゆっくり話し合う時間が取れないですね〜。やっとこさ、こっちの診療が終わったと思ったら、女医先生の外来はとうに終了しており、既に帰っておられる場合がほとんどです。勿論、自分も3人の子供を持つ親ですし、子育て中の女医先生の立場も十分に理解しております。自分が旦那さんだったら、「まず家庭をしっかり守ってもらった上で、空いた時間で仕事をして欲しい」と思いますので、小さなお子様の居る女医先生に過度な負荷は与えないように注意しているつもりでございます。

理想は、

・明るく愛想よくコミュニケーション能力がバリバリあってスタッフとの関係も良好で、患者さんに優しい、おしゃべり好きのDr

・院長のやり方・思想を十分に分かっていて、午前も午後もほぼ毎日、レーザーを含む外来診療をやってくれるDr

・手術は院長の専門外の分野をやってくれるDr

・勉強会や学会、更に飲み会も厭わず参加してくれるDr

・院長(及び、親父やおふくろ、嫁はんも含めB家全体)とウマが合い、家族ぐるみで付き合えるDr

てな感じでしょうか。まぁワガママかも知れませんがあくまで理想です。(^^;)

手術はどっちでも良いですが、やはり外来診療で患者さんを呼べるDrが欲しいですね〜。

せっかく当院に来てもらっても、雇用したDrの方が「あぁ、楽しくないなぁ。やり甲斐がないなぁ。」と思う状況だったら、絶対に上手く行きませんので、ピッタリと合う先生にめぐり会うまでは焦らずに行こうと思っております。まぁ、結婚と同じで、あまり理想ばかり言っていては、いつまで経っても独身生活を続けることになるわけですが。

いっそのこと、Drを増やさずに、「一人でできる範囲の規模で、好き勝手にやろうか」とも思ったりしますが、そうなると、「クリニックの進歩がここで止まる=衰退が始まってしまう」ような気もします。まぁ、取りあえず現状でもクリニックは回っているので、焦らずに行きます。

本日は本題に入る前にもう一つ。

年末にビッグニュースが飛び込んでまいりましたね。そう、

慰安婦問題の日韓合意」です。

骨子は以下の通り、

・「日本政府は責任を痛感し」、「安倍首相は、元慰安婦の方々に心からおわびと反省の気持ちを表明する」、
・「日本政府の予算(10億円)により全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる」
・「問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認し、今後、国連等国際社会において相互に非難することを控える」
 ・韓国外相は、さらに慰安婦少女像の撤去する努力をするとも表明している。

保守・リベラル双方から色々な批判や失望も聞こえてきますが、B的には「さすが、安倍首相。やるなぁ。」と言った印象です。

かつての河野談話の時代と違い、韓国が世界中でアピールしまくったせいで、最早、慰安婦問題は世界の注視する問題となっています。

当然主導権は金を払う側(=日本)にあるわけですから、これからは韓国が合意を守らねば韓国が恥をかくと言うことになります。そもそも民間団体が法律を無視して設置した日本大使館慰安婦像を撤去させることも出来ない政府って、世界の笑いものになりますし、それさえもしないのに、お金だけもらおうというのは「本当に解決する気があるのか?」とこれまた韓国にとって恥となりましょう。

韓国内では、「法的責任を認めていないのが許せん!」と言ってるそうですが、それを言い出したら、広島や長崎の原爆被災者の方々がアメリカを訴えたり、イラクの民衆がアメリカを訴えたりできることになりますので、世界中が大混乱になります。こういう事は政府同士の合意で解決するしかないのです。

案の定、韓国内では「屈辱の合意」と大騒ぎになっておるようですが、一気に、日本の頭を悩ませる国際問題から、韓国内の問題に矮小化してしまいました。まるで手品のようです。

逆に言えば、「韓国政府がどうしてこの条件での合意を呑んだか・・」の方にBは関心があります。三橋貴明氏が言うとおり、ホンマに韓国経済は瀕死の状況で困ってるのでしょうか。多分、そうなんでしょうねぇ。

当然、朴大統領を丸め込んで、日韓米離反を目論んでいた中国共産党北朝鮮は目をむいて怒り狂っております。

確かに、日本の総理大臣の公的謝罪は、一部保守派からすれば屈辱と思うかもしれませんが、今後慰安婦カードでグチグチ言われるよりは良いとBは考えます。あとは、韓国が合意を守るかを注視ですね。今回の合意に好意的なBとしても、象徴的な日本大使館慰安婦像の撤去が為されぬうちに「おわびや反省の言葉」「10億円の支払い」は絶対にしてはいけないと考えております。

さて、ようやく本題でございます。昨年末にニューフェイコマシーンを購入しましたので、その報告でございます。

Bは、A'社のサイン号をこよなく愛し、ご機嫌に使用しておりましたが、早いものでリース期間も終了し5年以上使用したことになります。最近のコンピュータが支配するマシンだけに5年経つと、チョコチョコとコンピューターの不具合が出現し始めた段階で、A社の方から猛烈なアタックを受け、購入に至った次第でございます。

A社百人隊長号と書くと、何の事やらサッパリわからんかと思いますが、そうです。セン○ュリオン号でございます。

セン○ュリオンはCENTURIONの英語読みで、ラテン語では「ケントゥリオ」、ローマ時代の軍団戦闘単位である百人隊の隊長のことです。今でいう、中隊長→大尉くらいのポジションです。ローマ時代、百人隊長に選ばれた人は非常に名誉とされ、またカエサルをはじめとするローマの名将たちは彼らを手足の如く使いこなして最強国家を作り上げたのでした。

何度かこのブログで触れておりますが、Bは昨年来、塩野七生氏の「ローマ人の物語」を読み進めておりますので、正にBに買ってくれと言わんばかりのネーミングではありませんか!!

とは書いたものの、正直言いまして、サイン号に何の不満も無かったBは、百人隊長号のデモに全く乗り気ではなく、あまりにもA社サイドが(しつこく?)デモを懇願するので、「じゃあやってみよか」と渋々デモをした次第でございます。

そもそも5年前、A社の無限号もデモしており、男汁の核破壊力は認めるものの、曲りのケルマンチップがどうしても気に入らず、ストレートチップのサイン号を選んだ経緯があります。今回A社はストレートチップ好きの術者でも違和感なく出来るようにBalanced Tipなるチップを擁して、再度挑んで来たのでした。

「ちょっと曲がってるやん。大丈夫??」

と思いながらデモをしたのですが、確かにかつてのケルマンチップのような違和感は全く感じず、核破砕効率も上々でございます。

また、ケルマンチップ時代、一時問題になった、創口部分への負担がかなり軽減されているようで、無限号男汁に比べて非常に静かなオペをしている感覚になりました。またBは強主経線切開でオペをしており、症例によって、上方、耳側と移動しますが、コードレスのフットスイッチになって、この移動が従来に比べて格段に楽でした。これは大きな決め手となりましたね。と言う訳で購入を決定しました。

チップのべベルは30°と45°がありますが、破砕効率で考えれば圧倒的に45°の方がよいのでBは45°で使用しております。

設定は、核分割モードと、核分割後の核平らげモードを作成しました。核分割モードは縦発振メインで、核硬度によりフェイコパワーを調整します。縦フェイコパワーはサイン号時代とほぼ同等で、普通の核で30%、柔らかめで25%、チョイ硬で40%、バリ硬で45%orそれ以上ってな感じです。平らげモードは、いわゆるトーショナル、男汁のみです。

最初は、マシンの最大パワーを実感しようと、かなりのハイバキュームハイフローでやっておりましたが、それでやると訳のわからんまま、ガツガツ核を平らげてオペが終わってしまいます。そうなると、自分の予期せぬ方向の核を食べてたり、いきなり2つの核を同時に食べ始めたりして、内皮に核片が当たってたり、エピを先に食べてしまい、後嚢直上で核破砕している形になったりするので、結局、合併症に繋がりやすくなると感じ、今は少し落とした設定でやっております。それでも十分にパワフルかつ繊細なオペが可能です。

前房安定性はバッチリです。正直、それまでのフェイコマシーンでも不満はなかったので、特段の進化は現時点では感じませんが、メーカーが更に良くなったと言うので良くなったのでしょう!

不満点は、

・Bは角膜乱視量で、2.5mmと2.65mmの弧状ナイフを使い分けてたのですが、スリーブが推奨切開創1.8mm〜のナノスリーブと2.2mm〜のウルトラスリーブの2種類しかなく、2.5mm弧状でも少し緩いくらいで、2.65mmならフェイコ中に若干リークが生じる点。そもそも、現時点の日本で使用可能なIOLの挿入時に2.4〜2.65、もしくはそれ以上のの創幅が必要なので、もうワンサイズ大きめのスリーブが欲しいです。

・IAはMAX設定、すなわちバキューム600mmHg、吸引流量50cc/minでやってますが、サイン号ベンチュリーIAの方が吸引効率は勝ってますね。

・従来の設定に加え、術中の前房内圧を表す「IOP」というパラメータが増え、ボトルの上げ下げではなく、その値で前房内圧を調整します。フェイコ中は悪くないですが、例えば後嚢が弱い、ヒラヒラしているような方のIAの際、嚢に張りがないので後嚢にへばりついてしまった薄い皮質の処理がやりにくいです。これに関しては、IOP高めのIA設定も作成しました。

まだ1ヶ月も使用してないので、また変わってくると思いますが、現状ではこんな印象です。A'社のマシンに慣れ過ぎてしまって、例えばフットスイッチポジション1の灌流だけの際、かつでは音が出ていたのに百人隊長は音なしなのでわかりにくいとか、灌流液がまだ十分に余ってるのに、マシンの方から「早よ変えろ」とサインを出してくるとか、細かなところで不満はないことはないですが、また慣れてくると思われます。

本日は以上でございます。長文に付き合って頂き有難うございました!本年も宜しくお願い申し上げます。