極私的IOLの評価 by B

いやはや。久々に風邪をひき、本日は予定をキャンセルして静養に努めております。自動的に鼻水が落下し、くしゃみもバンバン出て、苦しい事この上ないっす・・・。明日も20件以上の手術が予定されてるので、今日中に治さねばならないのですが・・・。

ところで清原の覚醒剤容疑で逮捕はショックでしたねぇ・・。

B世代にとっては、正にスーパースター。小学校の時、テレビで甲子園の中継を食い入るように見てましたよ。「甲子園は清原のためにあるのか!?」という植草貞夫アナウンサーの実況も見ておりました。

引退してからは刺青を入れたりして、イカツイ路線を突っ走っていたので、シャブもやってるだろうなぁとは思っておりましたが、実際に逮捕されるとショックですねぇ。

どこかで人生が狂ってしまったんでしょうね。飛鳥と言い、清原と言い、スーパースターならではの孤独にメンタルが耐えきれなかったという事でしょうか。

人間、天才が勝者になるのではなく、最終的には精神及び肉体の健康を有しているものが勝者になるということですね。

さて、先日は福岡の手術学会に参加してまいりました。一番印象に残ったのはノーベル賞受賞者中村修二先生の講演です。実際のノーベル賞受賞者の話を生で聞ける機会など人生でそうそうないので、楽しみにしておったのですが、面白かったです。中村先生はかなり個性派ですね〜。(^^) まぁあれくらいじゃないとノーベル賞なんて取れないですね。協調性は全く無さそうでした〜。(^^;)

器械展示では、そろそろOCTに蛍光眼底検査機能が着いてくるようですね。凄い時代になったものです。Bは開業してからは造影剤によるショックが嫌なので、FAは一切やっておりません。OCTで非侵襲的に無血管領域などを描出出来るようになれば、患者さんにとっても眼科医にとっても素晴らしいことですね。

学会時は、昼間の講演を聞くのも大事ですが、夜に色々な先生と交流を深め、情報を交換することも醍醐味でございます。今回も、様々な先生にお会いさせて頂きましたが、いやはや、日本は広いですね〜。Bが存じてない、未知の豪傑がゴロゴロとしております。当然、Bの言う「豪傑」とは眼科手術開業医としてという意味でございます。

つい先日、久々にアニキ先生とゆっくりとお話しする機会があり、大変有意義な時間を過ごさせて頂きましたが、アニキ先生の論客っぷりはさらに凄味を増し、これからの眼科手術開業医としての進み方につき深く考えさせられました。

坂本竜馬が若いころ、日本を行脚し、勝海舟をはじめ横井小楠橋本左内などに出会い衝撃を受け、その後、西郷隆盛とも出会いますが、Bのイメージではそんな感じですね。同世代の地方豪族(?)の先生とお会いすると大変刺激になります!勇気とパワーを頂きました!風邪をひいてる場合じゃないですね。
(^^)

ところで本題ですが、現時点での極私的なBのIOL評価です。

Bは現在、2.5mm弧状ブレード(平面換算で2.3mm)で角膜切開を行っております。そこから入るIOLの中で、Bの個人的な評価となります。

しつこいですが、あくまで匿名ブログならではの極私的な評価ですのでご了承ください。

・A社

  1. 術前のセッティングのしやすさ ○
  2. 術中IOLの挿入しやすさ ◎
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 ◎
  4. 術翌日の創口からのリーク ◎(ほぼなし)
  5. 術後のIOL美しさ △
  6. 術後の異常光視症 ○(少ない)

・A'社(冬の低気温時)

  1. 術前のセッティングのしやすさ △
  2. 術中IOLの挿入しやすさ △
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 △
  4. 術翌日の創口からのリーク ◎(ほぼなし)
  5. 術後のIOL美しさ ◎
  6. 術後の異常光視症 △(普通)

・A'社(ノーマルな気温時)

  1. 術前のセッティングのしやすさ ○
  2. 術中IOLの挿入しやすさ ○
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 ○
  4. 術翌日の創口からのリーク ◎(ほぼなし)
  5. 術後のIOL美しさ ◎
  6. 術後の異常光視症 △(普通)

・N社(SZ)

  1. 術前のセッティングのしやすさ ◎
  2. 術中IOLの挿入しやすさ ◎
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 △
  4. 術翌日の創口からのリーク △(たまにあり)
  5. 術後のIOL美しさ ○
  6. 術後の異常光視症 ×(多い)

・H社(IS)

  1. 術前のセッティングのしやすさ ◎
  2. 術中IOLの挿入しやすさ ○
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 △
  4. 術翌日の創口からのリーク △(たまにあり)
  5. 術後のIOL美しさ ○
  6. 術後の異常光視症 ○(少ない)

・S社

  1. 術前のセッティングのしやすさ △
  2. 術中IOLの挿入しやすさ △
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 △
  4. 術翌日の創口からのリーク ◎
  5. 術後のIOL美しさ ◎
  6. 術後の異常光視症 -(症例数少ないため判別困難)

てな感じでしょうか。ちなみに、A'社IOLはA社のCカートリッジ&インジェクターシステムでサイドポートからカウンターを当てて挿入しております。

Bの2.5mm弧状ブレード角膜切開からなら、冬はA社IOLが一番かなという結論です。一時は術後のSSNG問題で震撼しましたが、改良後、現在見ている限りでは良くなっているのではないでしょうか??ただ、それより昔に挿入したIOLの激しいSSNGを見ていると不信感を完全に拭い去るまでは至ってません。あと、後発白内障抑制のためにシャープエッジになっているのですが、他社のIOLに比べると術後異常光視症の訴えが少ない気がします。何故かはわかりませんが、使いやすいです。

A'社IOLは素材の固さが、この時期にはネックですねぇ・・。一例、年末に、A'社トーリックを挿入した際、きれいに前方ループが光学部の上にセットされてなく、クエスチョンマーク(?)みたいな形で挿入しちゃったのですが、眼内でループが復元しようとオートマチックに動いた際、後嚢が破れちゃいましたよ・・。粘弾性物質挿入が少なかったり、元々後嚢が弱かったりと悪条件が重なったものと思われますが、低気温時のA'社IOL、特に着色IOLの固さには辟易しております。メーカーが言うように、粘弾性物質や灌流液を温めたりすれば良いのかも知れませんが、邪魔くさがりやのB的にはイチイチそんなまどろっこしいことやってられまへんわ。保温庫でIOLを温めることはやっております。クリアIOLの場合は着色より硬さがマシなので、マルチで虎舞竜が起こってないのは救いです。

逆に、気温が高い時期は現時点では一番良い評価に跳ね上がります。春が待ち遠しいですね〜。

シャープエッジの影響か、術後異常光視症の訴えはまぁまぁあります。大概、時間がたつと訴えられなくなるのでそれほど重篤ではないようです。

N社はプリセットであり、ナースからの評判は抜群ですが、B的には術後異常光視症の訴えが群を抜いて多いような気がしております。あの長いループにその秘密が隠されていると思っておりますがどうでしょうか。ややナーバスな患者さんには要注意という認識です。それがなければ、ナースの評価は抜群なのでメインに昇格もあり得るレンズですが、惜しいですねぇ。あと2.5mm弧状角膜切開では翌日に少しリークが散見されます。

H社は、新しいやつは使ってないので、前からのプリセットIOLです。特徴は異常光視症が少ないことと後発白内障が多い事ですね。IOLの硬さも特徴ですね。

S社はセッティングが煩雑、インジェクターも硬いし、次の新製品開発が待ち遠しいですね。それまでは値段で勝負するしかないような気はします。

何度も繰り返しますが極私的な評価でございますよ〜。

IOLは非球面レンズが主流になって、一気に切開創が狭まりましたが、その後は頭打ちですね〜。やっぱ現状のアクリル素材の非球面レンズなら、2.4mm前後が必要と言うことになります。A社は発想を変えて、オートサートを用いることによって、より小さな切開創からIOLが安全に挿入できるというコンセプトを出してますが、ハンドピース代が結構かかるので、一部マニアックなDr向けで万人に普及することはないでしょうね。

本日は以上です。