混合診療を認める時期に来ているのでは・・・ by B

いやはや早いもので、この間、お正月を迎えたと思ったら、もうゴールデンウィークが目前に迫っております。年を経るにつれ、時間の経過が早く感じるとは聞いておりましたが、これは真理ですね。どういう機序でそう感じるのかはわかりませんが、1年なんてあっという間ですわ・・・。

先日、熊本で大地震が発生いたしました。被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。言うまでもなく日本は地震大国。そして、今回も予知もへったくれもなく、全くノーマークのエリアでの大地震です。

地震の年表を見ておりますと(→ http://www.ifinance.ne.jp/bousai/disaster/quake_japan.html )、日本中至る所で、M6以上の大地震が頻発しております。特に21世紀に入ってからはエスカレートしているようです。

そもそも、日本国自体が、世界に類例の見ない複雑な地殻の上にありますので、こうなると最早、自らのエリアにも地震が起こると思って人生計画をたてた方が無難ですね。

地震の保険は必須ですし、もし被災した場合どう行動するかを日常からシュミレートしておかねばなりませんね。

現在、政府が地方創生の一環として、中央官庁の地方移転を推し進めようとしておりますが、結局みんな総論賛成各論反対で、一向にすすみません。中央省庁の官僚方が猛烈に反対しているようです。反対している官僚の方々の意見は口では何とでも言えますが、結局のところは「単に面倒くさい」、「子供の教育問題」、「田舎に住みたくない」など矮小な理由だと思いますよ。

また古代ローマ帝国の話で申し訳ないですが、ローマ帝国は当然ローマが首都であり続けましたが、西暦330年にコンスタンティノープルに遷都しました。理由は色々ありますが、蛮族からの侵入から首都を守るためが一番大きいのではと思います。結局、西暦1453年にオスマントルコの攻撃によりコンスタンティノープルが陥落してしまうのですが、1000年以上生きながらえたとも言えます。

日本のような地震大国で、東京のみに機能が集中している状態は、むしろ愚策以外の何物でもなく、早急に首都機能分散、もしくは移転を進めるべきに決まっております。所詮、日本は狭いし、かつネットがこれだけ発展しているのですから、全国の主要都市に官庁が分散しても、問題ないでしょう。そもそも、平安時代などは、時代の趨勢に応じて、遷都をしまくっておりましたし、鎌倉時代は京と鎌倉、江戸時代も京・大坂と江戸というように機能が分散していた時代もありました。1868年に東京に遷都し約150年経過、現在は東京に機能が集中し過ぎたのでボチボチ変える時期だと思いますね。

先日、百田尚樹氏の「カエルの楽園」を読みましたが、さすが百田氏!現在日本の危機を寓話調にして正確に著述しております。

カエルの楽園

カエルの楽園

平和ボケしたナパージュの住民(日本人)は、平和を当然の事と思いこみ、自分たちが変な気さえ起こさなければ永遠に平和が続くものと信じ切っております。実際に対処せねばならない問題が生じても、「今までが平和だったから何とかなるだろう」と思いこみ、現実を直視せずに自ら都合の良い解釈を繰り返し行い、結果、滅亡してしまいます。まさに今、日本で起こりつつ現象をものの見事に風刺しておりますね。

この本の読んだ人は、左翼的な思想の方々は多いに不快感を感じると思いますが、やや右寄りの保守層も清涼な読後感は得られないと思います。どこかで改革を起こさないと、現状のままではいつかあの本の通りになってしまうんだろうな・・・と切に感じ、焦燥感や不安感が募る人が多いのではないでしょうか。

いつもの、安全保障、憲法改正の話は当然の事ですが、我々の仕事に直接関わる、国民皆保険制度も、このままいけば、100%、確実に破たんすることは目に見えているのに何も変わろうとしておりません。年金問題もしかり。少子化問題もしかり・・・・

国民皆保険制度に関しては、我々眼科手術医は、多焦点眼内レンズ手術でプチ混合診療を10年とは言いませんが、それに近い年数を経験してきました。

先進医療(混合診療)をやっていて、「多焦点眼内レンズ手術患者さんは金持ち優遇だ!!」と、通常の保険診療単焦点眼内レンズ手術患者さんとの間で虎舞竜になったことは皆無でございます。

良くある反応としては、

「そりゃ、メガネなしで生活出来れば嬉しいけど、デメリットもないではないし、メガネは苦じゃないから単焦点で宜しいわ〜」

と言った感じです。元々医療に関心が高く、先進医療特約に加入しておられたことが後押しとなって、このレンズを選択される方が多いのは多いですが、民間保険の先進医療特約に入っていなくても、多焦点レンズのメリットデメリットを納得され、自腹で大金を支払ってこのレンズを選択される方も少なくありません。

旅行が好きな人がお金をやりくりして貯金し、海外旅行に出かけたり、ファッションに興味のある方が他の事を犠牲にして服飾費にお金をかけたりするのと同じ理屈で、医療にお金をかけたい人もたくさんおられます。

多焦点眼内レンズは混合診療に相応しい医療だと思います。

むしろ、これが保険診療になってしまった時の混乱の方が危惧されます・・。保険適応ということで、安易な気持ちで多焦点眼内レンズを希望される患者さんが増えれば、絶対に虎舞竜が続出しだしますし、医療費も跳ね上がってしまうでしょう。

勿論、全ての医療が混合診療になってしまうことは絶対に避けねばなりませんが、混合診療反対の方々の意見を聞いていると(まぁ、日本医師会がその急先鋒なのですが・・・)、「憲法改正=悪」に近い「混合診療=悪」という意味不明の価値観に囚われているように見受けられます。

これだけ医療の高度化が進めば、生命にかかわるものは勿論、オーソドックスな治療に関しては国民皆保険制度内で行うのは当然として、付加価値が付くものや、最低限必要と認められない医療サービスに関しては差額を国民自体が負担する方が、むしろ、国民皆保険制度を長持ちさせることに繋がるとBは思うのであります。

そういう意味で、現在の乱視矯正単焦点レンズは国民皆保険制度適応、多焦点レンズは先進医療(混合診療)という配分は、はからずも絶妙と言えると思います。(乱視矯正単焦点レンズは保険点数の上乗せをしてもらわないと困りますが・・・。)

地震の話から、無理やりこの話に持っていた感じではありますが、現状を冷静に分析し、将来の危機を予測して柔軟に変化していくということは、種が続くために必要不可欠であると確信しております。このブログでボヤいていても何も変わらないとは思いますが、心ある政治家、エリート官僚の方々には英断を下していただき、日本が引き続き、安全で素晴らしい国であり続ける為の道を模索して頂きたいと切に願っております。

本日は以上でございます。