近況報告・・・レーシック、レーザーフェイコ、百人隊長号のその後 by B

今月は珍しく、月に2回目の更新でございます!

先日の日曜日ですが、出身大学同窓会の評議員と言うものになっており、その総会に出ておりました。出席者の中で、Bはダントツの若輩者であり、ほとんどの方が卒業年度が昭和30年〜40年代でした。
(^^;)

Bは出身高校の同窓会副会長もさせられて(?)るのですが、結局、このような会にでると、議題は似たようなもんですね〜。要するに、「なかなか会費が集まらない」や「若い世代が同窓会に関心がない」といったことです。

とりわけBは眼科というマイナー科だから強くそう感じるのかもしれませんが、きょうび、医局制度自体が崩壊しつつあり、「どこどこ大学出身」というネームバリューも昔ほど通用しなくなっていますし、同業ならともかく、「同窓会に出て大学の先生方と縦のパイプを強くする」メリットがあまりないですよね・・・。諸大先輩方の苦悩もむべなるかな・・・と言う気がします。嫌らしい言い方をすれば、諸先輩方もメリットがあったから同窓会活動を頑張って来られたんだと思いますし、若い先生方に来てもらおうと思うなら、若い先生らがメリットを感じるような同窓会にしなければならないですねぇ。

フェイスブックなどを見ていても、今の先生方は、大学、もしくは出身医局というより、各々の専門分野で出身大学や医局の枠を超えた幅広い付き合い・情報交換の方を、昔より遥かに重視しているような感じです。Bもそうです。

と言う訳で、出身大学同窓会の関心を若い世代に喚起する具体的な案を、いつもあのような場に出ると考えようとはするのですが、なかなか難しいですね〜。高校の方がまだやりようによっては可能性はあると思います。

さて、本業の話ですが、まずはレーシックの話から。

Bのクリニックでレーシックをするようになってから、1年半以上になりましたが、レーシック術後の方々の成績は素晴らしいです!未だに自分でも不思議でたまらないのですが、エキシマレーザーの正確性と言うのは凄いですね〜。近視も遠視も乱視も、本当にレフ上でゼロに近く出来ます。あれを発明した先生はノーベル賞もんだと思いますね。

ここ最近はたまたまかもしれませんが、徐々にレーシックオペ希望患者さんが増えて来ている印象です。まぁ、とは言っても月に3〜4人いれば上等といった認識ですが・・・。

ただ、多焦点レンズ手術を執刀する機会の多い白内障サージャンとしては、やはり自院にエキシマレーザーがあると言う安心感は計り知れません。マルチIOLオペ後のタッチアップは、結局今のところ、少し遠視方向に度数ズレを起こした方を1例やっただけですが、術後は遠方・近方視力ともに上昇し、患者さんも大満足されておられます。

ちゃんとした適応を守って(残存フラップ厚、角膜後面不正乱視の確認)やる分には、十分に安全性が確保されていると思うので、もっと正しい認識が世に広まって欲しいと思います。ほとんどの方が、「レーシック等、屈折矯正手術に関心はあるけれども、危険な気がするし怖い」と思っておられますからねぇ・・。いやはや、過去をグチグチ言っても仕方ないですが、日本のレーシックがJSCRSか眼科手術学会等の学会主導で、眼科手術医がやる手術として導入され、成長していってたならば、今はもっと違う形になっていたと思います。

ちなみにBは、PRKやレーゼック等のsurface ablationはやりません。術後数日はかなり痛みが強いですし、1週間程度痛みが続く手術はどうかと思うのと、ヘイズ防止のための術後点眼や紫外線予防も、患者さんのコンプライアンスを考えると不安ですね〜。これらの手術は「開業医レーシック」にそぐわないと感じてます。それこそ、レーシック専門に特化したクリニックや大学病院等でやるべき手術ではないかと考えております。

と言う訳で、Bのクリニックでは、少しでもレーシックに不安のある方はICL(フェイキックIOL)をお勧めするわけですが、値段が高いので、その時点でほとんど方が屈折矯正手術を諦める・・と言う形になってしまっております。ICLはもっと値段を下げるべきだと思いますけどねぇ。ちょっとレンズ値段が高すぎるのが、普及の妨げになってると強く感じます。少なくともレーシックの値段+50000円以内くらいに収まらないとなかなか難しいですね。レーシックが安すぎるという見方も出来ると思います。

レーザーフェイコですが、だんだん慣れてきました。どうしても、通常のマニュアルフェイコに比べて時間が掛かるのがデメリットではありますが、手術の安全性と言う意味ではこちらの方に軍配が上がると感じております。

レーザーフェイコのもう一つの魅力は、AK、すなわち角膜切開による乱視矯正をある程度再現性のある形で安全に施行できることです。特に1.2以上の角膜倒乱視のある方で、テクマル等の二焦点マルチを希望された患者さんには、絶大な効果を発揮します。AKの切開もフェムトセカンドレーザーならではですが、上皮はintactで角膜実質のみを切開するので、患者さんにとっては術後の痛みも全くありません。ノモグラムは

と言った感じでザックリしたものですが、まぁ、レーシックと違って乱視ゼロを目指しているわけではなく、1D未満になれば良いと思ってやる分には全然使えます。何より、設定さえしてしまえば、フットスイッチを踏んでいるだけで正確に強主経線を切開してくれるのはレーザーフェイコのメリットを感じます。

経営的には、導入価格を考えると現状ではまだ、道楽の域を超えないかとも思いますが、より正確で安全な手術を追求するならば、ますますレーザーフェイコの重要性が高まって来るのではと感じております。

最後に、百人隊長号のその後ですが、ようやく設定も落ち着いて快適に手術出来るようになってまいりました!

ただ、完全に満足しているわけではございません。

まず、あの「ストレートチップ感覚で男汁が使用可能」と銘打って登場した「Balanced Tip」ですが、通常のストレートチップと同じ感覚で使用していると、思ったより角膜内皮側でフェイコをかけてしまっていることが多く、術翌日に想定外の角膜浮腫及び内皮減少を来たすことがあります。ここは慣れるしかないですが、チップのデザインを変えれば解決できる問題と思います。

また、一番の問題は、チップが不自然に屈曲しているので、操作中にチップを動かしていると、スリーブがチップの膨らみと接してしまい、急激に灌流量が落ちてしまう局面もあります。チップをあまり動かさないように留意しながらオペをするべきでございます。あと、1st chop中もチップを核に埋め込んだ際に、ふくらみ部がスリーブに干渉するのか、今までのマシンではあり得ない状況で急に灌流量が落ちることがあります。これは後に述べる、1st chop時のpunch outと少なからず関連性があると思われます。

スリーブにもまだまだ工夫が必要かと思います。Bがこよなく愛する「マニー社製2.5mm弧状ブレード」にベストフィットするスリーブがこの世に存在しておりませんし、スリーブがもう少し硬ければ、先に述べた、「想定外の灌流量減少」も避けられるはずでございます。

Balanced Tip+男汁のコラボでの核破砕効率は抜群でございます。しかし、これに酔っていると、特に柔らかい核、硬い核でも核のエリアが小さいnuclear catではpunch outの危険性が伴います。昨年Bは1年間通して4例しか破嚢しなかったのですが、今年は5月終了時点で既に3例破嚢でございます・・・。うち2例はそれまで皆無だった、1st chop時のpunch outですわ・・。
(ToT)

マシンが変わり、色々設定が固まるまでは、破嚢率が上がってしまうのも致し方ないので、このことでA社や百人隊長号を責めるつもりは毛頭ございましぇん。ただ、激しい破砕力の裏側にはそれなりの反作用もあるのだということを身を持って知った次第でございます。

とは言え、通常の症例でスムーズにオペが遂行された場合のオペ時間、フェイコタイムは明らかに短縮しておりますので、現在、最強のマシンであるとは言えると思います。

フェイコマシン好きのBとしては、この冬あたりに、サイン号の進化版が出るらしいので、早く、それと百人隊長号を闘わせて、比較してみたいと思っております〜。
(^^)

本日は以上でございます。