近況報告・・・レーシック、レーザーフェイコ、百人隊長号のその後 by B

今月は珍しく、月に2回目の更新でございます!

先日の日曜日ですが、出身大学同窓会の評議員と言うものになっており、その総会に出ておりました。出席者の中で、Bはダントツの若輩者であり、ほとんどの方が卒業年度が昭和30年〜40年代でした。
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Bは出身高校の同窓会副会長もさせられて(?)るのですが、結局、このような会にでると、議題は似たようなもんですね〜。要するに、「なかなか会費が集まらない」や「若い世代が同窓会に関心がない」といったことです。

とりわけBは眼科というマイナー科だから強くそう感じるのかもしれませんが、きょうび、医局制度自体が崩壊しつつあり、「どこどこ大学出身」というネームバリューも昔ほど通用しなくなっていますし、同業ならともかく、「同窓会に出て大学の先生方と縦のパイプを強くする」メリットがあまりないですよね・・・。諸大先輩方の苦悩もむべなるかな・・・と言う気がします。嫌らしい言い方をすれば、諸先輩方もメリットがあったから同窓会活動を頑張って来られたんだと思いますし、若い先生方に来てもらおうと思うなら、若い先生らがメリットを感じるような同窓会にしなければならないですねぇ。

フェイスブックなどを見ていても、今の先生方は、大学、もしくは出身医局というより、各々の専門分野で出身大学や医局の枠を超えた幅広い付き合い・情報交換の方を、昔より遥かに重視しているような感じです。Bもそうです。

と言う訳で、出身大学同窓会の関心を若い世代に喚起する具体的な案を、いつもあのような場に出ると考えようとはするのですが、なかなか難しいですね〜。高校の方がまだやりようによっては可能性はあると思います。

さて、本業の話ですが、まずはレーシックの話から。

Bのクリニックでレーシックをするようになってから、1年半以上になりましたが、レーシック術後の方々の成績は素晴らしいです!未だに自分でも不思議でたまらないのですが、エキシマレーザーの正確性と言うのは凄いですね〜。近視も遠視も乱視も、本当にレフ上でゼロに近く出来ます。あれを発明した先生はノーベル賞もんだと思いますね。

ここ最近はたまたまかもしれませんが、徐々にレーシックオペ希望患者さんが増えて来ている印象です。まぁ、とは言っても月に3〜4人いれば上等といった認識ですが・・・。

ただ、多焦点レンズ手術を執刀する機会の多い白内障サージャンとしては、やはり自院にエキシマレーザーがあると言う安心感は計り知れません。マルチIOLオペ後のタッチアップは、結局今のところ、少し遠視方向に度数ズレを起こした方を1例やっただけですが、術後は遠方・近方視力ともに上昇し、患者さんも大満足されておられます。

ちゃんとした適応を守って(残存フラップ厚、角膜後面不正乱視の確認)やる分には、十分に安全性が確保されていると思うので、もっと正しい認識が世に広まって欲しいと思います。ほとんどの方が、「レーシック等、屈折矯正手術に関心はあるけれども、危険な気がするし怖い」と思っておられますからねぇ・・。いやはや、過去をグチグチ言っても仕方ないですが、日本のレーシックがJSCRSか眼科手術学会等の学会主導で、眼科手術医がやる手術として導入され、成長していってたならば、今はもっと違う形になっていたと思います。

ちなみにBは、PRKやレーゼック等のsurface ablationはやりません。術後数日はかなり痛みが強いですし、1週間程度痛みが続く手術はどうかと思うのと、ヘイズ防止のための術後点眼や紫外線予防も、患者さんのコンプライアンスを考えると不安ですね〜。これらの手術は「開業医レーシック」にそぐわないと感じてます。それこそ、レーシック専門に特化したクリニックや大学病院等でやるべき手術ではないかと考えております。

と言う訳で、Bのクリニックでは、少しでもレーシックに不安のある方はICL(フェイキックIOL)をお勧めするわけですが、値段が高いので、その時点でほとんど方が屈折矯正手術を諦める・・と言う形になってしまっております。ICLはもっと値段を下げるべきだと思いますけどねぇ。ちょっとレンズ値段が高すぎるのが、普及の妨げになってると強く感じます。少なくともレーシックの値段+50000円以内くらいに収まらないとなかなか難しいですね。レーシックが安すぎるという見方も出来ると思います。

レーザーフェイコですが、だんだん慣れてきました。どうしても、通常のマニュアルフェイコに比べて時間が掛かるのがデメリットではありますが、手術の安全性と言う意味ではこちらの方に軍配が上がると感じております。

レーザーフェイコのもう一つの魅力は、AK、すなわち角膜切開による乱視矯正をある程度再現性のある形で安全に施行できることです。特に1.2以上の角膜倒乱視のある方で、テクマル等の二焦点マルチを希望された患者さんには、絶大な効果を発揮します。AKの切開もフェムトセカンドレーザーならではですが、上皮はintactで角膜実質のみを切開するので、患者さんにとっては術後の痛みも全くありません。ノモグラムは

と言った感じでザックリしたものですが、まぁ、レーシックと違って乱視ゼロを目指しているわけではなく、1D未満になれば良いと思ってやる分には全然使えます。何より、設定さえしてしまえば、フットスイッチを踏んでいるだけで正確に強主経線を切開してくれるのはレーザーフェイコのメリットを感じます。

経営的には、導入価格を考えると現状ではまだ、道楽の域を超えないかとも思いますが、より正確で安全な手術を追求するならば、ますますレーザーフェイコの重要性が高まって来るのではと感じております。

最後に、百人隊長号のその後ですが、ようやく設定も落ち着いて快適に手術出来るようになってまいりました!

ただ、完全に満足しているわけではございません。

まず、あの「ストレートチップ感覚で男汁が使用可能」と銘打って登場した「Balanced Tip」ですが、通常のストレートチップと同じ感覚で使用していると、思ったより角膜内皮側でフェイコをかけてしまっていることが多く、術翌日に想定外の角膜浮腫及び内皮減少を来たすことがあります。ここは慣れるしかないですが、チップのデザインを変えれば解決できる問題と思います。

また、一番の問題は、チップが不自然に屈曲しているので、操作中にチップを動かしていると、スリーブがチップの膨らみと接してしまい、急激に灌流量が落ちてしまう局面もあります。チップをあまり動かさないように留意しながらオペをするべきでございます。あと、1st chop中もチップを核に埋め込んだ際に、ふくらみ部がスリーブに干渉するのか、今までのマシンではあり得ない状況で急に灌流量が落ちることがあります。これは後に述べる、1st chop時のpunch outと少なからず関連性があると思われます。

スリーブにもまだまだ工夫が必要かと思います。Bがこよなく愛する「マニー社製2.5mm弧状ブレード」にベストフィットするスリーブがこの世に存在しておりませんし、スリーブがもう少し硬ければ、先に述べた、「想定外の灌流量減少」も避けられるはずでございます。

Balanced Tip+男汁のコラボでの核破砕効率は抜群でございます。しかし、これに酔っていると、特に柔らかい核、硬い核でも核のエリアが小さいnuclear catではpunch outの危険性が伴います。昨年Bは1年間通して4例しか破嚢しなかったのですが、今年は5月終了時点で既に3例破嚢でございます・・・。うち2例はそれまで皆無だった、1st chop時のpunch outですわ・・。
(ToT)

マシンが変わり、色々設定が固まるまでは、破嚢率が上がってしまうのも致し方ないので、このことでA社や百人隊長号を責めるつもりは毛頭ございましぇん。ただ、激しい破砕力の裏側にはそれなりの反作用もあるのだということを身を持って知った次第でございます。

とは言え、通常の症例でスムーズにオペが遂行された場合のオペ時間、フェイコタイムは明らかに短縮しておりますので、現在、最強のマシンであるとは言えると思います。

フェイコマシン好きのBとしては、この冬あたりに、サイン号の進化版が出るらしいので、早く、それと百人隊長号を闘わせて、比較してみたいと思っております〜。
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本日は以上でございます。

ゴールデンウィークのタイ・パタヤ旅行で感じたこと by B

本日はGWまっただ中でございます。皆様、如何お過ごしでしょうか?

Bは妻の妹夫婦が、現在タイのパタヤに駐在しているので、この連休を利用して家族で遊びに行っておりました〜。昨晩の便で今朝早朝に帰国してきた次第でございます。今回はその感想文とさせていただきます〜。

タイはプーケットに昔行ったことがあり、それ以来でした。この5月が一年で最も暑い時期らしく、最低温度が30℃と確かにめっちゃ暑かったです・・・。到着した初日昼に、近くの寺院に観光に行ったのですが、暑すぎて汗が滝のように流れてくるし、子供がブーブー文句言うし、昼間の観光は無謀でした・・。パタヤの夜の街は大変にぎわっておりましたが、やっぱ、そうなりますね。元々、夫婦共々、トムヤムクンはじめ、東南アジア系の料理は大好物ですので、タイ料理食べまくりで満喫してまいりました〜。
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しかし、タイっちゅうのは面白い国ですね〜。「微笑みの国」と言われ、仏教国で皆様礼儀正しく気持ちの良い国であることは肌身で感じますが、あのニューハーフ密度は尋常ではありません!!夜のニューハーフショーも見に行きましたが、そういうプロだけじゃなく、普通のレストランにも明らかにそれとわかる人がおられます。
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現地に来て、1年半になる義妹夫妻は、もう見慣れてしまって何とも思わないとのことですが、Bファミリーは目が点ですわ〜。中3になる長男はカルチャーショックを受けてましたね。
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義弟は、ルーピー一族が大株主となっている超有名企業に勤務しておりますが、義弟の勤務する工場にも、うじゃうじゃニューハーフがおられるとのこと!そして、彼の国では社会的に全く問題なく受け入れられてるようで、懐の深さに感心しきりでございます。

されど、今思い返すと、日本人なら、織田信長森蘭丸の関係は有名ですし、軍神上杉謙信が子供がいないのも、男色専門だったとの噂があります。また女人禁制で戒律の厳しいお寺系では寵童の存在は公然でしたし、Bが最近得意になった古代ローマ系でも、五賢帝の内の一人、ハドリアヌス帝と寵童アンティノウスの関係も公然のものだったようです。

アンティノウスなどは当時世界最高権力者のお相手だったので、現在でもルーヴル美術館に彫像(レプリカ)が展示されてるとのこと。これを見る限り確かに美形ですね〜。

と言う訳で、現在は、キリスト教及びイスラム教が男色に対して非常に厳格な立場を取っているため、我々も知らず知らずのうちにその価値観に染まってましたが、人間、我々が思っているよりも高い、ある一定の割合でそっちの方に感受性が高い人が存在するということでしょうね〜。

タイは熱心な仏教国であるがゆえに、男子は必ず一度は出家して数年間お寺で女人禁制の修業をしないといけないらしく、その際に眠ってる才能を開花させられたりして、還俗してもそのままいっちゃうケースが多いそうですね。まぁ、あれだけ身近にたくさん居れば、抵抗も少ないのでしょうねぇ。

ここまで書いて来て、誤解されてるのではと、ふと不安を感じてしまいましたが、Bは全くその気はありませんよっ!!タイで純粋にビックリしたので、話題にしただけでございますよ。n女人専門です。悪しからず。

また、義妹夫妻は、さすが超有名企業正社員だけあって、家賃20万円以上の極上の高級マンションに住んでおり、部屋はまさにオーシャンビューで、景色は最高。運転手さんもおり、我々ファミリーの送迎も含めて、全てやってくれます。で、週3日、メイドさんが来てくれて掃除・洗濯をしてくれるとのこと。それら全て会社が持ってくれるとのこと。あと、現地でかかった医療費も家族分含めて全額会社持ち。

う〜む。凄すぎる!!

いわゆる有名大学を出て超有名企業に就職した、Bの中高同級生からも「海外赴任したら日本では考えられないような夢のような生活」と、今までも聞いておりましたが、実際に遊びに行くと納得ですね〜。

共産党系の人がこれを目の当たりにすると、「大企業優遇税制のお陰じゃっ!!けしからんっ!!」と憤ることと思いますが、勿論Bはそんなことは思わず、日の丸を背負った企業戦士なので、この厚遇を励みにしてバリバリ頑張って欲しいと思っております。義弟も、早朝から、遅い時は午前様になるときもあるようで、バリバリ働きまくっているとのことでした〜。そして、語弊が有るかも知れませんが、日本はやはり、世界で最も力のある国の一つであることを再確認しました。

そして、「医者って金持ち金持ちって言われてるけど本当にそうなのか??」という疑問も湧いて来ました。

勿論、Bは一生懸命頑張っているので、年収では義妹夫妻に勝っていることは間違いないのですが、子供も医者にしようとして掛かっている教育費や、仕事で言うと職員に支払う人件費、医院建物および設備投資に関わる借金の返済などで出ていくお金の額も半端ないっす・・・。
(´Д`;)

義弟の給与は手取り額面は少ないですが、大企業ならではの保険金でかなり引かれてますし、これも将来の貯金みたいなものでしょうから、身体を壊したら一巻の終わりである手術開業医とどっちが良いとも言い切れないですね。

まぁ、大企業サラリーマンを羨ましいと思う訳ではないですが、昨今の教育ママたちは、「医学部医学部!」と合唱し、医学部の偏差値がドンドコ上がって行ってる今日この頃のようですが、このブログで何度も指摘したと思いますが、医療は勿論、人間が快適に生活するために必要不可欠な分野で、有能が人材が医師となるべきですが、所詮、医療は国の福祉部門であり、海外からお金を稼いでくるという「モノづくりニッポン」の王道をもっと大切にしてもらいたいと思いますね。優秀な人材が、勿論、起業しても良いですが、世界に誇る大企業の企業戦士として世界を縦横無尽に駆け巡ってくれないと、これからの日本は立ちゆきませんので。

話は変わりますが、パタヤは日本人観光客は非常に少なく、例の如く、中国人と何故かロシア人がめちゃくちゃ多かったです。やはり両国は、現在の二大帝国主義国であり、強面の習近平氏やプーチン氏が高支持率を獲得しているだけあって、国民性もイケイケドンドコですねぇ。朝食のバイキングやエレベーター、細かい話で申し訳ないですが、チェックアウト時の行列でも横はいりなど、仁義なき戦いが繰り広げられておりました。まぁ、Bはここで偉そうに色々吠えてますが、所詮は日本人。横入りされても主張することなく、「ま、いっか・・・。仕方ないか・・」と泣き寝入りし、後で嫁はんにボヤイているという体たらくでございました・・。ちなみに、タイへの入国審査時、行列を待っている時に、ふと頭を上げると、大画面に中国語で「旅先でやってはいけないこと」のようなマナー講座をやってましたので、世界中どこでも同じことで悩んでいるのだな〜と微笑ましく感じました。
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勿論、中国人の方は全員そういう方と言うわけではなく、いわゆる「大人然」とされたマナー溢れる方もたくさんおられます。当然日本人でもマナーを守れない人も沢山いますからね。ただ、国民として統計をとると、やっぱり中国人観光客が多いとどの国も色々虎舞竜がおおいようです・・。
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あと、印象としては、タイは日本車が圧倒的にシェアを獲得してますね。Bの見た所、トヨタがダントツ、その次がマツダと、何故かイスズの車が多かったです。また、やや高齢の白人男性とやや若めのタイ人(女性かニューハーフかは不明・・・)カップルも至る所で見受けられました。これは、リタイア後の一般白人男性の夢の一つの姿かと感じた次第。

バンコクスワンナプーム国際空港は人種の坩堝といった感がありましたが、飛行機を待っている間、色々観察しておりますと、ホンマに人種を問わず、みんなfacebookとLINEをやりまくってますね!あと、スマホ(勿論、アイフォンが一番多い)もほとんど人が持っている印象です。Bも全て使っておりますが、スマホ(アイフォン)及びfacebookとLINEは世界中の人々の生活を一変させましたね〜。正にイノベーションでございます。

まだ書こうと思っていたこともありましたが、旅の疲れが出てきたので、本日はこの辺で筆を置きます。とりとめのない話ですみません!本日は以上です〜。

混合診療を認める時期に来ているのでは・・・ by B

いやはや早いもので、この間、お正月を迎えたと思ったら、もうゴールデンウィークが目前に迫っております。年を経るにつれ、時間の経過が早く感じるとは聞いておりましたが、これは真理ですね。どういう機序でそう感じるのかはわかりませんが、1年なんてあっという間ですわ・・・。

先日、熊本で大地震が発生いたしました。被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。言うまでもなく日本は地震大国。そして、今回も予知もへったくれもなく、全くノーマークのエリアでの大地震です。

地震の年表を見ておりますと(→ http://www.ifinance.ne.jp/bousai/disaster/quake_japan.html )、日本中至る所で、M6以上の大地震が頻発しております。特に21世紀に入ってからはエスカレートしているようです。

そもそも、日本国自体が、世界に類例の見ない複雑な地殻の上にありますので、こうなると最早、自らのエリアにも地震が起こると思って人生計画をたてた方が無難ですね。

地震の保険は必須ですし、もし被災した場合どう行動するかを日常からシュミレートしておかねばなりませんね。

現在、政府が地方創生の一環として、中央官庁の地方移転を推し進めようとしておりますが、結局みんな総論賛成各論反対で、一向にすすみません。中央省庁の官僚方が猛烈に反対しているようです。反対している官僚の方々の意見は口では何とでも言えますが、結局のところは「単に面倒くさい」、「子供の教育問題」、「田舎に住みたくない」など矮小な理由だと思いますよ。

また古代ローマ帝国の話で申し訳ないですが、ローマ帝国は当然ローマが首都であり続けましたが、西暦330年にコンスタンティノープルに遷都しました。理由は色々ありますが、蛮族からの侵入から首都を守るためが一番大きいのではと思います。結局、西暦1453年にオスマントルコの攻撃によりコンスタンティノープルが陥落してしまうのですが、1000年以上生きながらえたとも言えます。

日本のような地震大国で、東京のみに機能が集中している状態は、むしろ愚策以外の何物でもなく、早急に首都機能分散、もしくは移転を進めるべきに決まっております。所詮、日本は狭いし、かつネットがこれだけ発展しているのですから、全国の主要都市に官庁が分散しても、問題ないでしょう。そもそも、平安時代などは、時代の趨勢に応じて、遷都をしまくっておりましたし、鎌倉時代は京と鎌倉、江戸時代も京・大坂と江戸というように機能が分散していた時代もありました。1868年に東京に遷都し約150年経過、現在は東京に機能が集中し過ぎたのでボチボチ変える時期だと思いますね。

先日、百田尚樹氏の「カエルの楽園」を読みましたが、さすが百田氏!現在日本の危機を寓話調にして正確に著述しております。

カエルの楽園

カエルの楽園

平和ボケしたナパージュの住民(日本人)は、平和を当然の事と思いこみ、自分たちが変な気さえ起こさなければ永遠に平和が続くものと信じ切っております。実際に対処せねばならない問題が生じても、「今までが平和だったから何とかなるだろう」と思いこみ、現実を直視せずに自ら都合の良い解釈を繰り返し行い、結果、滅亡してしまいます。まさに今、日本で起こりつつ現象をものの見事に風刺しておりますね。

この本の読んだ人は、左翼的な思想の方々は多いに不快感を感じると思いますが、やや右寄りの保守層も清涼な読後感は得られないと思います。どこかで改革を起こさないと、現状のままではいつかあの本の通りになってしまうんだろうな・・・と切に感じ、焦燥感や不安感が募る人が多いのではないでしょうか。

いつもの、安全保障、憲法改正の話は当然の事ですが、我々の仕事に直接関わる、国民皆保険制度も、このままいけば、100%、確実に破たんすることは目に見えているのに何も変わろうとしておりません。年金問題もしかり。少子化問題もしかり・・・・

国民皆保険制度に関しては、我々眼科手術医は、多焦点眼内レンズ手術でプチ混合診療を10年とは言いませんが、それに近い年数を経験してきました。

先進医療(混合診療)をやっていて、「多焦点眼内レンズ手術患者さんは金持ち優遇だ!!」と、通常の保険診療単焦点眼内レンズ手術患者さんとの間で虎舞竜になったことは皆無でございます。

良くある反応としては、

「そりゃ、メガネなしで生活出来れば嬉しいけど、デメリットもないではないし、メガネは苦じゃないから単焦点で宜しいわ〜」

と言った感じです。元々医療に関心が高く、先進医療特約に加入しておられたことが後押しとなって、このレンズを選択される方が多いのは多いですが、民間保険の先進医療特約に入っていなくても、多焦点レンズのメリットデメリットを納得され、自腹で大金を支払ってこのレンズを選択される方も少なくありません。

旅行が好きな人がお金をやりくりして貯金し、海外旅行に出かけたり、ファッションに興味のある方が他の事を犠牲にして服飾費にお金をかけたりするのと同じ理屈で、医療にお金をかけたい人もたくさんおられます。

多焦点眼内レンズは混合診療に相応しい医療だと思います。

むしろ、これが保険診療になってしまった時の混乱の方が危惧されます・・。保険適応ということで、安易な気持ちで多焦点眼内レンズを希望される患者さんが増えれば、絶対に虎舞竜が続出しだしますし、医療費も跳ね上がってしまうでしょう。

勿論、全ての医療が混合診療になってしまうことは絶対に避けねばなりませんが、混合診療反対の方々の意見を聞いていると(まぁ、日本医師会がその急先鋒なのですが・・・)、「憲法改正=悪」に近い「混合診療=悪」という意味不明の価値観に囚われているように見受けられます。

これだけ医療の高度化が進めば、生命にかかわるものは勿論、オーソドックスな治療に関しては国民皆保険制度内で行うのは当然として、付加価値が付くものや、最低限必要と認められない医療サービスに関しては差額を国民自体が負担する方が、むしろ、国民皆保険制度を長持ちさせることに繋がるとBは思うのであります。

そういう意味で、現在の乱視矯正単焦点レンズは国民皆保険制度適応、多焦点レンズは先進医療(混合診療)という配分は、はからずも絶妙と言えると思います。(乱視矯正単焦点レンズは保険点数の上乗せをしてもらわないと困りますが・・・。)

地震の話から、無理やりこの話に持っていた感じではありますが、現状を冷静に分析し、将来の危機を予測して柔軟に変化していくということは、種が続くために必要不可欠であると確信しております。このブログでボヤいていても何も変わらないとは思いますが、心ある政治家、エリート官僚の方々には英断を下していただき、日本が引き続き、安全で素晴らしい国であり続ける為の道を模索して頂きたいと切に願っております。

本日は以上でございます。

レーザー白内障、百人隊長号、その後 by B

いやはや、書こう書こうと思いつつ、3月は結局更新出来ず・・・。2か月開いてしまいました〜。

先日、長い間かかりましたが、塩野七生氏の「ローマ人の物語」全15巻をついに完読!!正直言いまして、ローマが衰退していく終わりの方の巻は、あんまり心躍る展開も無く、読み進めるスピードが激減してしまいました。仕方ないですねぇ・・・滅亡の過程を追っていくのは全然楽しくありませんから。ユリウス・カエサルのあたりは、面白くて凄いスピードで読んだものですが。

滅亡の原因は端的に言うと

・領土が大きくなりすぎて、国境警備にかかる軍事費の増大化で国家破産

ローマ帝国の衰退に伴って、一神教であるキリスト教が爆発的に普及し、求心力を維持するためキリスト教を国教化し、古代ローマ帝国のシステムが上手く作動しなくなった(例;兵役拒否など)

この2つが大きいと個人的には感じました。

とは言え、諸行無常・盛者必衰は避けることのできない真理でありますので、古代にかくも長期に渡って繁栄を持続したことの方が注目に値します。

その理由は

・徹底的なインフラ整備

・異民族に対する同化政策の成功(ローマに対する服従さえ了承すれば信仰や習慣の維持を認める)

・強大な軍事力(重装歩兵が世界一強力だった)

が挙げられると思います。軍事力に関しては、歩兵がメインの時代は良かったのですが、騎兵メインの時代になると、異民族に押され続けるということになりました。大日本帝国が、戦艦が最強軍事力の時代には強かったのに、航空機がメインになるとアメリカにボコボコにやられたのに似てなくはないですね。

インフラ整備の徹底に関しては、凄いっとしか言いようがありません。今から2000年以上前に水道や完全舗装の道路が帝国中に張り巡らされていたというのは驚嘆でございます。現在日本が曲がりなりにも繁栄しているのも、インフラ整備がしっかりと出来ていることも一因ですね。一般ピーポーはどうしても目先の金に目が行ってしまうので、インフラ整備の重要性に気づきませんが、やはり、インフラは大事だと再認識しました。

異民族に対する同化政策の成功ですが、古代ローマの宗教が多神教であったことが大きいですね。ていうか、その時代、一神教と言えばユダヤ人のローカル宗教であるユダヤ教しかなかったわけで、キリスト教に至っては、怪しげな新興宗教としか見られていなかったのですが。

実は、「ローマ人の物語」の続編にあたる、「ローマ亡き後の地中海世界」も読み進めておりますが、古代が終わって、暗黒の中世に突入すると、イスラム教が台頭し、科学技術の面でもイスラム世界がリードし、イスラム教徒が「サラセン」と呼ばれ海賊やりまくりでヨーロッパを荒らしまわります。で、キリスト教側もブチ切れて、十字軍を結成し、イスラムキリスト教の血を血で洗う戦いが延々と続きます・・・。その時代、キリスト教内での教義論争で内輪もめを繰り返していたようですね。

イスラム教的には、イスラム教を信仰していない人間は「イヌ」とさほど変わらず、殺害しても何ら罪悪感を感じることはありません。そして、1000年前から彼らは大規模な軍事行動は苦手で、基本発想は、「少人数で機動力を活かし相手の一番弱い所を襲う」となります。

そう考えると、現在もさほど状況は変わっていないっすね・・・。(-o-;)

イスラム国のテロの報道等を見ていると、

「あのような狂信的なイスラム原理主義者は極一部であり、ほとんどのイスラム教徒は穏健であるから、イスラム教とヨーロッパ世界(キリスト教)の対立をことさら煽ることは現実を見誤ることになる」

との、一見、最もなコメントを良く耳にしますが、B的には、これもまた現実を見誤っていると思います。コーランにはかなり攻撃的な事も書いてあるようですしね。

いずれにせよ、一神教って、本当に人類にとって幸福を運ぶツールになっているのか??という点に大いなる疑問を抱き始めている今日この頃です。やっぱ、日本固有の穏やかな神道や、思いっきり多神教宗教である仏教が良いですよ。


さて、本業の話です。

先月より、A社のLenSxを導入し、Bのクリニックでもレーザー白内障手術を開始いたしました。

現在、まだ数例しか施行していないわけですが、印象としましては、思ったより良いです。

CCCからある程度の核分割まで眼球を固定した状態で事前に済まされているというのは、楽ですね。

通常の白内障手術中に、患者さんが目をキョロキョロ動かして、CCCなどの操作が非常にやりにくい状況というのは一日手術をやっていれば1例や2例はありますが、その時術者には大量のストレスがかかっていたことに改めて気づかされた次第でございます。

熟練した術者の場合、破嚢する際は、勿論手術手技に起因することもありますが、患者さん側の極度の緊張や眼球運動に依ることの方が多いと思います。

患者さん側からすれば、「手術リスクの更なる低減」をお金で買うという形になりますが、金額の多寡を脇に置きますと、双方にとってメリットがあることは間違いないと感じております。特に、チン小帯脆弱症例にはかなり良いと思います。

フェムトセカンドレーザーですが、どうやら糠床のように、各施設の気温や湿度、そしてマシンの癖によって、設定値が微妙に変わって来るようです。現在、既に2例、CCCがコンプリート出来てませんでした。うち、1例はコンプリート出来ていたと確信していたのに、少し切れ目が入っていたようで、IOL(ファインビジョン)を入れた際、ピロリ〜ンっと裂けてしまいました。赤道部まで回り込むほどではなかったので、大勢には影響はありませんが、今までの鑷子でのCCCではあり得ない状況ですね・・。その後、A社の方と相談して設定を変えたので、もう大丈夫だと思います。

角膜切開は、一回やりましたが、スパーテルで切開創を離解させるのにかなり難渋したため、すっかりやる気を失くしてしまいました・・・。通常通り、弧状ブレードで強主経線切開をしております。

核分割は、マンゴーカットなども試してみましたが、B的にはそれほどメリットも感じず。結局はピザのように分割するようになりました。超音波時間は明らかに減少しますが、術翌日の炎症を見ていると、全く炎症がないということはなく、まぁまぁありますね。そういえば、YAGレーザーでも一過性眼圧上昇があるように、レーザーで水晶体を分割すること自体が目にはそこそこストレスを与えているのではないかと思います。あと、前嚢直下に水晶体上皮細胞が、通常の白内障手術に比べて多く残存しやすいような気がしております。熱でこびりついてしまうのでしょうか??

まだ、始めたばかりなので、これから色々試して洗練していきたいと思っております。

あと、フェイコマシーン百人隊長号ですが、まだ自分なりにしっくりとする設定に辿り着けておりません・・。前房安定性は、「Active Fluidics」とかっこええ名前が付けられ、めっちゃ良さそうな雰囲気を醸し出してますが、勿論、悪くはないですが、めちゃくちゃ良いという感じもしません。普通にサージも起こりますので、最後の核片は従来通りフットスイッチをポンピングしながら慎重に吸引しております。

正直、色々いじくれるパラメーターが多すぎて、困ってしまいますねぇ。しかしながら、妥協するのは絶対嫌なので、しつこくA社の方と相談しながらやっている最中です。

A'社のサイン号はすぐに決まったのですが・・。

トーショナルフェイコは、核破砕効率が良いのが最大のメリットですが、核のfollowavilityがイマイチのような気がします。フェイコ中、前房内ではかなり激しい乱流が起こっているようなので、サイドポートが大きくなりすぎて、leakがそこそこあったりすると、非常にイマイチな状況になります。B的には、しっかりとしたハイドロは勿論ですが、細かく核分割をし、トーショナルフェイコ中はチョッパーを抜いて、一手法で核を平らげて行った方がキレイな手術になる印象です。

まだ百人隊長号に対する自分のスタイルが決まってないのはもどかしい気がしますが、ぼちぼち気長にやっていく所存です。

本日は以上です。

極私的IOLの評価 by B

いやはや。久々に風邪をひき、本日は予定をキャンセルして静養に努めております。自動的に鼻水が落下し、くしゃみもバンバン出て、苦しい事この上ないっす・・・。明日も20件以上の手術が予定されてるので、今日中に治さねばならないのですが・・・。

ところで清原の覚醒剤容疑で逮捕はショックでしたねぇ・・。

B世代にとっては、正にスーパースター。小学校の時、テレビで甲子園の中継を食い入るように見てましたよ。「甲子園は清原のためにあるのか!?」という植草貞夫アナウンサーの実況も見ておりました。

引退してからは刺青を入れたりして、イカツイ路線を突っ走っていたので、シャブもやってるだろうなぁとは思っておりましたが、実際に逮捕されるとショックですねぇ。

どこかで人生が狂ってしまったんでしょうね。飛鳥と言い、清原と言い、スーパースターならではの孤独にメンタルが耐えきれなかったという事でしょうか。

人間、天才が勝者になるのではなく、最終的には精神及び肉体の健康を有しているものが勝者になるということですね。

さて、先日は福岡の手術学会に参加してまいりました。一番印象に残ったのはノーベル賞受賞者中村修二先生の講演です。実際のノーベル賞受賞者の話を生で聞ける機会など人生でそうそうないので、楽しみにしておったのですが、面白かったです。中村先生はかなり個性派ですね〜。(^^) まぁあれくらいじゃないとノーベル賞なんて取れないですね。協調性は全く無さそうでした〜。(^^;)

器械展示では、そろそろOCTに蛍光眼底検査機能が着いてくるようですね。凄い時代になったものです。Bは開業してからは造影剤によるショックが嫌なので、FAは一切やっておりません。OCTで非侵襲的に無血管領域などを描出出来るようになれば、患者さんにとっても眼科医にとっても素晴らしいことですね。

学会時は、昼間の講演を聞くのも大事ですが、夜に色々な先生と交流を深め、情報を交換することも醍醐味でございます。今回も、様々な先生にお会いさせて頂きましたが、いやはや、日本は広いですね〜。Bが存じてない、未知の豪傑がゴロゴロとしております。当然、Bの言う「豪傑」とは眼科手術開業医としてという意味でございます。

つい先日、久々にアニキ先生とゆっくりとお話しする機会があり、大変有意義な時間を過ごさせて頂きましたが、アニキ先生の論客っぷりはさらに凄味を増し、これからの眼科手術開業医としての進み方につき深く考えさせられました。

坂本竜馬が若いころ、日本を行脚し、勝海舟をはじめ横井小楠橋本左内などに出会い衝撃を受け、その後、西郷隆盛とも出会いますが、Bのイメージではそんな感じですね。同世代の地方豪族(?)の先生とお会いすると大変刺激になります!勇気とパワーを頂きました!風邪をひいてる場合じゃないですね。
(^^)

ところで本題ですが、現時点での極私的なBのIOL評価です。

Bは現在、2.5mm弧状ブレード(平面換算で2.3mm)で角膜切開を行っております。そこから入るIOLの中で、Bの個人的な評価となります。

しつこいですが、あくまで匿名ブログならではの極私的な評価ですのでご了承ください。

・A社

  1. 術前のセッティングのしやすさ ○
  2. 術中IOLの挿入しやすさ ◎
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 ◎
  4. 術翌日の創口からのリーク ◎(ほぼなし)
  5. 術後のIOL美しさ △
  6. 術後の異常光視症 ○(少ない)

・A'社(冬の低気温時)

  1. 術前のセッティングのしやすさ △
  2. 術中IOLの挿入しやすさ △
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 △
  4. 術翌日の創口からのリーク ◎(ほぼなし)
  5. 術後のIOL美しさ ◎
  6. 術後の異常光視症 △(普通)

・A'社(ノーマルな気温時)

  1. 術前のセッティングのしやすさ ○
  2. 術中IOLの挿入しやすさ ○
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 ○
  4. 術翌日の創口からのリーク ◎(ほぼなし)
  5. 術後のIOL美しさ ◎
  6. 術後の異常光視症 △(普通)

・N社(SZ)

  1. 術前のセッティングのしやすさ ◎
  2. 術中IOLの挿入しやすさ ◎
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 △
  4. 術翌日の創口からのリーク △(たまにあり)
  5. 術後のIOL美しさ ○
  6. 術後の異常光視症 ×(多い)

・H社(IS)

  1. 術前のセッティングのしやすさ ◎
  2. 術中IOLの挿入しやすさ ○
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 △
  4. 術翌日の創口からのリーク △(たまにあり)
  5. 術後のIOL美しさ ○
  6. 術後の異常光視症 ○(少ない)

・S社

  1. 術前のセッティングのしやすさ △
  2. 術中IOLの挿入しやすさ △
  3. 眼内に入ってからのIOLの挙動 △
  4. 術翌日の創口からのリーク ◎
  5. 術後のIOL美しさ ◎
  6. 術後の異常光視症 -(症例数少ないため判別困難)

てな感じでしょうか。ちなみに、A'社IOLはA社のCカートリッジ&インジェクターシステムでサイドポートからカウンターを当てて挿入しております。

Bの2.5mm弧状ブレード角膜切開からなら、冬はA社IOLが一番かなという結論です。一時は術後のSSNG問題で震撼しましたが、改良後、現在見ている限りでは良くなっているのではないでしょうか??ただ、それより昔に挿入したIOLの激しいSSNGを見ていると不信感を完全に拭い去るまでは至ってません。あと、後発白内障抑制のためにシャープエッジになっているのですが、他社のIOLに比べると術後異常光視症の訴えが少ない気がします。何故かはわかりませんが、使いやすいです。

A'社IOLは素材の固さが、この時期にはネックですねぇ・・。一例、年末に、A'社トーリックを挿入した際、きれいに前方ループが光学部の上にセットされてなく、クエスチョンマーク(?)みたいな形で挿入しちゃったのですが、眼内でループが復元しようとオートマチックに動いた際、後嚢が破れちゃいましたよ・・。粘弾性物質挿入が少なかったり、元々後嚢が弱かったりと悪条件が重なったものと思われますが、低気温時のA'社IOL、特に着色IOLの固さには辟易しております。メーカーが言うように、粘弾性物質や灌流液を温めたりすれば良いのかも知れませんが、邪魔くさがりやのB的にはイチイチそんなまどろっこしいことやってられまへんわ。保温庫でIOLを温めることはやっております。クリアIOLの場合は着色より硬さがマシなので、マルチで虎舞竜が起こってないのは救いです。

逆に、気温が高い時期は現時点では一番良い評価に跳ね上がります。春が待ち遠しいですね〜。

シャープエッジの影響か、術後異常光視症の訴えはまぁまぁあります。大概、時間がたつと訴えられなくなるのでそれほど重篤ではないようです。

N社はプリセットであり、ナースからの評判は抜群ですが、B的には術後異常光視症の訴えが群を抜いて多いような気がしております。あの長いループにその秘密が隠されていると思っておりますがどうでしょうか。ややナーバスな患者さんには要注意という認識です。それがなければ、ナースの評価は抜群なのでメインに昇格もあり得るレンズですが、惜しいですねぇ。あと2.5mm弧状角膜切開では翌日に少しリークが散見されます。

H社は、新しいやつは使ってないので、前からのプリセットIOLです。特徴は異常光視症が少ないことと後発白内障が多い事ですね。IOLの硬さも特徴ですね。

S社はセッティングが煩雑、インジェクターも硬いし、次の新製品開発が待ち遠しいですね。それまでは値段で勝負するしかないような気はします。

何度も繰り返しますが極私的な評価でございますよ〜。

IOLは非球面レンズが主流になって、一気に切開創が狭まりましたが、その後は頭打ちですね〜。やっぱ現状のアクリル素材の非球面レンズなら、2.4mm前後が必要と言うことになります。A社は発想を変えて、オートサートを用いることによって、より小さな切開創からIOLが安全に挿入できるというコンセプトを出してますが、ハンドピース代が結構かかるので、一部マニアックなDr向けで万人に普及することはないでしょうね。

本日は以上です。

白内障手術のマルメ by A

ひさしぶりに投稿してみようと、当ブログにログインしましたが、なんと、IDとpwを忘れそうになっていました。なんとか思い出してログインに成功したものの、年々老化が進んでいるのを感じます。昇り龍のB先生とは違って、話題に事欠くようになってきたAですが、最近思っていることなどを書いてみます。

B先生にならって政局の話をしばし。アベノミックスが成功しつつあるとはいえ、まだまだ日本の経済状況はそれほど上向いては来ていません。と、思っていると、正月明けより株価ががたがたになってきました。これは中国や発展途上国の影響と言われています。ISが勃興してきて以来、石油価格が下落し、サウジが危なくなり、中国やオーストラリアにも波及してきました。なんと言っても、中国やインドの購買力が世界経済を支えていますので、日本にも影響が及んでいるのです。

消費税増税によりデフレが再現してきたとはよく言われることですが、庶民の購買力は確かに低下していると感じることが多いです。レーシックなどの自費診療が減って来ているのはもちろんですが、保険診療においても、高額の自己負担が払えないと訴える患者さんも続出しています。

それを補うべく民間の医療保険があるのですが、年々、給付内容がみすぼらしくなっているようです。反面、先進医療特約はまだ健在です。そのうちの大多数を占めるのが、われわれの多焦点IOLと言われていますので、いずれは給付見直しという事態も考えておかなくてはなりません。レーシックの二の舞です。

さて、本年度は保険点数の改定があります。薬価や材料費の値下げの反面、医師の技術料はやや上向きとのことで、ほっと一安心というところですが、どんな落とし穴が待ち受けているとも限りませんので、油断は禁物です。

前回の改定では、入院白内障手術のマルメという、びっくりするような変化がありましたのは、記憶に新しいところです。今回はこれがどうなってゆくのでしょうか。

一度の入院で片眼でも両眼でも同じ値段ということになったので、想像通り、基本、片眼のみの手術とする施設が大多数となったようです。ということは、両眼の白内障でも、最低2週間はあけて手術する必要があり、入院施設では、二度に渡って入退院を繰り返すという、まことに煩わしいことになっているのです。患者さんにとって、残念なことと言わざるをえませんし、医学の発展をも阻害する要因になっています。

先日当院を受診された中年の患者さんは、両眼ともー10D程度の高度近視の白内障でした。矯正視力にはやや差があるものの、両眼とも手術をして、適切な屈折に持ってゆかなければならないことは申すまでもありません。ところが、ある公的総合病院眼科にて、

「片一方の眼はあんまり白内障が進んでいませんから、今回は左眼だけの手術にしましょう」と言われました。手術眼の狙いを−10Dにしたいのか、あるいは、術後、コンタクト装用を勧めたいのか不明ですが、これほどの屈折異常を片眼手術とする神経を疑います。しかし、医師の肩を持つとすれば、入院手術マルメの影響で、仕方なく片眼手術を勧めているのかもしれません。

財政の影響か何か知りませんが、事実上の片眼手術推奨は、政策担当者様におかれまして、白内障手術が屈折手術でもあるという事実をご理解いただいていないことを示しています。といいますのも、屈折異常が強い時、片眼のみの手術のあとでは左右の屈折度数が大きく異なるという「不同視」になりますので、生活や視力の質が大きく低下してしまうからです。

もし−10Dの狙いとしたらどうなるか。不同視は免れるかもしれませんが、この患者さんは一生、たとえ認知症になったとしても、分厚いメガネを掛けないと生活できないことになります。多分、そんなメガネはいずれ掛けることができなくなりますから、QOLやQDAの低下は免れません。

よって、高齢の患者さんでは、今後の生活を考えたればこそ、正視〜軽度近視の適切な屈折を与えてあげなければならないのです。これは医学的にMUSTというべきですので、現行の入院白内障手術医療における政策は医学の進歩に逆行しているのです。

幸い、われわれ日帰り手術施設においては、そのようなマルメがありませんので、比較的自由に手術日を選ぶことができます。自由診療の多焦点レンズ移植では、基本、両眼同日手術としているくらいです。

さきほどの患者さんですが、「両眼とも手術をして、手元の読書距離に合わせると、室内ではほぼメガネをはずせますよ。」とご説明し、両眼手術の予約を取っていただきました。「メガネがはずせるなんて、夢見たいです!」と泣き出さんばかりの喜ばれようでした。

今回の改定で、白内障の片眼手術を推奨するような不親切な制度が改められることを願ってやみません。

A社百人隊長号の実力 by B

新年明けましておめでとうございます!本年も宜しくお願い申し上げます。

B家のお正月は毎年恒例で実家でのんびり過ごします。実家と言っても、自宅から徒歩1〜2分の同じ町内ですので、まぁ自宅でのんびりと同じ意味ですね。遠方に住んでいる妹一家がやってくるので、積もる話をしながら、ダラダラ過ごすと言った感じです。当家は幸い、親族間で子供たちの年齢が近く、いとこ同士が非常に仲良しなので、毎年子供の歓声(怒声?)が響き渡る賑やかなお正月となります。
(^^;)

皆様は如何お過ごしでしょうか?

個人的に昨年を振り返りますと、可もなく不可もなくと言った所でしょうか。大病もせず、手術件数は前年よりも増え、悪い年ではありませんでしたが、長年の懸案である自分以外の常勤Drの確保がまだ出来ておらず、今後に向けて盤石の態勢とは到底言えません。

常勤Drの確保は、自分が選り好みし過ぎなのかも知れませんが、なかなか難しいですね〜。

個人的には40歳代前半で、「手術件数が多くてしんどいので、誰かに手術を手伝って欲しい・・」という心境ではなく、まだまだ手術に関しては「ナンボでもやりまっせ!」と言った感じです。一方、外来に関しては個人的には自分で全員を診たいのですが、時間的制約からも患者待ち時間の面からもそれは不可能で、他のDrに手伝ってもらっております。非常勤ですと、自分の「やり方」と言いましょうか、「思想」が上手く伝わってなくて歯がゆい思いをすることも少なくありません。

やはり、「開業医=プライベートクリニック」なので、院長の方針・考え方を熟知している先生に診療を手伝ってもらえるのが理想ですが、子育て中の女医先生に頼み込んできてもらうと、自分も、それらの先生も忙しく、結局コミュニケーション不足のままで1年が終わってしまった感があります。やっぱ、午前診療だけしか来てもらってないと、ゆっくり話し合う時間が取れないですね〜。やっとこさ、こっちの診療が終わったと思ったら、女医先生の外来はとうに終了しており、既に帰っておられる場合がほとんどです。勿論、自分も3人の子供を持つ親ですし、子育て中の女医先生の立場も十分に理解しております。自分が旦那さんだったら、「まず家庭をしっかり守ってもらった上で、空いた時間で仕事をして欲しい」と思いますので、小さなお子様の居る女医先生に過度な負荷は与えないように注意しているつもりでございます。

理想は、

・明るく愛想よくコミュニケーション能力がバリバリあってスタッフとの関係も良好で、患者さんに優しい、おしゃべり好きのDr

・院長のやり方・思想を十分に分かっていて、午前も午後もほぼ毎日、レーザーを含む外来診療をやってくれるDr

・手術は院長の専門外の分野をやってくれるDr

・勉強会や学会、更に飲み会も厭わず参加してくれるDr

・院長(及び、親父やおふくろ、嫁はんも含めB家全体)とウマが合い、家族ぐるみで付き合えるDr

てな感じでしょうか。まぁワガママかも知れませんがあくまで理想です。(^^;)

手術はどっちでも良いですが、やはり外来診療で患者さんを呼べるDrが欲しいですね〜。

せっかく当院に来てもらっても、雇用したDrの方が「あぁ、楽しくないなぁ。やり甲斐がないなぁ。」と思う状況だったら、絶対に上手く行きませんので、ピッタリと合う先生にめぐり会うまでは焦らずに行こうと思っております。まぁ、結婚と同じで、あまり理想ばかり言っていては、いつまで経っても独身生活を続けることになるわけですが。

いっそのこと、Drを増やさずに、「一人でできる範囲の規模で、好き勝手にやろうか」とも思ったりしますが、そうなると、「クリニックの進歩がここで止まる=衰退が始まってしまう」ような気もします。まぁ、取りあえず現状でもクリニックは回っているので、焦らずに行きます。

本日は本題に入る前にもう一つ。

年末にビッグニュースが飛び込んでまいりましたね。そう、

慰安婦問題の日韓合意」です。

骨子は以下の通り、

・「日本政府は責任を痛感し」、「安倍首相は、元慰安婦の方々に心からおわびと反省の気持ちを表明する」、
・「日本政府の予算(10億円)により全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる」
・「問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認し、今後、国連等国際社会において相互に非難することを控える」
 ・韓国外相は、さらに慰安婦少女像の撤去する努力をするとも表明している。

保守・リベラル双方から色々な批判や失望も聞こえてきますが、B的には「さすが、安倍首相。やるなぁ。」と言った印象です。

かつての河野談話の時代と違い、韓国が世界中でアピールしまくったせいで、最早、慰安婦問題は世界の注視する問題となっています。

当然主導権は金を払う側(=日本)にあるわけですから、これからは韓国が合意を守らねば韓国が恥をかくと言うことになります。そもそも民間団体が法律を無視して設置した日本大使館慰安婦像を撤去させることも出来ない政府って、世界の笑いものになりますし、それさえもしないのに、お金だけもらおうというのは「本当に解決する気があるのか?」とこれまた韓国にとって恥となりましょう。

韓国内では、「法的責任を認めていないのが許せん!」と言ってるそうですが、それを言い出したら、広島や長崎の原爆被災者の方々がアメリカを訴えたり、イラクの民衆がアメリカを訴えたりできることになりますので、世界中が大混乱になります。こういう事は政府同士の合意で解決するしかないのです。

案の定、韓国内では「屈辱の合意」と大騒ぎになっておるようですが、一気に、日本の頭を悩ませる国際問題から、韓国内の問題に矮小化してしまいました。まるで手品のようです。

逆に言えば、「韓国政府がどうしてこの条件での合意を呑んだか・・」の方にBは関心があります。三橋貴明氏が言うとおり、ホンマに韓国経済は瀕死の状況で困ってるのでしょうか。多分、そうなんでしょうねぇ。

当然、朴大統領を丸め込んで、日韓米離反を目論んでいた中国共産党北朝鮮は目をむいて怒り狂っております。

確かに、日本の総理大臣の公的謝罪は、一部保守派からすれば屈辱と思うかもしれませんが、今後慰安婦カードでグチグチ言われるよりは良いとBは考えます。あとは、韓国が合意を守るかを注視ですね。今回の合意に好意的なBとしても、象徴的な日本大使館慰安婦像の撤去が為されぬうちに「おわびや反省の言葉」「10億円の支払い」は絶対にしてはいけないと考えております。

さて、ようやく本題でございます。昨年末にニューフェイコマシーンを購入しましたので、その報告でございます。

Bは、A'社のサイン号をこよなく愛し、ご機嫌に使用しておりましたが、早いものでリース期間も終了し5年以上使用したことになります。最近のコンピュータが支配するマシンだけに5年経つと、チョコチョコとコンピューターの不具合が出現し始めた段階で、A社の方から猛烈なアタックを受け、購入に至った次第でございます。

A社百人隊長号と書くと、何の事やらサッパリわからんかと思いますが、そうです。セン○ュリオン号でございます。

セン○ュリオンはCENTURIONの英語読みで、ラテン語では「ケントゥリオ」、ローマ時代の軍団戦闘単位である百人隊の隊長のことです。今でいう、中隊長→大尉くらいのポジションです。ローマ時代、百人隊長に選ばれた人は非常に名誉とされ、またカエサルをはじめとするローマの名将たちは彼らを手足の如く使いこなして最強国家を作り上げたのでした。

何度かこのブログで触れておりますが、Bは昨年来、塩野七生氏の「ローマ人の物語」を読み進めておりますので、正にBに買ってくれと言わんばかりのネーミングではありませんか!!

とは書いたものの、正直言いまして、サイン号に何の不満も無かったBは、百人隊長号のデモに全く乗り気ではなく、あまりにもA社サイドが(しつこく?)デモを懇願するので、「じゃあやってみよか」と渋々デモをした次第でございます。

そもそも5年前、A社の無限号もデモしており、男汁の核破壊力は認めるものの、曲りのケルマンチップがどうしても気に入らず、ストレートチップのサイン号を選んだ経緯があります。今回A社はストレートチップ好きの術者でも違和感なく出来るようにBalanced Tipなるチップを擁して、再度挑んで来たのでした。

「ちょっと曲がってるやん。大丈夫??」

と思いながらデモをしたのですが、確かにかつてのケルマンチップのような違和感は全く感じず、核破砕効率も上々でございます。

また、ケルマンチップ時代、一時問題になった、創口部分への負担がかなり軽減されているようで、無限号男汁に比べて非常に静かなオペをしている感覚になりました。またBは強主経線切開でオペをしており、症例によって、上方、耳側と移動しますが、コードレスのフットスイッチになって、この移動が従来に比べて格段に楽でした。これは大きな決め手となりましたね。と言う訳で購入を決定しました。

チップのべベルは30°と45°がありますが、破砕効率で考えれば圧倒的に45°の方がよいのでBは45°で使用しております。

設定は、核分割モードと、核分割後の核平らげモードを作成しました。核分割モードは縦発振メインで、核硬度によりフェイコパワーを調整します。縦フェイコパワーはサイン号時代とほぼ同等で、普通の核で30%、柔らかめで25%、チョイ硬で40%、バリ硬で45%orそれ以上ってな感じです。平らげモードは、いわゆるトーショナル、男汁のみです。

最初は、マシンの最大パワーを実感しようと、かなりのハイバキュームハイフローでやっておりましたが、それでやると訳のわからんまま、ガツガツ核を平らげてオペが終わってしまいます。そうなると、自分の予期せぬ方向の核を食べてたり、いきなり2つの核を同時に食べ始めたりして、内皮に核片が当たってたり、エピを先に食べてしまい、後嚢直上で核破砕している形になったりするので、結局、合併症に繋がりやすくなると感じ、今は少し落とした設定でやっております。それでも十分にパワフルかつ繊細なオペが可能です。

前房安定性はバッチリです。正直、それまでのフェイコマシーンでも不満はなかったので、特段の進化は現時点では感じませんが、メーカーが更に良くなったと言うので良くなったのでしょう!

不満点は、

・Bは角膜乱視量で、2.5mmと2.65mmの弧状ナイフを使い分けてたのですが、スリーブが推奨切開創1.8mm〜のナノスリーブと2.2mm〜のウルトラスリーブの2種類しかなく、2.5mm弧状でも少し緩いくらいで、2.65mmならフェイコ中に若干リークが生じる点。そもそも、現時点の日本で使用可能なIOLの挿入時に2.4〜2.65、もしくはそれ以上のの創幅が必要なので、もうワンサイズ大きめのスリーブが欲しいです。

・IAはMAX設定、すなわちバキューム600mmHg、吸引流量50cc/minでやってますが、サイン号ベンチュリーIAの方が吸引効率は勝ってますね。

・従来の設定に加え、術中の前房内圧を表す「IOP」というパラメータが増え、ボトルの上げ下げではなく、その値で前房内圧を調整します。フェイコ中は悪くないですが、例えば後嚢が弱い、ヒラヒラしているような方のIAの際、嚢に張りがないので後嚢にへばりついてしまった薄い皮質の処理がやりにくいです。これに関しては、IOP高めのIA設定も作成しました。

まだ1ヶ月も使用してないので、また変わってくると思いますが、現状ではこんな印象です。A'社のマシンに慣れ過ぎてしまって、例えばフットスイッチポジション1の灌流だけの際、かつでは音が出ていたのに百人隊長は音なしなのでわかりにくいとか、灌流液がまだ十分に余ってるのに、マシンの方から「早よ変えろ」とサインを出してくるとか、細かなところで不満はないことはないですが、また慣れてくると思われます。

本日は以上でございます。長文に付き合って頂き有難うございました!本年も宜しくお願い申し上げます。