朝日新聞の愛染橋病院報道について by B

早いもので、今週からゴールデンウィークがスタートですね。当院はここ2年、GW毎に改装工事を行っておりました(一昨年は一階の外来エリア、昨年は2階のオペ場・病室エリア)ので、今年が開業してから初めていただける大型連休になります!

例年、お盆も診療することにしておりますので、GWくらい子供たちを旅行に連れていこうと、大好きな沖縄行きを旅行会社に連絡したら(1か月以上前です)、何と70組キャンセル待ちとのこと・・・。じゃあ、近場でのんびりしようと淡路島のホテルを予約しましたが、今度は子供サイドから「習っている拳法の大会があり、絶対出たい!」とか言いだしまして、結局今年もどこにも行かないことになりました。


運気の方は、お陰さまで4月に入ってから上昇し、総手術件数57件(うち白内障46件)と前年同月より、件数は伸びておりました!とは言え、自転車操業は相変わらずで、5月は現時点で10件くらいしか入ってないです。現在、最短で初診3日後にはオペ可能であります。我ながら、現在日本で一番白内障オペ手術待ち期間の短い施設では・・と考えております。

先週木曜日の手術日(8件)で、1/2近くのチン氏帯がハナから断裂している症例がありました。もともと、弱視眼で眼軸長30mm以上(もう片眼が25mm前後)あり、先に優位眼の白内障手術は済ませております。最初は硝子体は脱出してこなかったのですが、phaco中にチン氏帯断裂部からvitが出てきて、ビスコートでvitを押しやりながらオペをしました。phaco途中でCTRを挿入し、IOL挿入後にbimanual vitrctomyで前房内のvitを処理しました。術後は問題なくバッチリでしたが、これで当院に置いてあった最後のCTRを使ってしまいました。今、なかなかCTRが手に入らないようですね〜。早く、日本で普通に購入できる日が来て欲しいです。

さて、昨日、毎週楽しみにしている「たかじんのそこまで言って委員会」を見ておりましたら、勝矢さんが、朝日新聞の愛染橋病院の報道に、激しい怒りを表明しておられました。私は産経新聞を購読しており、偏向報道の多い左よりの朝日新聞毎日新聞は読まないので、全然知りませんでしたが、調べてみると、なるほど。久々の医師バッシングをやっておりました!http://www.asahi.com/national/update/0420/OSK200904200065_01.html


>>大阪府内の産科救急の中心的役割を担う石井記念愛染園(あいぜんえん)付属愛染橋病院(大阪市浪速区)の60歳代の副院長が、飲酒後に病院で「臨時当直」としてお産を取り扱っていたことがわかった。緊急対応の必要がないのに病院に宿泊し、臨時当直手当を受け取っていたこともあった。病院側は「逆子など困難なお産があったときには自分が診たいという熱意の表れ」と説明するが、厚生労働省は「あまりに常識外れ」としている。

 朝日新聞が入手した資料によると、副院長は06年1月〜07年5月に計214回、勤務表に「臨時当直」と記入し、署名していたが、病院関係の宴会に出た後、臨時当直をしたケースが十数回あった。このうち、少なくとも3回は正常分娩(ぶんべん)を取り扱った記録が残っている。宴会後に病院に戻ったものの、分娩記録のない臨時当直も10回近くあった。

 07年5月、産婦から「酒のにおいをさせた男性医師が赤ちゃんを取り上げた。飲酒運転より悪質ではないか」と病院に投書があり、病院側が実態調査していた。

 同病院は274床を備え、リスクの高い妊婦に対応する総合周産期母子医療センター大阪市内で唯一、指定されている。年間分娩数は約1700件で、常勤の産婦人科医は8人。毎日1人が病院で当直し、緊急時に備えた自宅待機の「宅直」も1人いる。

 副院長は取材に事実関係を認め、「飲酒後でも心配な患者がいる時は病院に戻った。飲んでから自宅に戻ると、深夜に緊急の呼び出しがあった際、車を運転して駆けつけられない。飲んだ時こそ病院に泊まらざるを得なかった」と話した。調査結果が出た後、病院から厳しく注意され、禁酒を心がけてきたという。

森本靖彦院長は「副院長は酒も強いので酔わない。急患を助けるために仕方ない面もあり、飲酒運転のように法律違反ではない」と主張。処分などは考えていないという。厚労省医事課は「飲酒した医師に診療させてはいけないのは常識。法に定めがないのは、他に医者がいない場合の緊急避難的な措置を想定してのことで、通常ならあり得ない」としている。

 副院長は06年度、月平均12.7回の当直を務め、時間外・当直手当として計約1千万円を受け取ったとされる。07年9月に「当直は実態に合わせて月6回まで」と定めて以降は、急減したという。

 同病院は大阪府から、新生児集中治療室の増床など施設整備費として、04〜05年度に計2億1730万円、08年度には総合周産期母子医療センターの運営補助費として、1158万円の補助を受けている。(龍沢正之、阿久沢悦子)<<


副院長先生を「悪い医者」と読者に植えつける文章になっておりますが、実際のところは、当直医はいたものの研修医クラスの先生だったようで、「難症例なので心配だから駆け付けた」そうです。当直でも宅直でも何でもないのに、患者さんを助けたい一心で「いざ鎌倉」と駆け付けたのに、このような報道をされれば、そりゃあやる気も無くしますよね。

私も、地方の赤十字病院勤務時代、そこは24時間365日オンコールの病院で、一番下っ端だった私がほとんど当番になっていたのですが、「もう良いかな〜」と思ってお酒を飲んでから呼ばれることも正直ありました!!私は比較的顔に出やすいので、結構バレバレだった時もありました。今、開業してからも当院の留守電の最後の方に「緊急患者様等、お急ぎの方は、○○にご連絡ください」と私の医院用携帯電話の番号を告知しておりますので、年に何回かは夜遅くに医院を開けて、患者さんを見ることがあります。へべれけになっていたら御断りしますが(まあその状態なら携帯電話にまず反応しないと思います・・)、ちょっと飲んだくらいなら普通に角膜鉄片異物など、とりますけどねぇ。

「飲酒しての診療はけしからん!」

という以前に、

「家でリラックスしていたのに、そこでお断りすると患者さんが不幸なので、わざわざ仕事に戻った」

という事情をなぜ斟酌しようとしないのでしょう?

朝日、毎日の偏向報道で医療不信が広がっているのは、賢明な国民は気づいております。勝矢さんも怒り狂ってましたが、このような偏向報道を流しておいて、もう一枚の舌で「産科医・小児科医不足」を声高に叫んでいる朝日新聞。最近、よく出てくる「マスゴミ」という言葉にに相応しいふるまいですね。