アメリカの鏡・日本を読んで by B

昨日は11月23日祝日でございます。祝日名は、一応、「勤労感謝の日」という事になっておりますが、賢明な読者の方ならご存知の通り、本来は「新嘗祭」という五穀の収穫を祝う稲作儀礼の日でございました。新嘗祭

敗戦とは誠に悲痛な事であり、戦後、GHQが行った占領統治で本来の日本の祝日の名前が勝手に変えられ、かつての意味は学校等で教えられることなく、記憶からなくされてしまうように謀られております。

A先生から、「アメリカの鏡・日本」という本を紹介していただき、読了致しましたので、感想を述べます!

アメリカの鏡・日本 新版

アメリカの鏡・日本 新版

この本は、「マッカーサーが本書の日本での出版を禁止した本」という事で、有名な本であり、読むのは初めてでしたが、噂には聞いておりました。著者のヘレン・ミアーズは、東洋学の研究者で、戦後GHQの「労働政策11人委員会」のメンバーとして来日、戦後日本の労働基本法の策定に携わった人物です。

内容は、中立公正な立場で書かれており、冷静に当時の国際政治状況を解説しております。なぜ日本は戦争を起こさねばならなかったのかに対し、非常に納得のいく解答が得られます。ご興味のある方は、こちらのページに内容紹介がありますのでご参照ください。→アメリカの鏡・日本

平たく言えば、「日本は開国後、欧米列強諸国の真面目な生徒であり、(不平等条約を改正してもらおうと)一生懸命に欧米列強の真似をして強国の一員となった。いざ、先生に教えてもらったことを実際の行動にうつし出すと、先生から激怒され、袋叩きにあった」ということです。まあ、私なりの非常に乱暴な要約ですが・・・。

社民党民主党リベラル政治家が大好きないわゆる「自虐史観」というものは、全く持って、アメリカの洗脳教育の成果であり、当時のアメリカ政府が戦時、自国国民への洗脳用に(自らの正当性を保つために)使っていた史観そのままでございます。(ついでに言いますと、日教組労働組合も、GHQの肝いりで作られた組織であり、それらの勢力がこぞって民主党リベラル勢力の集票マシーンになっております)

すなわち、
・日本人は先天的に好戦的民族である
・日本人は狂信的な天皇教信者であり、中韓を侵略し、いずれは米国にも侵略して世界制覇を目論んでいる(=天皇制が好戦的民族日本の原因)

この2点に集約してまいります。まあまわりの日本人を見まわしてみても、日本人はどちらかと言うと、不必要なまでに温厚な民族であり、上記2点は、心外の極みでございます。

一般的な米国人が持っている「軍国・日本」に対する印象は、比較的最近のハリウッド映画「パールハーバー」でも如実に表わされておりました。まあカルト宗教的な感じですな。

最早、歴史に興味のある人たちの間では常識ですが、真珠湾攻撃は奇襲でも何でもなく、既に日本と米英は戦争状態に突入しておりました。あれを奇襲奇襲と言って、「日本人は卑怯者!」と言い張っているのは、正に米国国民に戦争への意欲を高めんがためのプロパガンダに過ぎません。

資源のない日本が、自らの防衛の為に、資源が豊富なのに欧米列強が見向きもしなかった満州エリアを、当時の基準では合法的に日本が取り込もうとしたら、突如、西洋諸国の逆鱗に触れ、よってかかって苛められたわけです。

以下、当該部分の抜粋です

自分たちが革命を起こし近代化の努力をしていたとき、確かイギリスの先生は、社会の安定と国民の忠誠を確保するうえで、王政は優れた知恵だと教えてくれた。そこで、新国家は満州支配の皇統を継ぐ、満州王朝の王位継承者、溥儀に父祖の地にもどって、新しい国を治めて欲しいと「請願」する。そして、日本には満州と日本の相互防衛のために軍隊の駐留をつづけてほしいと請願する。

 これ以上「合法的」なことはないではないか。

しかし、リットン調査団は、そうは考えなかった。報告は、連盟加入国は満州国を承認すべきではない、と勧告した。

日本がリットン報告にびっくりしたのは当然である。報告は日本の誇りを傷つけただけでなく、アジアの大国としての地位を根底から脅かすものだった。心理的衝撃は、日本は西側先進国ではないとされたことである。日本は五大国の高い席から、アジアの後進民族と同じ地位に引きずりおろされたのである。

中略

日本を「侵略者」として非難する民主主義諸国の世論も純粋に人道的とは言えない。つい五年ほど前、米英両国の軍隊と砲艦が自国民の生命財産を守るために中国の「盗賊」を攻撃したとき。両国の世論は中国人を野蛮人と呼んで非難した。イギリスとアメリカの国民は忘れているようだが、日本人はよく覚えている。ところが、日本が同じように中国の「盗賊」を攻撃すると、同じ国民が日本人を野蛮人と呼ぶのである。

そこで日本人は、こうした非難は日本の行動に対してではなく、人種に向けられたものだという結論に行きつく。中国人もリットン報告を子細に読めば、同じ結論に達しただろう。国際連盟がリットン報告を受け入れ、連盟とアメリカが満州国を独立国として承認しなかったことから、日本は連盟を脱退した。 アメリカの鏡・日本 P293-295

この本は一事が万事、この調子であり、「日本は悪い!侵略者だ!!」と責められるような事は、全てはアメリカなど欧米列強がやっていた事と同じことであり、同じ事を日本人がすると、皆でよってかかって認めない・・これの繰り返しであります。すなわち、アメリカ国民は日本人を侵略者と言うが、日本の姿は欧米諸国の鏡に映った姿であり、「侵略者」というのは自ら自身のことなんだよという話です。

日本が全く悪くなかったとも言いませんが、その時の世界情勢からすれば、いたし方のない事であり、少なくとも当時の日本人は、日本を守るために一生懸命だったのです。真珠湾攻撃出撃直前の、我々の先輩のカラー映像をご覧いただきましたでしょうか。日本国を守らんがための出撃に、緊張した面持ちで杯をのみほしておられます。現在の靖国神社に関する論争を聞いていると、申し訳なくて、本当に涙が出そうになりますね・・。


この本を読んでいると様々な事を考えさせられました。

戦争が起こった直接的な原因は「経済封鎖」であります。これをやられると、再び植民地に甘んじるか、資源獲得のために暴発(戦争)するしかありません。すなわち、「日本には資源がないから、他国の胸先三寸で、やられやすい」という厳然たる事実であります。資源がない国は、どこかの国からその資源を輸入しない事には、何にも出来ませんし、その資源がストップすれば一気に窮乏に陥ります。

日露戦争当時は石炭がメインエネルギー源でありましたが、当時は日英同盟のお陰で、有利に事を運ぶことが出来ました。

大東亜戦争当時〜現在に至るまでは、石油がメインエネルギーであります。そもそも、戦争当時の日本は、アメリカが一番の貿易相手であり、米国から様々な資源を調達していたのにも関わらず、その米国と戦争をするのですから、勝てるはずがないです。

今後、石油がなくなり、おそらくは原子力発電が、メインエネルギーになるのでしょう。原子力発電にしても、原材料のウランは埋蔵量の多い順に、オーストラリア、カザフスタン、カナダ、南アフリカアメリカ合衆国との事。オーストラリアって、今後、アラブの石油王みたいな人がたくさん出てくるのでしょうか?

どっち道、日本はどこかと仲良く手を結んで行かないと生きられません。多分、外務省の方々がその辺は熟慮されて、手を打たれているとは思いますが・・・。

日本が持っている自然の資源と言えば、唯一つ、海でございます。なんと、我が日本は国連海洋法条約で認められたEEZ排他的経済水域)で見ると、世界第6位の海洋面積を誇る国家であります。そして海底資源は日本国土の下に無尽蔵に眠っている可能性があるとのことです。まあ、いち眼科開業医が知ってるくらいですから、中国も韓国もこの事実は知ってるに決まっており、であるからこそ、尖閣諸島竹島など、色々イチャモンをつけて横取りしようとしておられるのです。ガメツイ、ロシアは勿論、北方領土を返そうとしません。

やはり、未来を考えると、断固として海洋面積を守り抜くとともに、海底資源開発に世界一の金をつぎ込まねばなりませんね。米国から独立し、自前の軍隊を持って、国境を守り、海底資源をしこたま獲得した暁には、ひょっとしたら、100年後日本は資源大国となっている可能性がありますし、日本はその一点に賭けるしかないです。

まだまだ書きたいことが山ほどありますが、このへんで筆をおきます。