眼科診療所にも管理栄養士??  by B

今年の花粉は、昨年より少なめとの情報でしたが、Bの診療エリアでは、強烈なようで、花粉症患者さんが明らかに昨年より多く来られております。皆様方のエリアでは如何でしょうか?

先週末、新しい診療報酬の説明会に行ってまいりました。国(厚労省)は、後発医薬品の普及と、在宅医療の促進に躍起になっておりますね。

特に在宅医療に関しては、今後、高齢者が増加していくのは火を見るより明らかなわけでございまして、病院に看取りまでさせていては、ベッドがパンクしてしまうことも明らかです。なるべく、慣れた自宅で尊厳のある死を迎えてもらおうという算段でしょう。在宅医療をするクリニックに関しては軒並み高い点数がついておりますね。逆に言いますと内科等のクリニックはどれだけ多数の在宅医療患者さんを抱えるかが、勝負の分かれ目となるようです。

一方、眼科だけを見れば、点数の増減はありますが、手術開業医にしてみれば、そんなに大きな改訂がなかったと言えるのではないでしょうか。

当院は、有床診療所であり、入院の場合は「有床診療所入院基本料3」で点数を取っておりました。改訂前は、500点だったのが、今回、511点にアップいたしました。

正直、眼科クリニックにおける入院なんて、完全に利益度外視の患者サービスであり、今回11点(=110円)分上がったからといって、屁のツッパリにもなりませんが、まぁ、悪い気はしませんでした。

所が、よくよく見てみると、「常勤の管理栄養士が1名以上配置されていること」となっとるではありませんか!!さらに、よく見ると、「有床診療所においては管理栄養士は常勤でなくても差支えがない」、更に、「平成26年3月31日までは届出を出せば経過措置あり」となっておりました。

「管理栄養士」自体、耳慣れない資格だったので、早速調べてみました。

管理栄養士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、
傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導
個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導
特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況、栄養状態、利用の状況等に応じた特別の配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等

を行うことを業とする者をいう(栄養士法1条2項)。
栄養士は、都道府県知事の免許を受けて、栄養士の名称を用いて栄養の指導に従事することを業とする者をいう(同法1条1項)。

取得方法 [編集]

管理栄養士の免許は、栄養士の免許を有する者が、管理栄養士国家試験を受けて取得する。
栄養士の免許は、栄養士養成施設(2年制、3年制、4年制がある。短期大学、専門学校、大学など)において2年以上栄養士として必要な知識及び技能を修得した者に対して、都道府県知事が与える。
そして、管理栄養士の免許は、栄養士免許を得た後に一定期間栄養の指導に従事した者(栄養士養成施設の在学期間+実務経験の合計が5年)、または管理栄養士養成施設を修了して栄養士免許を得た者(4年制の大学、専門学校。実務経験不要で、卒業後即受験可能)が、厚生労働省の実施する管理栄養士国家試験に合格した者に対して、厚生労働大臣が与える。
Wikipediaより

列記とした国家資格でございました。更に、合格率は30%以下の年も珍しくはなく、一発合格は余程運が良いか、成績優秀ではないと無理だそうです。

このような苦学をされて資格を取られた方を、雇用するには、どのくらいの人件費がかかるか、厚労省はわかっているのですかねぇ。

それこそ、入院1件につき、11点(=110円)アップしたからといって、雇えるわけないことは、考えればわかると思うのですが・・・。

おそらく、厚労省のお役人の方々は、中規模以上の老人病院のことばかりに頭が行っており、最早絶滅寸前の眼科有床診療所クリニックのことなど、頭の片隅にもなかったと思われます。1泊入院に管理栄養士もへったくれもないでしょう・・・。

という訳で、Bは非常に困惑しております。「at a loss」という連語を昔習いましたが、正にそういう心境ですね。

一瞬、嫁はんにその資格を取らせようかとも思いましたが、かなり遠大な計画になりますし、国家試験の合格率を見れば、100%無理でございます・・・。

まぁ、2年間の猶予がありますので、それまでに何とかせざるを得ません。知り合いのツテを辿って、管理栄養士の方を見つけ、当院顧問についていただき、一件入院があるごとに何がしかのfeeを出す形になると思われます。

そのfeeが、点数上昇分の「110円」だったなら、小学生の買い物のお駄賃レベルでございますので、おそらく、管理栄養士の方は「バカにするな!!」とお怒りになるでしょう・・・。という訳で、結局、当院持ち出しとなってしまいますね・・・。

こういう規則を定める人は、世間知らずでは駄目でございます。おそらく、官僚以外に社会人経験がないから、このような悪法(?)を悪気なく制定してしまうのでしょうねぇ。ホンマに困ったもんですわ。